先行馬の見分け方を解説!脚質の調べ方やタイプ毎の有利な条件を紹介!
競走馬の脚質をご存じでしょうか。
競走馬にも個性があります。
例えばスタートから先頭で独走する馬もいれば、後方からスパートをかける馬もいます。
このように、競走馬には得意とする走り方があり、それを脚質と呼んでいます。
脚質は大きく分けると4種類存在します。
・先行馬
・差し馬
・追い込み馬
この4つのうち、ここでは先行馬がどのような馬であるか、先行馬の見分け方や、買える先行馬の条件をまとめました。
先行馬とは前方で競馬する馬
競馬で勝つにはコースロスなく立ち回ることがポイントです。
そのため、極力先頭に立って内ラチ(インコース)を走るほうがいいです。
しかし、ひとつのレースで10数頭の馬が出走できる競馬において、先頭、そして内ラチを無理に狙おうとすると、馬と馬がぶつかり、落馬や転倒の原因になります。
そのため、必然的に縦長の隊列でレースは進行します。
先行馬は隊列の中で、半分よりも前で走っている馬を先行馬といいます。
ただし、先頭で競馬する馬は、逃げ馬なので、先行馬ではありません。
通過順位から先行馬を見分ける方法
先行馬を見分ける方法は2つあります。
そのうちのひとつが過去のレースのコーナー通過順位を見ることです。
こちらは天皇賞(秋)にて、三冠馬のコントレイルに先着したエフフォーリアのダービーのときの馬柱です。
脚質を見分けるコーナー通過順位は「3⃣4⃣9⃣9⃣」の部分で確かめることができます。
この数値は左から、1コーナーを通過した順位、2コーナーを通過した順位、3コーナーを通過した順位、4コーナーを通過した順位を表しています。
ダービーにおけるエフフォーリアは下記のようにコーナーを通過しています。
・2コーナーを4番手で通過
・3コーナーを9番手で通過
・4コーナーを9番手で通過
出走馬は17頭(右上のグレードの下に表記)で、隊列の中でも前で競馬しているので、エフフォーリアは先行馬であることが分かります。
ちなみに、短距離戦やマイルのように、コースを一周走らない場合は2つだけ掲載されています。
左から、最初のコーナーの通過順位、2つめのコーナーの通過順位です。
馬柱から先行馬を見分ける方法
多くの競馬新聞やウェブ新聞の出馬表にはその馬の脚質が掲載されています。
新聞社によって微妙な差異はありますが、基本的には出走馬名の近くに四角が4つ並んでいて、4つの四角のどこかに矢印(もしくは三角)が打たれています。
矢印の位置で脚質を判断できます。
例えば、縦表記の馬柱においては下記のように見分けることができます。
・上から二番目の四角に矢印が記されていたら先行馬
・上から三番目の四角に矢印が記されていたら差し馬
・一番下の四角に矢印が記されていたら追い込み馬
ただし、新聞社によって一律ではありません。
また、過去のレースデータがほとんど存在しない新馬戦や未勝利戦では、あまり信頼に置きづらいです。
先行馬は強い?
競馬予想において大切なのは、脚質が、勝率に大きな影響を与えるかどうかでしょう。
脚質ごとに、好走率を見てみましょう。
脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 9.40% | 19.50% | 29.70% |
先行 | 11.60% | 25.50% | 35.90% |
差し | 8.10% | 14.40% | 23.80% |
追い込み | 4.90% | 8.80% | 13.20% |
(出典:東京芝2400m|コース解説)
こちらは、中距離でもっともオーソドックスな東京競馬場の近3年(2018年12月~2021年11月)のデータです。
もっとも好走しているのは先行馬です。
脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 34.70% | 44.60% | 54.50% |
先行 | 9.60% | 23.20% | 36.10% |
差し | 5.20% | 12.30% | 18.70% |
追い込み | 1.80% | 4.20% | 8.10% |
(出典:阪神芝1200m|コース解説)
こちらは阪神競馬場の芝1200mにおける近3年(2018年12月~2021年11月)のデータです。
逃げ馬の成績が抜群に良いですが、先行馬の成績もかなり良いですね。
脚質 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
逃げ | 20.80% | 32.70% | 43.40% |
先行 | 15.90% | 32.40% | 46.00% |
差し | 3.50% | 8.40% | 14.70% |
追い込み | 0.50% | 1.50% | 3.00% |
(出典:中山ダート1800m|コース解説)
こちらは中山のダート1800mの近3年(2018年12月~2021年11月)のデータです。
勝率は逃げ馬に劣りますが、連対率、複勝率は先行馬が一番です。
距離や芝・ダートを問わず、先行馬はすべての脚質の中でもかなり好走率が高いということが分かりました。
なぜ、先行馬は好走しやすいのでしょうか?
