競馬で出た過去最高の倍率は何倍?単勝など券種ごとの記録を紹介
「単勝や複勝でもとんでもない倍率が出たことあるって聞いたけどホント?」
「実際のところ競馬界で倍率は最高何倍まで出たことあるの?」
「地方競馬特有の券種だと最高倍率はどれくらいなの?」
このページを訪れたあなたは、以上のような疑問を抱いているのではないでしょうか。
今回は、競馬で提供されている券種それぞれについて、最高でどれほどの倍率になったことがあるのかを紹介していきます。
※中央競馬・地方競馬とも 2022年の集計データを参考にしていますが、中央競馬は参考にしたデータサイトの都合上、1986年以降のデータが主になります。
馬場を問わず発売されている 9券種の最高倍率を紹介
まずは、中央競馬か地方競馬かに関わらず発売される 8個の券種について、最高倍率を見ていきましょう。
意外な高額配当が出ている券種があったり、中央競馬のほうが最高倍率の高い券種もあれば地方競馬のほうが最高倍率の高い券種もあったりと、とても面白いデータが勢揃いですよ。
ちなみに、もともと配当金を目的としていない応援馬券については、最高倍率のデータが存在しないという理由もあって今回は除外しています。
1頭しか予想しない単勝や複勝でも万馬券がかなり出ている
1位になる 1頭の馬を当てる単勝と、3位以内に入る 1頭の馬を当てる複勝は、初心者向けの馬券と言われており倍率も大人しい数字になっていることが殆どです。
しかし、そんな単勝や複勝でも万馬券は何度も出ています。
中央競馬における複勝では、2010年6月26日のサラ系3歳未勝利レースで出た 161.1倍というオッズが最高倍率です。
このレースでは、最下位の 16番人気だったヴィヴィアンが先頭集団に食らいつく快走を見せ、最終 3着で馬券に絡んできました。
中央競馬の複勝倍率ランキングでは 5位までも 100倍以上が並んでいますし、堅実すぎて稼ぎづらいと言われる複勝でも、万馬券が出る時は出ているのです。
地方競馬の複勝はもっと凄く、2005年3月7日に佐賀競馬場で行われた 1レース目において、751.8倍という驚異的な最高倍率を叩き出しています。
単勝に目を移すと、中央競馬での最高倍率である 569.4倍という数字も驚異的です。
当該レースでは 1番人気のエーシンエムディーが独走かと思われていたところ、16番人気のリバティーホールが後半の驚異的な追い上げで優勝し、肝心のエーシンエムディーは 13着という大荒れの結果となりました。
この時は複勝も 111.2倍となっており、中央競馬において単勝と複勝がどちらも万馬券となった希有な例と言えるでしょう。
しかし驚くなかれ、地方競馬の単勝では 2,057.6倍という目を疑うような最高倍率が記録されています。
万馬券どころか十万馬券になる単勝を生んだレースが開催されたのは姫路競馬場、2001年7月18日に11番人気のハッピーランランがハナ差で勝利したレースでした。
地方競馬で高額配当が出やすい理由としては、人気馬への偏った投票が多い一方で大穴馬が発生しやすいことと、出走頭数の少ないレースが多いので大穴馬も馬券に絡みやすい点が挙げられます。
単勝や複勝でも万馬券を狙ってみたい方は、地方競馬にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
枠連やワイドになると中央競馬でも十万馬券が出る
2頭を予想する券種としては比較的難易度の低い枠連やワイドでも、回数はかなり少ないですが十万馬券が発生しています。
中央競馬の枠連で十万馬券が発生したのは 1986年以降に絞るとたった 2回で、1997年3月29日のサラ系4歳未出走レースと、2001年8月11日の TVQ杯です。
特にサラ系4歳未出走レースでは、全組み合わせ中最低の 36番人気となっていた 2-2 の枠連が的中になり、オッズ 1,064.4倍となる十万馬券を産み出しました。
しかし本当の最高倍率は、1970年2月22日に小倉競馬場で開催された、4歳未出走未勝利2R における 1,234.1倍でした。
古いレースなので詳細は不明ですが、8頭立てのレースで 6番人気と 8番人気の馬がワンツーフィニッシュするという、大荒れの展開だったようです。
ワイドのほうは近年になって十万馬券が何度も出ており、倍率トップ5 はいずれも 2012 〜 2020年にかけて発生しています。
最高倍率となった 2017年12月3日のサラ系3歳上500万円以下レースでは、120 ある組み合わせの中から 87・101・114番人気のワイドが的中となり、114番人気のもので 1290倍のオッズを叩き出したのです。
このレースは 3着以内に人気馬が一切入らず、三連複の倍率で歴代 2位、三連単の倍率も歴代 3位になるほど、総じて超が付くほどの大荒れとなりました。
