どうして有馬記念は牝馬が勝てないのか?3歳牡馬を狙いたい理由と一緒に解説

どうして有馬記念は牝馬が勝てないのか?3歳牡馬を狙いたい理由と一緒に解説

2021年の有馬記念は、3歳牡馬のエフフォーリアが非常に強いレース内容を見せて完勝し、年度代表馬も手中に収めました。

飛び抜けた逸材を除き、実際に有馬記念は牝馬よりも3歳牡馬の方が相性は良く、好結果を収めているのが特徴です。
そこで、有馬記念は牝馬が勝てない理由と3歳牡馬を狙いたい理由をここで解説していきます。

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有馬記念は牝馬が苦戦する理由

有馬記念は牝馬が苦戦する理由

有馬記念といえば年末の風物詩でもあり、ファン投票で選出された競馬の祭典といえます。
競馬ファンでない人でもその名前を知っているように、世界で一番の売り上げを誇るレースです。

有馬記念はオグリキャップやトウカイテイオーの復活劇、ディープインパクトやオルフェーヴル、キタサンブラックといった名馬の引退レースにも花を添えて、数々のドラマを生み出してきました。

そんな有馬記念は全くではないのですが、牝馬が勝てないといわれることが多々あります。
過去66回の有馬記念で牝馬が勝利したのはわずかに7頭のみです。
どうして牝馬が勝てないのか、その理由を考えていきましょう。

暮れの中山はパワーが必要

有馬記念は毎年最後の中山開催になり、12月の第4週目に当たります。
12月といえど開催的には秋競馬になり、後半にかけて芝コースのレースが多くなって、冬の寒さで芝の伸びが悪いことから、荒れ馬場になりがちです。

この荒れ馬場に加えて中山コースはゴール前に2.2mの急坂があり、有馬記念は2500mですから、この坂を2回乗り越えないといけません。
さらに、コース全体の高低差は5.3mと2階建ての建物に相当します。

普通に考えても2階建ての建物を行ったり来たりするのは苦痛ですし、中山の内回りコースはカーブもスパイラルと窮屈ですから、スピードの緩急に苦労するといえます。

有馬記念は非常にタフなコースですから、それだけに暮れの中山は瞬発力よりも長い脚を使える心肺機能やパワーも必要になり、牝馬が苦戦を強いられることになるのです。

中山を苦手としない一線級の牡馬が相手

近年の日本競馬は海外へ積極的に挑戦する傾向が高くなり、有馬記念に進まない牡馬も出てきました。
このような馬たちはジャパンカップ後に休養することや、12月第2週にある香港国際競走に登録しています。

香港国際競走から有馬記念は実質的に中1週というハードローテだけに、ほとんどの馬は見送られがちです。
それに1日に複数のG1レースがある香港国際競走は世界中のホースマンからも注目を集めていますので、将来的な繁殖入りを視野に入れて出走させたいオーナーサイドの意向もみられます。

それでも、有馬記念は国内における多くのホースマンたちの目標でもありますから、中山コースを苦手とせずに、ここに照準を合わせた一線級の牡馬たちが揃います。

しかも、有馬記念に登録する牝馬というのは、秋華賞やエリザベス女王杯を最大目標にしているケースが多く、繊細で体調面の立て直しが難しい牝馬だけに強力牡馬勢に敗れることは珍しくありません。

切れ味勝負では分が悪い

有馬記念に挑戦した牝馬の中で、競馬史に残る活躍を見せながら敗れた馬もいます。
代表的なのがアーモンドアイとウオッカです。

アーモンドアイは牝馬三冠を達成してジャパンカップも制し、ウオッカは牝馬ながらダービーを制覇するなど、年代は違いますがお互いに3歳時から飛び抜けた存在といえました。

ところが、共に東京コースでは抜群の切れ味で無類の強さを誇りながら、有馬記念では惨敗を喫しています。
アーモンドアイとウオッカはG1でも牡馬以上の実力を誇り、それぞれ年度代表馬に2度も輝くほど競馬史に素晴らしい功績を残しています。