先行馬が強い理由① レース展開に左右されづらい
先行馬がほかの脚質よりも強い理由は、レース展開に左右されづらいからでしょう。
差し馬や追い込み馬といった、後方から競馬する馬は自分でレース展開を作ることができません。
そのため、レースの流れに応じて動き出さないといけず、かみ合わなければ力を出し切れずに凡走してしまいます。
対して、先行馬は隊列の前のほうで競馬をするので、レース展開に左右されづらく、力を発揮しやすいです。
先行馬が強い理由② ブロックされにくい
ブロックとは、ほかの馬に進路をふさがれることをいいます。
後方で競馬する馬が例えば直線に入ってスパートをかけるとします。
ところが、進路が馬の壁だったら、それを回避するようにスパートするので、無駄に走らされます。
ところが、先行馬は差しや追い込み馬に比べると、進路がふさがれる可能性は少ないので、有利です。
先行馬が強い理由③ コースロスを減らせる
コースロスを減らすことができるのも先行馬の有利な点でしょう。
例えば、差しや追い込み馬が最後のコーナーから追い込みを仕掛ける場合、ほぼ確実に前にほかの馬がいるので、大きく外に回しながらスパートをかけます。
この大まくりがコースロスにつながりますが、先行馬は前にいる馬が少ないので、馬をかわしながら仕掛けることができます。
後方馬よりもコースロスなくスパートをかけやすいので、無駄に走らされることがありません。
先行馬が力を発揮しやすい舞台
レースやコースの条件によって、先行馬が力を発揮しやすい舞台があります。
ところで、逃げや先行馬は隊列のまえのほうで競馬しますが、差しや追い込み馬は後ろから競馬します。
前の馬が好走しやすい条件と後ろの馬が好走する条件は、反比例しているので、先行馬が好走しやすい条件とは、差しや追い込み馬が力を出し切りにくい舞台ともいえます。
タフな馬場
タフな馬場では先行馬は押し切りやすいです。
先行馬が有利というよりは、差しや追い込み馬が能力を出し切りにくいといった方が正しいかもしれません。
タフな馬場とは、芝なら稍重以下の馬場で、ダートの場合は乾いた良馬場、もしくは雨の影響で泥のようになった不良馬場のことをいいます。
芝でいう稍重以下の馬場は水分を含んでいるので、走る際パワーが必要になります。
差しや追い込み馬はスパートをかける際、スピードに乗る必要があります。
しかし、タフな馬場だと最高速度を出しにくいので、差し切るのがむずかしいです。
短距離
短距離レースも先行馬が有利です。
基本的に、差しや追い込みが決まるレースは、前の馬が揃って崩れることで後方有利になりやすいですが、短距離レースの場合は、崩れる前にゴール板を通過することが多いです。
そのため、短距離レースにおいては逃げ馬や先行馬の好走率がほかの距離と比較しても高い数値となっています。
小回り競馬場
小回り競馬場も先行馬の好走率が高くなります。
競馬場は全国にいくつかありますが、全て全く同じではなく、競馬場によってコース形態は変わります。
そのなかでも小回り競馬場はコーナーワークが小さいためどうしても速度を落としがちです。
また、直線も短いです。
差しや追い込み馬は、直線が長いほどトップスピードを維持できるので、コースが小さい競馬場では、スピードを発揮し辛いです。
そのため、間接的に先行馬のほうが好走しやすいのです。
まとめ
競走馬全体を見渡しても、かなりの馬が先行馬です。
テレビ映えするのは、ディープインパクトのような追い込み馬ですが、馬券で安定した収支を求めるのなら先行馬の取捨選択は避けて通れません。
また、先行馬を見ることでレース展開を類推することができるので、レースにおける先行馬の影響は大きいですね。
先行馬を意識しながら、馬券予想に取り組んでみてください。