競馬の回収率の上げ方は?年間の回収率の平均や目安について解説
競馬の回収率の平均の目安は一般的に70~80%ぐらいと言われていますが、実際の数値というのは公には公表されていないためあくまでも目安です。
では実際の回収率の平均はどの位なのでしょうか?
この記事では実際の競馬の回収率の平均がどのくらいなのかを、ネット競馬の予想家の数値から比較し計算し、プロ全体の回収率平均がどの程度に落ち着くのかを見ていきます。
競馬の回収率の平均はどのくらい?
皆さんの競馬の回収率はいくらぐらいですか?
一般に言われているのは平均が70~80%と言われていますが、75%以下が全体の半分を構成し、75~85%が3割、85%以上が2割となっており、回収率2割の中からごくわずかの上級者が回収率100%を超えていると言われています。
しかしこれらの数値はあくまでも目安です。
そこで今回は掲示板など多くの競馬ファンが利用している競馬サイトであるネット競馬場を使って、ネット競馬で予想を公開しているプロ達の成績をまとめてみて、回収率の平均がどの程度に落ち着くのかを実際に紹介していきます。
プロ達の回収率の実数値はどの位?
ネット競馬で公表されている2016年~2021年度までの、プロ予想家の年間回収率の分布をまとめた表が以下になります。
回収率101%以上 | 回収率86%以上 | 回収率85~76% | 回収率75%以下 | |
件数分布 | 39件 | 75件 | 120件 | 204件 |
割合 | 8.9% | 17.1% | 27.3% | 46.5% |
年間回収率100%以上が1割近い数値になっており、一般では2割に該当する85%以上の分布はプロの場合は約25%、そして約半数とされている75%以下は46.5%と若干少ない数値となっています。
ここで集計した人達は競馬予想を公に行っているプロの予想家達です。
よって、これはプロの数値であるという点を考慮すると、一般の人はこの数値よりも若干低下する可能性があると考えた方がよさそうです。
ですから回収率85%以上が全体の2割になるという情報はあながち間違えではないことがわかります。
ネット競馬プロ予想家達の回収率の目安
プロの予想家の回収率は上記の表の通りですが、やはり競馬予想のプロでも年間回収率が100%を超えるのは困難であることが、数値からおわかりいただけましたでしょうか。
また年度別に全体の半分となった時点での回収率をまとめ、それを合計した数値の和は76.6%となりました。
つまりプロでも半分以上は75%に限りなく近い回収率であるということがわかります。
このことから一般の方で基本的には年間回収率が毎年安定して86%を超えている人達は、競馬予想の上級者であると自負してもよいといえる極めて優秀な回収率です。
競馬で回収率100%を目指すのであれば、プロの数値だから参考にならないと思うのではなく、現在の自分の位置づけがプロと比較してどの程度に位置しているのかを冷静に見極め、自分の実力を知るのも重要です。
馬券購入を長く続けたいと思う人はまず最初に目安として、回収率76.6%のラインはクリアしておきたいところですね。
このラインを安定してクリアできるようになれば、次に86%を超える上級者ラインを目標にし、最終的に安定して100%を超えるというゴールを目指し、段階的に回収率を上げていくのが理想のステップと言えます。
競馬で回収率を上げる方法
回収率を上げる方法は色々ありますが、ここではネット競馬の予想家のデータからわかる回収率を上げる方法を紹介します。
結論から言うと重要になってくるのは「競馬場の絞り込み」です。
以下は2016~2021年までの小倉競馬場に絞ったデータになります。
回収率101%以上 | 回収率86%以上 | 回収率85~76% | 回収率75%以下 | |
件数分布 | 42件 | 22件 | 44件 | 121件 |
割合 | 18.3% | 9.6% | 19.2% | 52.8% |
総合成績との比較 | +9.4% | -7.5% | -8.1% | +6.3% |
結果をみてみると、回収率100%を超える数値が大幅に増加する反面で、回収率75%を下回る数値も増加していることがわかります。
このことから小倉競馬場が得意なプロは回収率が増加し、苦手なプロ達は回収率が低下していることが表からわかり、つまり小倉競馬場が得意なプロが上限である回収率100%超えの数値を上げ、小倉競馬場が苦手なプロ達が下限の数値を上げている形となっています。
次に東京競馬場の集計を見てみましょう。
回収率101%以上 | 回収率86%以上 | 回収率85~76% | 回収率75%以下 | |
件数分布 | 49件 | 60件 | 71件 | 214件 |
割合 | 12.4% | 15.2% | 18.0% | 54.3% |
総合成績との比較 | +3.5% | -1.9% | -9.3% | +7.8% |
回収率100%超えはローカルの小倉競馬場ほど数値の上昇は大きくありませんが、回収率75%以下は小倉競馬場よりもわずかに増加しています。
数値には若干の変化がありますが、共通しているのは競馬を1つに絞ると上限と下限の数値が上昇するという点です。
このことからプロの予想家でも得意な競馬場と不得意な競馬場があることがわかります。
その結果購入する競馬場を絞ることで回収率に変化が生じ、以下の傾向が見えてきます。
・自分の苦手な競馬場は増加する
この点を踏まえると年間の回収率を上げるためには、1年を通して自分の得意な競馬場を開催時期毎にストックしておくことが、回収率を上げる重要なポイントになります。
競馬では主に以下の4つに開催が分かれます。
②阪神・京都などの関西
③メイン開催時のローカル裏開催
④夏のローカル開催
予想に自信がる人であれば全てのレースを買ってもよいですが、基本的には年間を通してどの競馬場を買うのかの構想は持っておく必要があります。
そして回収率の低下に悩む人は、苦手な競馬場では厚めに買わず、得意な競馬場でのみ勝負するといった競馬予想スタイルを確立することを優先させましょう。
