【2022年】チャンピオンズカップの予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!
競馬のレースというと、どうしても青々と茂った芝のコースをさっそうとサラブレッドたちが駆け抜ける姿を想像してしまいますが、地方競馬も含めると芝レースではなく「ダート」と呼ばれる砂が敷き詰められたコースを走るレースのほうが圧倒的に多いです。
そして、ダートレースにも最高峰レースであるG1レースが存在します。
本記事ではダート界の頂点を決めるレースのひとつ「チャンピオンズカップ」について基本情報やコースの特徴、そして過去上位に入着している競走馬たちの共通点について解説していきます。
チャンピオンズカップの基本情報
(引用元:https://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/champ/2019/race_info.html)
開催競馬場や1着賞金などチャンピオンズカップの基本情報について表にまとめました。
開催競馬場と距離 | 中京競馬場ダート1,800 ⇒コースの360度VR動画 |
1着賞金 | 1億2,000万円 |
出走条件 | サラ3歳以上)外国産馬、地方出身馬出走可) |
負担重量 | 3歳56㎏(12月1日より前に開催の場合は55㎏)4歳以上57㎏、牝馬-2㎏ |
2021年度までは1着賞金は1億円だったのですが、2022年度より1億2,000万円に上昇しています。
チャンピオンズカップの概要
日本競馬で現在のように世界で通用する強い競走馬を育成することが提唱されだしたのは1970年代後半の事で、それに伴って設立されたのが国際競走のひとつである「ジャパンカップ」です。
そして1995年からは中央競馬と地方競馬の交流が急拡大し、「交流重賞」なども創設されるようになりました。
すると、芝を走る競走馬だけではなく、ダートで走る競走馬たちもアラブ首長国連邦やアメリカ合衆国といった海外のダート重賞レースでも活躍するようになります。
その結果、「ジャパンカップのようにダートレースでも国際競走を設立する必要があるのではないか」という機運が高まり、その結果国内のダートレースとして初めて外国産馬も出走できるレースとして、「チャンピオンズカップ」の前身である「ジャパンカップダート」が設立されました。
古くからの競馬ファンの方はこちらの名称のほうが馴染み深いのではないでしょうか。
設立当初から2007年まではレース開催日を「ジャパンカップ」の前日としていましたが、先にアメリカで開催される競馬の祭典である「ブリーダーズカップ」に出走していた競走馬にとっては日程的に厳しいものがあり、また設立当初は距離が2,100mだったのですが、この距離に関しても問題点があったことから、2008年より施行時期を1週間繰り下げて12月最初の日曜日とし、開催場所の阪神競馬場の1,800mに改められました。
2014年になると本レースを「国内ダートレースの最高峰レース」と位置づけるため、外国産馬をJRA側が招待して遠征費用や滞在費等を負担する「国際招待性」を廃止する代わりに「国際競走」に設定し、現在の中京競馬場ダート1,800mへと施行コースも変更、名称も「チャンピオンズカップ」へとリニューアルされて現在に至ります。
国際競走として位置づけられてはいるものの、近年外国産馬の出走が減少傾向にあるジャパンカップよりも更に外国産馬の参戦は少なくなっており、外国産馬が1頭も出走していない年もあります。
「みやこステークス」「武蔵野ステークス」が本競争のトライアルレースとなっていて、良レースで1着となった競走馬には優先出走権が与えられます。
そして、本競争はサウジアラビアで開催される国際競走である「サウジカップ」のトライアルレースに指定されていて、優勝した馬には優先出走権が与えられることとなっています。
チャンピオンズカップが開催されるコースの特徴
(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/chukyo/course/index.html)
チャンピオンズカップの舞台である中京競馬場ダート1,800mは、スタンド前に設けられている坂の途中からのスタートとなっています。
あまり踏ん張りが効かないダートコースということもあって、この坂で滑ってしまってスタートに出遅れてしまうと大きく不利になってしまいます。
したがって、スタートがあまり得意ではない競走馬は実績があってもチャンピオンズカップでは少々厳しいレースを強いられることになるでしょう。
