競馬はレース展開のパターンを脚質から見極めれば予想が楽になる!
「レース展開と出走馬の特性を照らし合わせれば予想も楽になるの?」
「出走馬の脚質を見ればレース展開のパターンが判断できるってホント?」
「レース展開を見極められれば荒れるレースも見つけられるようになるの?」
このページを訪れたあなたは、以上のような疑問を抱いているのではないでしょうか。
今回は、競馬において出走馬の脚質からレース展開を見極める方法や、出走馬の特性と照らし合わせて予想をより楽にする方法など、展開パターンについてのあれこれを紹介していきます!
競馬のレース展開をペースから 3パターンに分類
競馬のレース展開は、主にペースという観点から判断することができます。
レースにおけるペースは、主に逃げ馬や先行タイプの馬が作り上げるのですが、前半と後半のタイム差によってスロー・ミドル・ハイの 3パターンに分類されることが多いです。
まずは、ペース次第でレース展開にどのような差が出てくるのかを紹介していきます。
スタミナ切れの心配が薄いスローな展開パターン
スローペースと呼ばれるパターンのレースでは、前半のゆったりした展開から後半は打って変わってスパートがかかり、後半のタイムが前半より 0.5 ~ 1秒以上も速くなることがあります。
このレース展開になると、先頭集団を走る逃げ馬のスタミナ切れは殆ど発生せず、後半の追い込みにかけても順位が変動しないまま決着に至ることが多いです。
特に上がり 3ハロンで急激にペースを上げるような展開パターンとなった場合、末脚を活かして戦う追い込み馬や差し馬が追いつかないどころか、先行タイプの馬ですら逃げ馬に置いて行かれる可能性も高くなります。
終盤にかけて急激にペースを上げるようなレース展開であればあるほど、スタミナが関係なくなって瞬発力とポジションだけの勝負になってくるのです。
ハイペースな展開では後半の入口とスタミナ管理が勝負
ハイペースと呼ばれるレースパターンは、スタート直後から全力に近いスピードで駆け回ったあと、後半や終盤にかけて徐々にスピードが落ちていく展開です。
タイムは、前半に比べて後半が 0.5 ~ 1秒以上遅くなります。
ほとんどの場合、先頭集団の馬は軒並みバテてしまいますから、追い込み馬や差し馬がその隙を突いて前に出やすいです。
一方、先頭を走る馬たちがスプリンター集団だと非常に速いレース展開となり、後続の馬が離されすぎてやる気を失ったり、騎手が距離を見誤って追い込みをかけるタイミングを逃したりして、先頭集団の勝負になることもあります。
レース展開がハイペースになった場合の注目点としては、スタミナ管理も当然のことながら、後半の入りがけで先頭集団の速度感を正しく判断できるかという、追い込み馬や差し馬に騎乗する騎手の能力も重要です。
後半の入口で先頭集団は、息を入れてラストスパートの準備をするか、馬の底力を頼りにペースを維持するか選択します。
先頭集団が息を入れる場合は、他の区間に比べて 1秒以上タイムを落とすことも珍しくないため、まさにそこが追い込み馬や差し馬の抜きどころです。
逆にペースを維持する場合は、終盤にかけて一層バテていくため抜く準備をする段階になります。
ここの見極めが、後続を走る馬の騎手にとってかなり重要なのです。
出走馬に総合力や対応力を求められるミドルペースの展開
前半と後半のタイムに大きな差が無いレース展開は、ミドルペースと呼ばれるパターンになります。
ただ、前半・後半という区切りで見れば一定のペースで走っているように見える展開ですが、数百メートルごとで細かくタイムを見てみると、常に一定のペースで走っているレースなどまずありません。
実際には、レース中に何度も緩急を付けていることが殆どで、ハイペース・スローペースどちらのパターンも含んだ展開だと言えるでしょう。
そのため、走る馬にはどのような動きにも合わせられる総合力と対応力が重要です。
一方、ハイペースやスローペースほど尖った能力も必要とはされず、普段は器用貧乏と言われるような馬が活躍することもあります。
競馬のレース展開を逃げ馬の頭数規模などから予測
