競馬予想の回収率とは?競馬予想で最も重要な考え方を解説
馬券購入者にとって年間回収率が100%を超えるのは1つの大きな目標です。
しかし回収率の活用方法は、自分の利益を確認するための手段以外にも、様々な形で競馬予想に活かすことができます。
この記事では競馬予想に活かすという視点で回収率とは何かを詳しく解説します。
競馬予想と回収率
回収率とは回収できた割合を示す数値で、競馬では馬券購入の成績がプラスかどうかを確認できる数値です。
例えば1日で1000円馬券を購入し、払い戻し総額が1200円だった場合は回収率は120%となります。
ですが一日というスパンで馬券成績を見る場合、利益が出たかどうかの確認は容易だと思います。
それに対して馬券成績を月単位や年単位で把握するとなると、正確な利益を確認するためにはコマメに帳簿を付ける必要があります。
このように競馬では面倒な帳簿を付ける手間を省き、長期的なスパンで見て利益が出てるかどうかを確認するために回収率で利益を確認します。
具体的には以下のように長いスパンで利益を見る際に使われます。
・1ヶ月の利益
・1年の利益
また回収率は基本的には自分の馬券成績を確認する際に用いることが多いですが、上手く活用することで自分の成績や競馬予想の傾向・特徴を知ることができ、さらには競馬の予想に活用することも可能です。
回収率の計算方法
回収率は競馬では以下の数式で計算されます。
例えば1日のレースで1000円馬券を購入し、払い戻し金額の合計が1200円のケースですと「(1200÷1000)×100=120」となり、この場合は120%の回収率となります。
この割合が100%を超えれば黒字で100%を下回ると赤字です。
現在JRAではインターネット投票使用者であればCLUB JRA‐NETを活用することで、1年間の回収率を容易に確認することができるため、競馬の収支に関してはわざわざ帳簿をつけていなくても、回収率が何%なのかを簡単に確認することができ、多くの馬券購入者が実際にこのサイトを活用しています。
またCLUB JRA‐NETでは年間の回収率だけでなく開催時期別に回収率を確認することが可能で、他にも「競馬場別」や「騎手別」といったように、色々な視点から自分の回収率を確認することができます。
このように回収率とは自分の成績以外にも応用として自分の成績以外にも様々な対象に対して、利益という視点で適用することができる便利な数値です。
競馬予想に活かせる回収率とは
回収率とは自分の馬券収支を確認する際に便利な数値ですが、上述の通り利益という視点から対象を変えることで様々な情報を得ることができるメリットがあります。
具体的には以下の2つに大きく分けることができます。
・データベース活用に役に立つ
回収率を細かく分類し見ていくことで、自分がどういうケース利益を出しているかを知ることで、自分の予想傾向や特徴の分析と把握に役立ちます。
例えばCLUB JRA‐NETでは競馬場別に回収率を確認することができますが、東京競馬場では80%の回収率でも阪神競馬場では100%を超えているケースでは、関東よりも関西の方が予想の精度が高く相性の良い可能性が高くなります。
また騎手別の回収率を見ることで相性の良い騎手や無駄に馬券を買っている騎手などが、具体的な数値で確認することが可能です。
また回収率を騎手や競馬場、レース距離などさまざまな条件で絞り込んでデータを見ていくことで、指数予想などの際により良い条件を抽出することもできます。
例えば○○騎手の○○競馬場の○○○○mでは回収率○○%であるといったように、データベースでより細かく条件を指定することで、対象が100%を超える条件を探すこともできます。
様々な視点で見る回収率とは
回収率は様々な視点で見ることができますが、分類を大きく分けると以下の2つです。
②対象が自分以外である
「対象が自分」とは様々な対象を元に「自分が利益が出ているか」を見ることで、逆に「対象が自分以外」とは「対象そのものの利益を見る」ことになります。
具体的に対象が「騎手」を例にすると以下が2つの違いです。
②○○騎手自身の回収率は○○%
①は自分が実際に○○騎手が騎乗する馬券を買った時の回収率となり、②は○○騎手の馬券を買ったと仮定し過去の実績から回収率を計算します。
この他にも様々な視点から回収率を見ることができます。
①の視点の一例には以下の条件があります。
情報の中身 | 調査方法 | |
自分自身 | 自分自身の当年の回収率 | CLUB JRA‐NET |
開催別 | 開催時期毎の自身の期間別回収率 | CLUB JRA‐NET |
競馬場別 | 競馬場毎の自身の年間回収率 | CLUB JRA‐NET |
騎手別 | 騎手別の自身の年間回収率 | CLUB JRA‐NET |
調教師 | 調教師別の自身の年間回収率 | 要データベース |
血統 | 種牡馬・母父別の自身の年間回収率 | 要データベース |
馬主 | 馬主別の自身の年間回収率 | 要データベース |
コース別 | 各コース毎の年間回収率 | 要データベース |
基本的な項目はCLUB JRA‐NETで調べることができますが、細かいデータに関しては自分でデータを集めて計算するかJRA‐VANなどのデータベースを活用する必要があります。
自分に関わる情報は積極的に活用し予想傾向の特徴を分析し把握しておきましょう。
回収率を予想で使いこなすには
回収率を元に得た自分の特徴や細かい対象のデータは積極的に予想に活用していきましょう。
競馬場毎の相性は自分が主戦場とする競馬場の選定や勝負レースの選択などに役立ちますし、相性の良い騎手が狙っている馬に騎乗する場合は軸馬選定の決め手になります。
逆に相性の悪い競馬場や馬の実力は備わっているが騎手の相性が良くない場合は購入金額を抑えて買うなど、馬券戦略として臨機応変に対応することができます。
回収率を使ったデータベースの活用方法
では次に上述の②のケースの場合は具体的にどのようにデータを抽出し、競馬予想に活用することができるのでしょうか。
具体的には以下の特定の条件で抽出が可能です。
抽出項目 | |