最初のコーナーまでの距離は約300mありますが、前述のとおりいきなり坂を駆け上ることになるため、先行争いはそこまで激しくはなりません。
第2コーナーを超えて第4コーナーを過ぎるあたりまでは緩やかに下り、この下りが終了する辺りから各馬が徐々にスパートをかけていきます。
そして第4コーナーを回ってほどなく最大の難所であるゴール手前までの急な坂を駆け上がることとなり、この坂を超えたあたりがゴールです。
中央競馬が開催されるダートコースのなかでは直線距離がもっとも長くなっていて、スタミナだけではなくパワーも兼ね備えている競走馬でなければ勝つことは難しいでしょう。
まさに日本競馬界のダート王を決めるのにふさわしいコースです。
過去10年間3着以内に入着した競走馬たち
2021年から過去10年間遡ってチャンピオンズカップで3着以内に入った競走馬を表にまとめました。
開催年度 | 馬場 | 着順 | 馬番 | 競走馬名 | 馬齢と性別 |
2021 | 良 | 1 | 6 | テーオーケインズ | 牡4 |
2 | 13 | チュウワウィザード | 牡6 | ||
3 | 11 | アナザートゥルース | セ7 | ||
2020 | 良 | 1 | 11 | チュウワウィザード | 牡5 |
2 | 2 | ゴールドドリーム | 牡7 | ||
3 | 13 | インティ | 牡6 | ||
2019 | 良 | 1 | 5 | クリソベリル | 牡3 |
2 | 11 | ゴールドドリーム | 牡6 | ||
3 | 4 | インティ | 牡5 | ||
2018 | 良 | 1 | 2 | ルヴァンスレーブ | 牡3 |
2 | 12 | ウェルタールンド | セ6 | ||
3 | 9 | サンライズソア | 牡4 | ||
2017 | 良 | 1 | 9 | ゴールドドリーム | 牡4 |
2 | 13 | テイエムジンソク | 牡5 | ||
3 | 1 | コバノリッキー | 牡7 | ||
2016 | 良 | 1 | 8 | サウンドトゥルー | セ6 |
2 | 2 | アウォーディー | 牡6 | ||
3 | 4 | アスカノロマン | 牡5 | ||
2015 | 良 | 1 | 4 | サンビスタ | 牝6 |
2 | 1 | ノンコノユメ | 牡3 | ||
3 | 2 | サウンドドゥルー | セ5 | ||
2014 | 良 | 1 | 8 | ホッコータルマエ | 牡5 |
2 | 4 | ナムラビクター | 牡5 | ||
3 | 12 | ローマンレジェンド | 牡6 | ||
2013 | 良 | 1 | 12 | ベルシャザール | 牡5 |
2 | 8 | ワンダーアキュート | 牡7 | ||
3 | 6 | ホッコータルマエ | 牡4 | ||
2012 | 良 | 1 | 14 | ニホンピロアワーズ | 牡5 |
2 | 12 | ワンダーアキュート | 牡6 | ||
3 | 9 | ホッコータルマエ | 牡3 |
表を見ても分かる通り、3着以内に入っているのはほぼ全て牡馬であり、牝馬で3着以内になっているのは2015年の勝ち馬である「サンビスタ」のみです。
この勝利はチャンピオンズカップのみならず、JRAのダートG1レースでも初めてという快挙となりました。
2012年と2013年は中京競馬場が改修工事中であったため、阪神競馬場での開催となっています。
過去のデータから見られる傾向
これまで3着以内に入着している競走馬にはどのような共通点があるのかを検証してみました。
以下に紹介した条件に沢山該当していればそれだけチャンピオンズカップで好走する可能性が高い競走馬だということになります。
内枠に入った馬
「チャンピオンズカップ」となった2014年以降で3着以内に入っている馬番を見ると、10番より外の馬がかなり少ないことが分かります。
実力が拮抗している馬で外枠と内枠に分かれてしまった場合内枠に入った馬を買い目に含めたほうが的中率は高くなりそうです。
前走みやこステークス
チャンピオンズカップのトライアルレースは「みやこステークス」と「武蔵野ステークス」の2レースですが、このうち「みやこステークス」で上位人気となり、3着以内に入着している競走馬はチャンピオンズカップでも好走しやすい傾向にあります。
いっぽう「武蔵野ステークス」の出走馬は「みやこステークス」に比べると3着以内に入っていることはあまりないのですが、不思議な事に「みやこステークス」出走馬が3着以内に入っていない年に「武蔵野ステークス」の出走馬が本レースの3着以内に入っていました。