またローカル裏開催や夏のローカル開催は、馬質の低下や上位騎手の分散により、高配当も多く予想難易度は高くなりがちですので、回収率を上げるためにはローカル裏開催や夏のローカル開催は控えるのも有効な戦略です。
プロの予想プロセスから学ぶ年間回収率を上げる方法
競馬予想は様々なプロセスで行いますが、ネット競馬の予想家も予想プロセスとして具体的に何を重視するのかで、項目別に○○派といった形でわかれています。
具体的に総合派・血統派・指数派などいくつかの派がありますが、ここでは大多数を構成する総合派以外の予想家達の2016~2021年の年間回収率を派別に見ていきます。
派別の回収率が85%以上の件数と85%未満の件数は以下の通りです。
回収率101%以上 | 回収率85%以上 | 回収率85未満 | 合計件数 | |
血統派 | 1件 | 5件 | 27件 | 33件 |
馬体派 | 0件 | 2件 | 15件 | 17件 |
データ派 | 0件 | 3件 | 18件 | 21件 |
ラップ派 | 0件 | 7件 | 16件 | 23件 |
展開派 | 0件 | 5件 | 21件 | 26件 |
指数派 | 4件 | 19件 | 54件 | 77件 |
馬場派 | 5件 | 3件 | 11件 | 19件 |
指数派 | 2件 | 4件 | 7件 | 13件 |
このように派別に見ると、大きく成績の違いが分かれます
次に派別の回収率85%未満の割合は以下のようになりました。
血統派 | 馬体派 | データ派 | ラップ派 | 展開派 | 指数派 | 馬場派 | 調教派 | |
85%未満の割合 | 81.8% | 88.2% | 85.7% | 69.5% | 80.7% | 70.1% | 57.8% | 53.8% |
今回は85%というやや厳しめの条件で抽出しておりますが、この数値を見るとデータ派・馬体派・血統派・展開派の4つが特に成績の不振が目立ち、逆にラップ派・指数派・馬場派・調教派は安定した数値となっています。
このデータから血統・馬体・データ・展開という予想プロセスがある中で、これを中心に予想を組み立ててしまうと、回収率増加という結果には結びつきにくいことがわかります。
つまり血統・馬体・データ・展開はあくまでも補助的な要素であり、単体で予想を行うと回収率に結びつかないということになります。
補助的な要素の具体的な一例を以下に示してみました。
・馬体は良いかどうかの判別は素人では困難である(馬体派)
・データは迷った時の判断材料(データ派)
・展開予想が的中しても馬券が外れることもあり展開が向きそうな馬の参考程度に(展開派)
ちなみに馬場派に関しては回収率100%以上の5件と85%以上の1件の計6件は同一人物によるもので、この6件を引いて計算すると85%未満の比率は84.6%と成績が大きく下がるため注意が必要です。
また調教派の予想家は実際に調教を生で見ることができる環境を備えているため、一般の方には不可能な予想プロセスです。
ですから回収率増加のために単独でプロセスを組むのであれば、ラップや指数といったプロセスを主体に組むことをおすすめします。
つまり、回収率に直結する有効な指数を探しそれを適用することや、レース毎のラップを細かく分析し予想に活用することは回収率増加に直結することを意味します。
ただしやはりネット競馬予想家の王道は総合派であることからわかるように、予想プロセスは1つにこだわるよりも複数のプロセスを、総合的に判断し予想を行うことが回収率増加のためには重要です。
この点はネット競馬のプロ予想家の過去の回収率から伺うことができるのではないでしょうか。
ネット競馬プロ予想家の回収率年間平均
最後に今回集計した回収率を年間別に表にまとめました。
回収率101%以上 | 回収率86%以上 | 回収率85~76% | 回収率75%以下 | 合計 | |
2016年 (割合) |
6件(20.0%) | 4件(13.3%) | 2件(6.6%) | 18件(60.0%) | 30件 |
2017年 (割合) |
2件(4.2%) | 8件(17.0%) | 8件(17.0%) | 29件(61.7%) | 47件 |
2018年 (割合) |
5件(8.0%) | 16件(25.8%) | 16件(25.8%) | 25件(40.3%) | 62件 |
2019年 (割合) |
9件(9.5%) | 12件(12.7%) | 29件(30.8%) | 44件(46.8%) | 94件 |
2020年 (割合) |
6件(6.0%) | 15件(15.1%) | 37件(37.3%) | 41件(41.4%) | 99件 |
2021年 (割合) |
11件(10.3%) | 20件(18.8.%) | 28件(26.4%) | 47件(44.3%) | 106件 |
初期の頃と比較すると件数が増加している割には、75%未満の数値は減少傾向にあるため、実力のあるプロの予想家が年々増えてきています。
プロの予想家でも回収率100%を超えるのは大変であることがわかりますが、プロの予想家に負けないよう回収率100%超えを目指して頑張っていきたいところですね。
ネット競馬では様々なプロの予想家が独自の見解で予想を行っているため、回収率の高い予想家の予想プロセスを確認することで自分の競馬予想の幅も広がるキッカケにもなります。
ですから回収率が上がらない人は、時には自分の予想スタイルに合ったお気に入りの予想家の予想を参考にしてみましょう。
まとめ
今回はネット競馬の予想家の成績を参考に、一般に言われている回収率の平均に関する情報が正しいのかを調べてみましたが、プロであることを加味すると概ね正しいことが数値からわかります。
またプロの予想家でも競馬場を限定せずに手広く購入を行うと、回収率の低下に繋がることもデータから判明したので、回収率を上げるためにも購入する競馬場の絞り込みは確実に行いましょう。