スロー・ミドル・ハイという 3パターンのレース展開は、出走馬のラインナップを見ることである程度は予測することが可能です。
ここからは、レース展開を予測する方法について紹介していきます。
逃げ馬の頭数が多ければ多いほどハイペースになりやすい
レースのペースを形作るのは言うまでもなく先頭集団ですから、出走馬の中でも逃げ馬の頭数が展開に大きく影響してきます。
基本的には逃げ馬の頭数が多くなればなるほど、先頭集団の中で争いが起きやすくなるためペースも上がりやすいです。
仮に逃げ馬が 1頭や 2頭ならほぼスローペース、3頭以上になるとミドルペースやハイペースになることが多くなります。
逃げ馬が少なくても外枠に配置された場合はハイペースに
例え逃げ馬が少ないレースだとしても、外枠へ配置された場合はハイペースな展開になることが多いです。
その中に有力馬がいた場合はことさら顕著で、他の逃げタイプでない馬たちは一斉に逃げ馬を抑え込もうとするため、逃げ馬も一層ペースを上げなければならない状態となり、レースは自然にハイペースな展開となっていきます。
逃げ馬が 1頭しかいないレースでも、その 1頭が後続に無理やり後押しされ、ハイペースな展開となるパターンもあります。
レース展開の予想を逆手に取って勝利を狙う騎手もいる
ここまで説明してきたようなレース展開の予想を逆手に取り、わざと逆の動きをしてペースを変えたり、ペースを乱したりする騎手もいることに注意が必要です。
逃げ馬が少なく競馬新聞でスローペースな展開が予想されていても、スタミナのある馬に乗る騎手がわざとハイペースな走りをすることで、後続を置き去りにするパターンなどが挙げられます。
ただし逆のパターン、つまりハイペースが予想されるレースでスローペースを作っていくのは、リスクが大きいため頻繁には起こらない印象です。
他の逃げ馬に乗る騎手も初めからそのつもりだったり、スローペースな出だしでも他を抑え込めたりすれば大成功だと言えます。
しかし、先頭集団に残れずただの出遅れとなってしまう可能性が高く、確実性に乏しいため特に重賞では避けられる戦法です。
逃げ馬でありながら差しや追い込みの技術もあるなど、後から抜く算段も付けられるような馬であれば可能性はあります。
レース展開のパターンによって予想は工夫しよう
ある程度レース展開のパターンが予測できたら、それに合わせて買い目予想も工夫していくことが大事です。
ここからは、レース展開に応じて予想をどう工夫していくべきかを紹介していきます。
スローペースな展開では逃げ馬を中心に考える
スローペースな展開ではスタミナを気にしなくてよくなる関係上、逃げ馬が非常に有利なパターンであり、予想もそのような馬を候補に組み上げていくこととなります。
また、タイプさえ合うなら人気薄の馬が大穴を空けてくれるパターンもあるため、競馬で高配当を狙っているなら見逃せないところでしょう。
逃げ馬が出遅れる展開になった場合は、スローペースな展開では逃げ馬が少ないことが多いのも相まって、先行タイプや差しタイプの馬が台頭してそのまま勝ち切ることもあります。
一方、追い込み馬はよほどレース内で突出したスプリンターでもなければ、余力を残した先頭集団を抜けないままに終わってしまうことが確定的です。
スローペースが予想されるレースでは、逃げ馬すべてを第一候補として優先的に考えつつ、有力な先行馬や差し馬も第二候補として挙げ、他の馬は切ってしまえば楽に予想の精度を上げつつ買い目も減らせます。
ハイペースな展開なら追い込み馬や差し馬が予想のメイン
ハイペースな展開は先頭集団のスタミナ切れがとても発生しやすく、苛烈なデッドヒートの中で潰し合いも演じてくれる関係上、追い込み馬や差し馬にチャンスの多いレースパターンだと言えます。
そのため、予想も追い込み馬や差し馬を軸に考えるのがベターです。
ただ、いくら先頭集団がバテてくれるといっても、追い込みをかける集団とは終盤までにかなりの差が開くことも忘れてはいけません。
予想の軸に据える追い込み馬や差し馬は、バテた先頭集団を大きく凌ぐスピードが終盤で出せる力を持っていることが前提です。