競馬史に残ろうかというほど荒れたので、記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
一方、地方競馬の最高倍率は枠連で 2,588.4倍、ワイドで 2,866.2倍と、やはり中央競馬を大きく凌ぐ数字が出ています。
ワイドの最高倍率が出たのは、12頭立てだった 2001年11月5日の浦和競馬場1R です。
3通りある的中買い目のうち、2番人気を含む 2通りは倍率が低かったものの、8番人気と 10番人気の組み合わせで最高倍率となりました。
枠連の最高倍率が出たレースは 1997年1月14日の高知競馬場2Rと古く、残念ながら詳しい情報は見つかりませんでした。
馬連や馬単になるとより夢が広がる最高倍率に
2頭を当てる券種の中でも難易度が高い馬連や馬単では、枠連やワイドに比べて高い倍率も当然のように出ています。
馬連に関しては中央競馬・地方競馬ともに同じくらいの最高倍率で、中央競馬の馬連は 5,025.9倍、地方競馬の馬連は 5,367.5倍です。
中央競馬の馬連最高倍率が出たのは 2006年9月9日のサラ系3歳未勝利レースで、120 の組み合わせがある中、111番人気の買い目が的中となりました。
大穴がワンツーフィニッシュする大荒れの結果だったため、三連単の的中者は 0人でした。
地方競馬の馬連最高倍率は 2010年12月21日に園田競馬場3R で発生し、こちらは人気最下位の買い目が的中する結果で大波乱を巻き起こしました。
そして話が馬単になると、さらにとんでもない倍率が見られます。
中央競馬の馬単最高倍率は先ほども紹介した馬連最高倍率のレースで出ており、なんとその倍率は 14,986.6倍!
いわゆる百万馬券と呼ばれるものですが、中央競馬の馬単では過去に 4度も発生していて夢が広がります。
そして地方競馬の馬単にもなると最高倍率は驚異の 33,086.1倍、2006年5月20日の盛岡競馬場7R で発生した倍率です。
正直、本当に馬単で出た倍率なのか疑うくらいの高額配当だと感じます。
三連複や三連単の最高倍率は中央競馬のほうが高い
ここまで紹介した券種では地方競馬のほうが高い最高倍率を出していましたが、三連複と三連単に限っては、中央競馬のほうが高い最高倍率を出しています。
中央競馬では 2006年9月9日、サラ系3歳未勝利で発生した 69,526倍が三連複の最高倍率で、13番人気・12番人気・8番人気の順にゴールする大荒れの展開だったため、三連単の的中者はいないというレースでした。
地方競馬における三連複最高倍率は、2003年1月7日の川崎競馬場8R で発生した 54,707.3倍で、中央競馬の記録より少し低い値です。
このレースでは 1番人気の馬が最下位に甘んじるなどやはり荒れた展開でしたが、面白いことに倍率が跳ね上がったのは三連複だけで、他の券種は意外と落ち着いていました。
三連単に関しては 13,741.2倍と三連複より遥かに低い倍率となっており、稀に発生する倍率逆転現象の中でも特に倍率の差が開いた一戦です。
さて、皆さんお待ちかねの本命である三連単は、薄々勘づいている方も多いと思いますが一千万馬券のオンパレードとなっています。
中央競馬の三連単最高倍率は 2012年8月4日のサラ系2歳新馬戦で発生し、その倍率はなんと 298,329.5倍。
このレースでは、2着・3着が同着となって三連単に 2通りの的中を発生させたのですが、3着まで全て大穴馬が入ってくる最大級の波乱が起こったため、最高倍率でないほうの買い目ですら 149,165.2倍にもなりました。
中央競馬の三連単では、上記のレースを含めて二千万馬券が 6回も発生しており、一千万馬券はさらに何度も発生しているのですから、やはり夢のある馬券だと感じますよね。
一方、地方競馬の三連単最高倍率も負けず劣らず高額で、最高倍率は 2020年1月24日の大井競馬場7R にて記録された 284,815.5倍です。
大穴 3頭が馬券に絡む大波乱、特に 10番人気のバレンは上がりタイムで他と 1 ~ 4秒差を付ける怒涛の追い上げで、最終コーナー最下位から 1着に急浮上する熱いレース展開になりました。
的中者は、たった 1名だったとのことです。
全券種中で最高の倍率を叩き出したのは WIN5
競馬において発売されている全ての券種で、最高となる倍率を叩き出した券種は WIN5 です。
JRA が指定した 5レースの優勝馬をそれぞれ予想する WIN5 では、2021年3月14日に 5,544,460.6倍という想像もつかない高倍率が叩き出されました。
そしてこの倍率こそ、2022年現在の競馬界で全ての券種を含めて最高となった倍率です。