この2頭は有馬記念の惨敗以降、引退までもう一度有馬記念に出走することはありませんでした。
このことから、どれだけ強い牝馬でも中山適性がなければ馬券対象になることすら難しいのが有馬記念の特徴といえるでしょう。

逆に勝利する例外の牝馬は競馬史に残る女傑のみ

一方で有馬記念は牝馬が勝てないとよく言われる中で、この15年ではクロノジェネシスやリスグラシュー、ジェンティルドンナ、ダイワスカーレットの4頭が勝利を収めています。
ただ、この4頭は多くの牡馬を圧倒した実績を持ち、競馬史に残る女傑ともいえます。

クロノジェネシス 同年の宝塚記念を圧勝し、長い脚を使えて後にグランプリ3連覇
リスグラシュー 同年の宝塚記念とコックスプレート(豪)を完勝して本格化
ジェンティルドンナ 牝馬三冠達成し、同年のドバイシーマCを勝利して先行力が武器
ダイワスカーレット 前年の有馬記念2着で牡馬顔負けの心肺機能から逃げ切り

このように、海外G1 レースや国内重賞でも牡馬を相手にも堂々の勝利を積み重ねるなど、一般の牝馬とはレベルが違う存在でなければ有馬記念を勝つのは至難の業ともいえます。
とはいえ、この4頭に劣らないレベルの競馬史に残る牝馬でも勝てないことがあります。

先述したアーモンドアイとウオッカの2頭だけでなく、ブエナビスタやもっと遡るとエアグルーヴ、ヒシアマゾンといった超一流の牝馬も2着・3着と惜敗しました。
それだけに、牝馬が有馬記念で勝つには並大抵ではないことが分かります。

有馬記念では3歳牡馬が有利な理由

有馬記念では3歳牡馬が有利な理由

有馬記念で勝ちやすい有利な馬というのは、実は3歳牡馬です。
3歳馬は若駒ですから、先輩の牡馬相手に力関係はどうなのかという疑問も浮かび上がります。

確かに春のクラシックでは古馬との力関係はあるでしょうが、成長著しい秋ごろには古馬との差もほとんどなくなります。
実際にグレード制が導入された1984年以降でみると、3歳馬(旧表記4歳馬を含む)の勝利は38年間で15頭おり、その内5頭が4歳以降にもう一度勝利している強者です。

ちなみに3歳馬が一度も馬券に絡んでいないのは8回のみで、ほぼ毎年のように3歳馬は馬券的に有力候補となります。
では、なぜ3歳牡馬が有利なのかみていきましょう。

成長の伸び代が違う

一般的に3歳馬の秋といえば、人間でいうところの20歳前後といえます。
身体も出来上がり、精神面でも落ち着きが見られ、オリンピックなどではメダル候補がピークを迎えたりしています。

サラブレッドも同じように3歳秋から急成長を見せるものであり、本格化するのが4歳なので古馬勢はいってみればピーク期から若干過ぎたようなもの。
それだけに3歳馬は夏を経て秋から冬に至る期間に大きな成長を遂げており、有馬記念の頃には古馬を圧倒するパワーを身に付けています。

また、菊花賞や天皇賞秋といったG1レースを経験することで、さらに成長が上乗せされていきます。
人間の世界でも若い世代の成長は目を見張るものがありますが、馬の世界においても同じようなことがあるのでしょう。

斤量面で優遇

有馬記念は3歳馬と古馬の斤量差が2キロ設けられています。
3歳馬は55キロで出走できるのに対し、古馬の牡馬は57キロ(2001年までは年齢によって56キロの時期もあり)となり、これは昭和の時代のシンボリルドルフやオグリキャップでも同じ条件でした。

古馬は天皇賞秋(58キロ)やジャパンカップ(57キロ)でも同様に2キロ差を付けられています。
有馬記念は先述したようにタフなレースですから、斤量差が一番影響を受けるのが年末の中山芝2500mとなります。
年末にはほとんど力の差がなくなっているだけに、3歳馬が2キロ差で出走できるのは有利な条件といえるでしょう。

