16年ぶりに誕生した女性騎手の藤田菜七子とは?戦績や年収・結婚相手などを解説
2016年にデビューした藤田菜七子騎手をご存じでしょうか。
16年ぶりにデビューする女性騎手ということもあって、競馬のメディアのみならず、一般のニュースでも大々的に取り上げられたのは記憶に新しいでしょう。
デビューしていきなり多くの人が注目したので藤田菜七子さんも驚いたと思いますが、それでも騎手として実績を伸ばしました。
デビュー7年目となる2022年も騎手としてターフを駆け抜けています。
男社会の競馬界で活躍する藤田菜七子さん。
当記事では藤田菜七子さんの生い立ちやエピソード、さらには年収や愛車、さらには恋愛事情についても解説していきますね。
藤田菜七子騎手のプロフィール
生年月日 | 1997年8月9日 |
身長 | 157.4センチ |
体重 | 45.6キログラム |
血液型 | A型 |
出身地 | 茨城県北相馬郡守谷町(現・守谷市) |
デビュー年 | 2016年 |
所属厩舎 | 根本康広厩舎(美浦) |
マネジメント先 | ホリプロ |
藤田菜七子騎手は競馬とは無縁の家庭に生まれる
茨城県出身の藤田菜七子さん。
県内には美浦トレーニングセンターがあるので競馬関係者の家庭に生まれたように思いますが、藤田菜七子さんのご両親は競馬と全く無縁の仕事に就かれています。
そんな藤田菜七子さんはテレビで競馬を見たことがきっかけで騎手を志すようになりました。
騎手は男社会なので女性には厳しいといわれていますが、藤田菜七子さんは小学生の時に空手と剣道の有段者になるほど芯が強いです。
厳しい競馬学校生活も乗り越えて、2016年に見事騎手免許を取得されました。
藤田菜七子騎手は16年ぶりに誕生した女性騎手として、注目を集める
騎手デビューを果たした藤田菜七子さんの周りには大勢の人が集まっていました。
マスコミです。
16年ぶりに生え抜きの女性騎手がデビューしたことで、競馬に関係のない一般メディアや記者が藤田菜七子さんの周りに殺到したのです。
マスコミのフラッシュのなかでデビューを果たした藤田菜七子さんは戸惑いながらも多くの競馬関係者に支えられてターフを駆ける日々を過ごすのです。
根本厩舎の先輩は丸山元気騎手と野中悠太郎騎手
デビューした騎手はどこかの厩舎に所属するのが通例です。
藤田菜七子さんは美浦の根本厩舎に所属が決まりました。
実は、根本厩舎への”所属フラグ”は藤田菜七子さんが競馬学校に入学したころから立っていました。
競馬学校に藤田菜七子さんが入学したことを、ある関係者が根本さんに伝えたそうです。
そのときに卒業したら預かってもらえないかと打診し、根本さんは承諾しました。
それが現実となって卒業と同時に根本厩舎に入ることとなったのです。
根本厩舎には2人の先輩がいました。
丸山元気騎手と野中悠太郎騎手です。
2名とも温厚で知られる中堅騎手で、ローカル競馬場を中心に活躍しています。
また、根本康広さんも現役時代から温和な騎手でした。
いい意味でほかの厩舎とは温度差のある根本厩舎で藤田菜七子さんも切磋琢磨することになるのです。
藤田菜七子騎手と同期の騎手たち
藤田菜七子さんには同期の騎手が5名います。
5名とも競馬学校を卒業してからは騎手デビューを果たし、現在もターフの第一線で活躍しています。
同期の5名の方を簡単に紹介しますね。
名前 | 主な戦績 |
荻野極 | オーシャンステークス2022.ジャンダルム |
菊沢一樹 | 七夕賞2019.ミッキースワロー |
木幡巧也 | レパードステークス2017.ローズプリンスダム ダイヤモンドステークス2020.ミライヘノツバサ |
坂井瑠星 | ジャパンダートダービー2020(G1).ダノンファラオ キーンランドカップ2020.エイティーンガール フィリーズレビュー2019.ノーワン 鳴尾記念2021.ユニコーンライオン |
森裕太郎 | 中京記念2019.クリノガウディー2着 |
森裕太郎騎手以外の4人は皆重賞タイトルを手にしていますね。
そして、森裕太郎騎手も中京記念で2着に入線しているので実績は十分でしょう。