WIN5 では億馬券が何十回も発生しており、他券種と比べても圧倒的に夢のある馬券だと言えるものの、的中の難しさも群を抜いています。
地方競馬に目を移すと、WIN5 と同じシステムである五重勝単勝式の最高倍率は、2013年8月9日に園田競馬場で発生した 146,960.6倍と、WIN5 に比べてかなり低い倍率でした。
馬の優劣がハッキリしていて出走頭数が少ないことも多い地方競馬にとっては、まだ当てやすい券種であることが影響していると思われます。
ところで、競馬法第十一条で記載されている通り馬券の倍率には上限が定められており、その倍率は 600万倍となっています。
つまり、実のところ競馬における最高倍率は限界に近付いているのです。
地方競馬特有の券種でも高額配当が多数発生
地方競馬にしかない券種も、最高倍率を見るとかなり夢のある数字が出ています。
ここからは、地方競馬でしか販売されていない 3つの券種について、最高倍率がどれくらいだったかを紹介していきます。
馬連以上の最高倍率が出ていた枠単
枠連はあるのに、何故か販売されていない競馬場が多い枠単。
枠単では 1997年11月29日、今では廃止となった中津競馬場で 7,290倍という最高倍率が出ました。
これは馬連の記録を超える倍率で、百万馬券こそ出ていないものの夢のある馬券です。
今では、大井競馬場などで行われる限られた地方競馬でしか買えないマイナーな券種ということもあってか、まるで更新の気配もありませんね。
一見して的中不可能に思える七重勝単勝式は意外な最高倍率に
ごく一部の地方競馬場では七重勝単勝式、つまり WIN7 とでも言うべき券種が存在し、その名の通り 7レースの勝ち馬を全て当てるという内容です。
WIN5 ですら恐ろしい的中難易度なのに、WIN7 なんて当たる訳がないと思われるかもしれませんが、意外とそうではなく最高倍率も 185,946.6倍と落ち着いています。
対象のレースはかなり最近で、2022年5月2日の帯広競馬場において開催された “ばんえい競馬” です。
ばんえい競馬はフルゲートでも 10頭という出走頭数になっているため、WIN7 の組み合わせは最大でも 1,000万点で、基本的には 100万点あるかないかという組み合わせ総数で開催されています。
WIN5 も組み合わせ総数は 100万点前後になることが殆どであるため、実は難易度に大きな差が無いのです。
また、地方競馬場のばんえい競馬という特殊なレース環境による予想家の少なさから、発売金額が WIN5 ほど大きくならないため、最高倍率がかなり低いのだと考えられます。
ちなみに、普通の競馬で七重勝単勝式を販売している佐賀競馬場では、2019年8月25日に 183,068.2倍の最高倍率が発生しています。
こちらは、ばんえい競馬に比べると最大頭数が多く、ランダムセレクト方式ということも相まって、宝くじ感覚で購入する人が少なくないようです。
壮絶な難易度を誇るトリプル馬単では億馬券も
地方競馬に限っての全券種中最高倍率は、2021年6月10日に大井競馬場で発生した、トリプル馬単の4,562,603.3倍です。
これまた競馬法の上限に近い倍率となっていますが、対象になった 3レースとも出走馬数が多く、どのレースも決して当てるのが簡単ではない着順になったため、的中者は 1人だけでした。
トリプル馬単の組み合わせ総数は非常に多く、上述したレースの場合だと 9,172,800通りであり、WIN5 の 10倍近い難易度になっていると言えます。
今でこそ WIN5 の後塵を拝している最高倍率ですが、いずれ競馬法上限の最高倍率である 600万倍が出るのは、他の要素を加味してもトリプル馬単のほうが先なのではないかと予想しています。
まとめ
ここまで各券種の最高倍率を紹介してきましたが、内容をまとめると以下の通りです。
・地方競馬の最高倍率はトリプル馬単の 4,562,603.3倍
・単勝や複勝でも万馬券は十分に出るし十万馬券も有り得る
・枠連やワイドに馬連ともなると十万馬券の当選が現実味を帯びてくる
・馬単や三連複では百万馬券も発生している
・三連単は一千万馬券が 2通り発生したレースもあるなどやはり夢がある券種
・地方競馬にしかない券種でも魅力的な最高倍率が出ていた
・現行競馬法の関係上 600万倍が倍率の上限
一部の券種では意外な最高倍率も見られる中、やはり三連単や WIN5 にトリプル馬単といった、高難易度券種の夢は広がるばかりという結果になりました。
今回は最高倍率が発生したレースのエピソードも交えながら書いてきましたが、また新しい競馬の魅力が見えてきたという方も多いのではないでしょうか。
次にどの券種で最高倍率の更新が発生するのか、どれくらい更新してくるのか、どんな波乱のレース展開で高配当が生まれるのか、これからも競馬から目が離せません。