ゆったりしたローテーションを組める

3歳牡馬が秋の最大目標に添えるのがクラシック最終関門の菊花賞です。
この菊花賞から有馬記念は2000年移行に10月第4週に開催されるようになり、ジャパンカップをパスすると有馬記念までは2か月ほどのローテーションを確保できます。

このローテーションを使い、近年ではオルフェーヴルやゴールドシップ、サトノダイヤモンド、ブラストワンピースらが有馬記念を勝利しました。
また、菊花賞をパスして中距離路線の天皇賞秋から有馬記念を目指す3歳馬もいます。

こちらも約2か月の間隔を空けられるので、2021年のエフフォーリアや2002年のシンボリクリスエスなどが有馬記念を勝利しています。
一方の古馬牡馬は天皇賞秋をステップにジャパンカップやマイルチャンピオンシップ、香港国際競走を視野に入れています。

菊花賞で完全に仕上げる3歳牡馬と違い、10月最終週(天皇賞秋)をステップにするので、有馬記念までに体調面でお釣りが無い状態になりがちです。
ジャパンカップは近年強力外国馬の参戦もほとんどないので、賞金の高いこのレースを使う有力の古馬牡馬が多く見られます。

仮に天皇賞秋をパスしてジャパンカップから有馬記念に向かっても、中3週しかありませんから、絶好調に仕上げるのは難しいといえるでしょう。
古馬にとって見えない疲れも残る有馬記念は、ゆったりとしたローテーションで臨める3歳牡馬が有利なのは間違いありません。

斤量面で有利な3歳牝馬は厳しい

斤量面で一番有利なのが3歳牝馬です。
有馬記念には53キロで出走できますから、古馬牡馬からすると4キロ差とハンデ戦のように感じられます。

では3歳牝馬が有馬記念で有利なのかというと、実はそうとは限りません。
基本的に秋華賞を最大目標に掲げて仕上げ、ここから中3週でエリザベス女王杯に向かうパターンが見られます。

エリザベス女王杯から有馬記念までは中6週で、G1 を連戦した後の牝馬が調子を整えるのは難しく、特に有馬記念で秋4戦目の馬が多いので上積みがほとんどありません。

実際に3歳牝馬で有馬記念の馬券対象になったのはこの30年でもわずか3頭しかおらず、ジェンティルドンナとダイワスカーレット、ヒシアマゾンです。
ジェンティルドンナとダイワスカーレットは共に秋華賞からエリザベス女王杯に進み、有馬記念で2着に敗れました。

2頭とも有馬記念が秋4戦目でお釣りがなかったともいえます。
1994年の有馬記念で2着だったヒシアマゾンは勝ち馬が当時最強のナリタブライアンだったので仕方ない面もあるでしょう。

ヒシアマゾンは秋華賞がない時代だったにも関わらず、有馬記念までに秋3戦目を消化しており、前走のエリザベス女王杯ではオークス馬のチョウカイキャロルとハナ差の激戦を終えた後でした。

これほどの馬たちでも勝利できず、かつ3頭しかいない面も踏まえても、有馬記念までに十分な余力を残しづらい3歳牝馬は、いくら斤量面で優遇されていても、厳しい戦いを強いられるのは間違いありません。

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まとめ

有馬記念を牝馬が勝てない理由として、コース適正に加えて荒れ馬場になりやすく瞬発力よりもパワーが必要だからです。

心肺機能が備わり、牡馬相手にも引けを取らない長い脚を見せる牝馬の場合、相手関係にもよりますが、勝利をすることは可能といえます。

ただ、そのような牝馬は競馬史に残るような女傑ですし、有馬記念はむしろ3歳牡馬が斤量面やローテーションで有利といえます。

実際に有馬記念は3歳牡馬が毎年のように馬券圏内に入っていますので、勝負するなら3歳牡馬から予想を組んでみてはいかがでしょうか。