騎手 | 競馬場・距離・調教師・距離・馬場状態・年度別・コース・血統 etc |
調教師 | 騎手・競馬場・距離・距離・馬場状態・年度別・コース・血統 etc |
血統 | 騎手・競馬場・距離・距離・馬場状態・年度別・コース etc |
競馬場 | 馬番・枠番・騎手・距離・距離・馬場状態・年度別・コース・血統 etc |
馬主 | 騎手・競馬場・調教師・距離・距離・馬場状態・年度別・コース・血統 etc |
生産者(牧場) | 騎手・競馬場・調教師・距離・距離・馬場状態・年度別・コース・血統 etc |
例えば「騎手」のデータ抽出例を具体的に挙げると以下のようになります。
「武騎手」が「東京競馬場」で「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「52%」となり、「ルメール騎手」が「東京競馬場」で「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「85%」です。
単勝回収率とは100円の単勝を買い続けた場合に回収率がいくらになるのかを表す割合です。
まず最初は複数の条件で抽出するのではなく1~3つの条件で対象を調査します。
上記の条件ですと単純に2021年度の両騎手では、東京競馬場ではルメール騎手の方が単勝回収率が上であることがわかります。
これを深堀し「ルメール騎手」が「木村哲也厩舎」の馬に「全ての競馬場」で「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「83%」ですが、「ルメール騎手」が「木村哲也厩舎」の馬に「東京競馬場」で「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「99%」となります。
ここでさらに相性が良いと想定できる「調教師」「他の競馬場」などの条件を抽出し絞り込みます。
このデータから2021年は木村厩舎・ルメール騎手のコンビは、単勝回収率の数値が16%上昇していることからもわかるように、特に東京競馬場で相性が良いことが回収率からわかります。
さらにこれを深堀し「ルメール騎手」が「木村哲也厩舎」の馬に「東京競馬場」で「芝のレース」に「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「87%」ですが、「ルメール騎手」が「木村哲也厩舎」の馬に「東京競馬場」で「ダートレース」に「2021年」に騎乗した時の単勝回収率は「140%」となります。
最後に選択した条件から、具体的な芝・ダートなどのコースなどで細かく分類していき、単勝回収率がプラスになる条件を探していきます。
この条件ですとルメール騎手・木村厩舎のコンビは、2021年はプラス単勝回収率となっていることから、他の競馬場よりも東京競馬場が狙い目で、さらには東京競馬場でも芝よりもダートの方が結果が伴っていることが回収率からわかります。
今回紹介した例は騎手ですが、データを細かく深堀りすることで、騎手以外にも回収率がプラスになる条件を探し出すことが可能です。
回収率がプラスになる条件を抽出し、様々な条件と比較しながらプラスの条件に合致する馬券を買うことが、データベースを予想に活用する方法になります。
回収率と数字の注意点
データベースで弾き出す回収率は、基本的に計算が容易な単勝回収率を使用する場合が多いですが、同じく金額が計算可能な複勝回収率も数字で弾き出すことができます。
単勝回収率とは該当の条件で単勝を100円買い続けた場合の回収率のことで、複勝回収率とは該当の条件で複勝を100円買い続けた場合の回収率となります。
単勝回収率と複勝回収率の計算方法は以下の通りです。
・複勝回収率={条件該当の単勝払い戻し金額の総合計÷(該当の購入機会数×100)}×100
例えば「ルメール騎手」で「木村厩舎」の馬に騎乗した際の「2021年」「東京競馬場」「ダート」ですと以下になります。
・複勝回収率={740円÷(7回×100円)}×100=105%
回収率を分析する際の注意点としては、単勝回収率は単勝万馬券などの大きな金額が出ることで大きく上昇しますので、単勝回収率を予想に活用する際には高額配当による数値の上昇を考慮する必要があります。
具体例として2021年2月7日6Rの東京の新馬戦を単勝万馬券で勝った勝浦騎手の、2021年の単勝回収率を例に挙げると以下になります。
・勝浦騎手の2021年度の全ての競馬場を対象にした単勝回収率は103%
それぞれ単勝回収率はプラスですが上述の新馬戦の単勝万馬券が大きく影響しており、実際に東京競馬場では2021年はこの1勝のみですので、これを除けば単勝回収率は0%です。
また全場成績も東京での単勝万馬券を除くと単勝回収率60%と大幅に低下します。
つまり回収率を予想に結び付ける際には、年に1度あるかどうかの偶然を過去の結果から排除する必要があるということになります。
データベースで回収率を計算する際に具体的に偶然を排除するためには、平均配当を計算し平均を大幅に上回る高額配当は除外し回収率を計算する必要があります。
ただしデータベースで対象の回収率を確認する際は、該当機会が多いほど1つ1つ数字を確認するのは大変面倒な作業になるため、大まかでよいので高額配当による回収率の引き上げが起きていないかは、最低限確認するようにしましょう。
ちなみにデータというのは過去の数値です。
予想に活用するには時代に即した常に最新の情報が求められますので、過去の情報に捉われるのではなく、コマメに情報を更新し常に新しい情報を調査し取り入れることが、抽出したデータを予想に活用する重要なポイントになります。
まとめ
この記事では具体的にトップ騎手であるルメール騎手や武騎手の具体的な回収率の確認方法を簡単に紹介しましたが、データベースで全ての情報を分析し把握するためには膨大な時間が必要となります。
この作業が苦痛になることを避けるためにも、自分の好きな馬・騎手・厩舎・競馬場といったように、自分の予想傾向に合致する条件を深堀し楽しみながらデータ分析を行うようにしましょう。