また、藤田菜七子さんも2019年のカペラステークスを制しています。
何気に藤田菜七子さん世代は黄金世代です。
藤田菜七子騎手の成績と競馬エピソード
2016年に騎手デビューし、今年でデビュー7年目を迎える藤田菜七子さん。
藤田菜七子さんの成績と競馬のエピソードを紹介しますね。
藤田菜七子さんの成績
◆騎乗データ
日付 | 競馬場 | レース名 | 馬名 | 着順 | |
初出走 | 2016/3/5 | 中山 | 3歳未勝利 | ネイチャーポイント | 2着 |
初勝利 | 2016/4/10 | 福島 | 3歳500万下 | サニーデイズ | 1着 |
重賞初出走 | 2016/3/20 | 中山 | スプリングS | モウカッテル | 9着 |
JRA重賞初勝利 | 2019/12/8 | 中山 | カペラS | コパノキッキング | 1着 |
G1初出走 | 2019/2/17 | 東京 | フェブラリーS | コパノキッキング | 5着 |
◆中央競馬年度別成績
年度 | 1着 | 2着 | 3着 | 騎乗数 |
16年 | 6 | 12 | 8 | 294 |
17年 | 14 | 16 | 12 | 382 |
18年 | 27 | 28 | 19 | 605 |
19年※1 | 43 | 49 | 32 | 703 |
20年※1 | 35 | 32 | 31 | 570 |
21年 | 14 | 20 | 11 | 394 |
139 | 157 | 113 | 2948 |
※1.2019年と2020年はフェアプレー賞も受賞しています。
JRAのデビュー戦では関係者を驚かせる2着入線
藤田菜七子さんの中央競馬デビューは2016年の3月5日でした。
このころはすでにマスコミの注目の的となっていた藤田菜七子さん。
根本厩舎所属のネイチャーポイントとともに挑んだレースでは、最後方から痛烈な追い込みを仕掛け、断然1番人気のペニーウェディングを捉えようとしました。
惜しくもペニーウェディングには届かずでしたが3/4馬身差まで詰め寄っての2着で多くの競馬関係者やメディアが盛り上がったのです。
ちなみに、藤田菜七子さんの本当の初騎乗はJRAではなく、地方の川崎です。
同期の男の子よりも一足先に川崎でデビューしていましたが、このときもマスコミから注目されていて、運営元の川崎競馬が取材制限を行うほどでした。
藤田菜七子騎手の拠点は関東競馬場
根本厩舎所属の藤田菜七子さんのベースとなっているのは関東競馬場です。
春や秋のG1シリーズでは東京もしくは中山を中心にレースを行っていて、3開催時でなおかつ福島か新潟が開催している時はそちらを拠点としています。
藤田菜七子騎手は西日本の競馬場にも足を運んでいる
東日本の競馬場を主戦としている藤田菜七子騎手ですが、ときどき西日本の競馬場に騎乗することもあります。
京都競馬場ではじめて騎乗したのは2017年の2月5日でした。
この日は一鞍のみの騎乗でしたが、得意の追い込み競馬で4着に入線し、関西の競馬ファンを大いに沸かせたのです。
ベースはあくまでも関東ですが、2022年の春、藤田菜七子騎手は栗東滞在を行うことを決めました。
2021年の秋に落馬骨折してから復帰後も思うように結果を残せず葛藤していたのでしょう。
そのころ、美浦の先輩である横山典弘騎手や吉田隼人騎手が栗東滞在で結果を残しているのを見て、藤田菜七子騎手も大きな決断を決めたのだと思います。
2020年の3月に滞在を開始し、調教で騎乗しているようです。
当初は5月半ばに終了予定でしたが阪神や中京で騎乗することを目標に、滞在を延長されました。
海外競馬にも積極的騎乗
藤田菜七子さんの活躍は世界中に響いています。
そして、藤田菜七子さんは海外の競馬場で騎乗した経験もあるのです。
2019年にスウェーデンで開催されたウィメンジョッキーズワールドカップは女性のみで行われるポイント制レースです。
そこに日本人としてただ一人選出された藤田菜七子さんはいくつかのレースで結果を残して見事優勝しました!