先頭集団の中で上手く立ち回り、さほどバテずに完走する先行逃げ切り馬が出てくることもままあります。
そのため、スタミナが豊富にある馬や高い技術を持つ騎手が乗った馬といったように、逃げ馬や先行馬からも何頭か有力馬を選出しておくべきでしょう。
ミドルペースのレースは予想が難しいため避けるのも手
ミドルペースの展開が予測されるレースでは脚質による明確な有利・不利が存在せず、馬の地力と騎手の技術力を合わせた総合力が強く勝敗に関わるため、より高い予想精度が求められます。
レースについての情報が豊富に集まっていない限り予想は難しいですし、少しでも「自信が無いな」と感じるようであれば、潔く賭けないでおくのも手でしょう。
ただ、それは他の人にとっても予想が難しいということであり、情報がしっかり集まってさえいるなら逆に勝ちやすいとも言えます。
また、普段はパッとしないレース運びを続ける器用貧乏な馬も輝きやすいです。
総じて、ミドルペースのレースパターンは高額配当が狙いやすいと言えるかもしれません。
逃げ馬の単騎逃げは必ずしも有利なレース展開ではない
競馬予想で意外とよく言われるのは、逃げ馬が単騎で逃げられる展開にできれば邪魔されなくなるので有利、ということです。
もちろん邪魔されなくなるという点で有利なのは間違いありませんが、複数の馬で先頭集団を作ることにも大きなメリットがあるため、必ずしも単騎で逃げることが逃げ馬にとって有利なレースパターンだとは言えません。
集団を作るメリットとしては、空気抵抗を実質的に減らせる点が大きいです。
空気抵抗そのものは後に付けた馬しか減らせませんが、単騎で走る場合に比べると後ろに走る馬が空気を押す力も加わる分、先頭の馬が後方の空気に引かれる力は弱くなるのです。
単騎で先頭をひた走るくらいなら、集団の中で先頭を取るほうがスピード向上やスタミナ温存はやりやすくなると言えます。
NASCAR をはじめとしたカーレースなどにおいて、好んで集団が作られるのはこのためなのです。
基本的に逃げ馬が単騎で逃げられるかどうかは、レースの大勢に影響を与えないと見ていいと考えられます。
もちろん、集団にいることをストレスに感じやすい馬など、特別な事情があればその限りではありません。
展開と出走馬の特性を照合すればレースの堅さが見えてくる
レースの展開と、そこに出走する馬の脚質などといった特性を照らし合わせることで、堅く決着するか荒れるかの判断材料にすることができます。
最も単純な例だと、なぜか予測される展開と合わない脚質の馬が人気になっているレースは、当然ながら荒れやすいです。
レースに合わない脚質の人気馬は、実力や展開を加味した適正なオッズになっていないことも多く、そもそも危険な馬なので注意しましょう。
人気馬の脚質かレースの展開が極端な場合も、荒れる可能性は高いです。
例えば、極端な逃げのペース配分をする馬が 1頭でもいると、つられて総崩れになって大荒れというパターンになることがあります。
荒れるのは怖いですが高額配当のチャンスでもあるため、万馬券を狙いたい方にはむしろ注目のレースでしょう。
レース展開のパターンは競馬予想にも大きく関わる
ここまでレース展開のパターンを見極める方法や、それぞれの展開でできる予想の工夫などを書いてきましたが、内容を簡潔にまとめると以下の通りです。
・スローペースの展開では先行逃げ切りタイプの馬が有利に走れる
・ハイペースな展開なら追い込み馬や差し馬が勝ちやすい
・ミドルペースになると馬と騎手の地力勝負が展開される
・展開によって予想の軸を変えられると精度も上がっていく
・展開と出走馬を併せて考えればレースの堅さも見えてくる
馬の脚質やレース展開を発走前に見極めることは決して簡単なことではありませんが、パターンを予測することは競馬予想に必要不可欠です。
今や、レース展開が見えないのに精度の高い予想をすることは不可能と言う人もいますし、展開パターンから得られる予想材料も実際のところ多いですからね。
これまでレース展開を重視してこなかったという人も、今日を機に考えるようにしてみてはいかがでしょうか。