2021年にはサウジアラビアで行われたインターナショナルジョッキーズチャレンジという国際招待競走に武豊騎手と共に選ばれています。
藤田菜七子さんは海外でも大人気ですね。
ちなみに、日本人にもなじみ深いフランスの女性騎手であるミカエル・ミシェルさんとも仲が良いみたいで、インスタグラムでは二人のツーショット写真が掲載されています。
Dr.コパさんと藤田菜七子騎手
(引用元:https://world.jra-van.jp/db/horse/H2624/)
『コパノ』の冠名で有名なDr.コパさんはなにかと藤田菜七子さんを気にかけていました。
自身の所有する馬のなかで藤田菜七子さんに重賞を獲らせたい――。
その思いで藤田菜七子さんに手綱を握らせたのがコパノキッキングです。
はじめてのコンビで挑んだのはまさかのG1フェブラリーステークスでした。
コパノキッキングにとっても、藤田菜七子さんにとっても初のG1の舞台でしたが得意の追い込み競馬で5着に入線します。
そして、その年は藤田菜七子さんとのコンビで短距離ダート重賞に挑み続けました。
常に掲示板に入線するも、なかなか勝ち切れないコパノキッキング。
しかし、10月に開催された大井の東京盃杯を逃げて制すると、その年の12月に開催されたカペラステークスにおいても好位から末脚を伸ばして勝利!
藤田菜七子さんの中央競馬・地方競馬における初の重賞タイトルはコパノキッキングと共につかんだのでした。
藤田菜七子騎手の年収は?
女性騎手として活躍している藤田菜七子さんの年収が気になるという方も多いのではないでしょうか。
そもそも、騎手の収入はレースに騎乗し結果を残せば残すほど増えます。
騎手の収入の大きな大半を占めるのは獲得賞金です。
獲得賞金とは1位から5位に入線した時に得られる賞金で、騎手はそのうちの5%がもらえます。
また、レースに出走したら得られる騎手手当や騎手奨励手当もあります。
レースによって金額は変わりますが、平均的に1鞍で26,000円がもらえます。
藤田菜七子さんはデビューした2016年は1億円ほどの獲得賞金を得ていました。
そのうちの5%は500万円ほどです。
そして、一年に294鞍騎乗しており、騎手手当てと騎手奨励手当は1,200万円ほどありました。
このことから、藤田菜七子さんの初年度の年収は1,700万円ほどありました。
ちなみに、2019年は自己最多のとなる43勝を挙げた年です。
この年の獲得賞金は6億円ほどで、5%に当たる3,000万円を手にしました。
また、この年の総騎乗回数は703鞍だったので騎手手当てと騎手奨励手当は3,000万円弱ありました。
2019年の藤田菜七子さんの年収は約6,000万でした。
20代前半ですが、すでに1億円以上稼がれているのは驚きですよね。
これ以外にもホリプロ関連のグッズなどの収入もあるでしょう。
実際の収入はもっと高いと思われます。
藤田菜七子騎手の愛車は?
一般の人と比べると相当稼がれている藤田菜七子さん。
グーグルで検索をかけたら愛車が上がっているように、藤田菜七子さんが所有する車の情報が気になる方も多いみたいですね。
調べたところ、藤田菜七子さんの車の情報は見当たりませんでした。
もしかしたら車に興味がないのかもしれません。
ただし、美浦トレセン内ではホンダのミニバイク「today」に乗っている姿が目撃されています。
主な移動手段はスクーターです。
藤田菜七子騎手の彼氏は?結婚相手はいるの?
愛車情報と同じくらい、世の中の人が気にしているのは藤田菜七子さんの恋愛事情です。
検索上位に「藤田菜七子 結婚」と出るほどなのでかなり多くの人が藤田菜七子さんの男性事情を気にしているみたいですね。
藤田菜七子さんの恋愛事情を調べたところ、2022年6月時点で交際相手の情報はありませんでした。
マスコミや週刊誌にも情報がでていないので恋愛していないのは事実でしょう。
藤田菜七子さんは騎手としての成長を最優先に考えられているのが分かりますね。
藤田菜七子騎手の彼氏は菊沢一樹騎手?
一時、藤田菜七子さんは同期の菊沢一樹騎手と交際しているという噂が立ちました。
2017年の8月に菊沢一樹さんが未成年の飲酒で騎乗停止処分を喰らったのですが、その場に藤田菜七子さんがいたそうです。
藤田菜七子さんは一切酒に触れなかったのですが、同期の男の子と同じ場所にいたこと、また、菊沢さんと藤田菜七子さんは以前から仲が良くて二人で外食されるほどだったそうで、恋愛の噂が立ったそうです。
しかし、この場にはもう一人、同期の木幡巧也さんもいたそうで二人きりというわけではありませんでした。
また、藤田菜七子さんと木幡巧也さんは飲酒はされていません。
藤田菜七子騎手の功績
16年ぶりの女性騎手として大いに注目を集めている藤田菜七子さんは競馬界にとっても世間にも大きな影響を与えました。
藤田菜七子さんの功績を紹介します。
多くのメディアが競馬を扱い、間接的に競馬の知名度が上がった
デビュー前から注目を集めた藤田菜七子さん。
各メディアが連日のように藤田菜七子さんを取り上げます。
それは、レースで勝っても負けても、落馬しても大げさといわんばかりに騒ぐので人によっては騒ぎすぎと評する人もいます。
しかしながら、この大騒ぎが競馬を全く知らないという人に対しても興味を引かせたのは事実で、藤田菜七子さんのネームバリューで競馬界に大きな経済効果をもたらしたのです。
しかし、同期の男の子と同じように騎手デビューしたかった藤田菜七子さんは結果よりも客寄せパンダとして認知されることが我慢ならず、内心苦しかったそうです。
【ルール改正】女性騎手は2キロ減が適用
もともと騎手は女性よりも筋肉量のある男性のほうが有利です。
なぜなら、馬を追うときに力がある方が追えるからです。
藤田菜七子さんもこれまでの女性騎手とは比較にならないほどレースで結果を残していましたが、2019年、JRAが女性有利の措置をとりました。
女性騎手は恒常的に2キロ減でレースに出走できるようになったのです。
これにより、男性よりも筋肉量が劣ることで追えないハンデを斤量減でカバーできるようになりました。
しかし、当の藤田菜七子さんは男性と同じ条件で勝ちたかったのでしょう。
また、一部のメディアが『菜七子ルール』と呼ぶのもあまり快く思っていませんでした。
藤田菜七子騎手のあとにデビューを果たした女性騎手
藤田菜七子さんが騎手として活躍する姿は、多くの後輩女性騎手に影響を及ぼしました。
例えば、藤田菜七子さんのデビューから5年後に騎手免許を取得した古川菜穂さんは元々普通科の高校に通っていた一般人でした。
しかし、テレビで活躍する藤田菜七子さんの活躍に目を奪われて普通科を退学し、競馬学校へ入学されたのです。
古川菜穂さんと同期でデビューした永島まなみさんもテレビ番組で藤田菜七子さんを尊敬しているとコメントされています。
後輩の女性騎手にとって、藤田菜七子さんの存在は非常に大きい存在なのです。
そして、この3人が面白い新記録を打ち立てました。
2021年4月17日。
この日、女性騎手の3人はいずれも裏開催の新潟で騎乗していました。
そして、新潟7レースにおいて、女性騎手3人が馬券内に入線したのです。
女性3名の馬券内独占はJRA史上初で、多くの競馬メディアに取り上げられました。
まとめ
藤田菜七子さんについて紹介しました。
一時は女性騎手として最多勝利を獲得したり、G1レースに騎乗して飛躍を遂げていましたが、落馬や怪我のために現在は調子を落としています。
それでも、ジョッキーのことを第一に考えられている藤田菜七子さんらしく、レースで勝つための努力を怠っていません。
現在は栗東に滞在してジョッキーとしてのスキルを磨いています。
小さな積み重ねが、やがて大きな結果に結びつくことを祈っています。