偶然そうなっているだけなのかも知れませんが、傾向を見る限りでは「武蔵野ステークス」と「みやこステークス」どちらのレベルが高かったのかを見極めることも馬券的中の鍵となりそうです。
前走JBCクラシック上位入着馬
前走JBCクラシックに出走し、上位に入着していた競走馬はほぼ毎年といっても良いほど3着以内のどこかに入っています。
入着している頭数だけを見れば、「みやこステークス」や「武蔵野ステークス」よりも多いです。
したがって、馬券を購入する際はJBCクラシックで好走していた競走馬を中心に買い目を決めていったほうがよさそうです。
要注目馬
ダート界では数年に1回、G1レースを総取りしてしまうような傑出した能力を持つ競走馬が搭乗しますが、ここ数年はそこまで突出した競走馬は出現していません。
どの馬も本命とするのは難しいほど実力派拮抗してはいますが、その中でも馬券内に絡む可能性が高いであろう5頭をここでは紹介していきます。
テーオーケインズ
2022年時点のダート界は「3強」時代となっていますが、その筆頭格がこのテーオーケインズです。
テーオーケインズは2021年になってその才能を開花させていて、同店は5戦4勝と圧倒的な強さでした。
特に前年のチャンピオンズカップは圧巻の走りで、2着のチュウワウィザードに6馬身差をつけるという、ダートレースではあまり見られない着差で圧勝しています。
2022年も平安ステークスで最重量ハンデをものともしない廃止りで圧勝しましたが、続く帝王賞では万全の仕上がりではないことと、早くから仕掛けてしまったため実力を出し切れませんでした。
それでも4着には入っているので、万全の状態であればもっとも勝つ可能性が高い馬であることは間違いないでしょう。
オメガパフューム
オメガパフュームはすでに20戦以上のキャリアがありますが、3着以外になったのはたった4回だけという抜群の安定感が最大の武器です。
特に地方競馬場のレースでは1度も3着より下担ったことがありません。
どんな条件、どんなコースでも力を出しきれる競走馬なので、出走していた場合は迷わず馬券内に入れておいて間違いないでしょう。
実は2021年の「東京大賞典」に優勝したのち(4連覇の偉業)引退することになっていたはずなのですが、レース後に突如陣営側が現役続行を表明します。
鞍上のミルコ・デムーロ騎手も全く知らない状態で、東京大賞典勝利後はオメガパフュームに感謝のコメントを述べていたため、現役続行を聞いた時はとても驚いたそうです。
しかしまだまだ第一線で戦える走りであることはその後の「アンタレスステークス」「艇プ勝」を見れば一目瞭然でしょう。
チュウワウィザード
チュウワウィザードはオメガパフュームと同期ですが、この馬もオメガパフュームと同様に安定した成績を残しており、テイオーケインズが出るまでの数年間はこの両頭がダート界をけん引していたといっても過言ではありません。
「帝王賞」でも本命だったテイオーケインズが他馬の仕掛けに乗ってしまいペースを崩す中、自分の競馬をして最後直線でしっかりと伸び、2着に入っています。
今のところチュウワウィザードを着外に追いやるような強さの馬はまだあまり出てきていないため、出走すれば買い目に含めておいたほうがよさそうです。
クリンチャー
(引用元:https://world.jra-van.jp/db/horse/H1216/)
2022年時点でクリンチャーは8歳ということもあって、流石に全盛期の強さはないかもしれませんが、それでも一線級の能力を未だに秘めている競走馬であることは間違いありません。
これまで紹介した3頭と大きく違うのは、クリンチャーは芝コースでもしっかりと実績を残しているという点です。
デビューは芝コースからで、3歳になると皐月賞4着、そして菊花賞では10番人気ながらあのキセキに次いで2着と大健闘します。
しかし2018年になると芝コースでは以前のような成績を残せなくなってしまいました。
2020年、「仁川ステークス」で突如ダートに参戦すると、初挑戦ながら2着と健闘、その後も好成績を残し、「みやこステークス」でダート初勝利に輝きます。
実はチャンピオンズカップでは2回出場し、両方とも2桁着順と正直相性はあまりよくありません。
しかし、本年度が恐らく最後の挑戦となるだけに陣営側も万全の状態でレースに出走させてくるでしょう。
最後に有終の美を飾ってほしいところです。
メイショウハリオ
3強たちに食い込もうという新興勢力の筆頭がこのメイショウハリオです。
帝王賞では先に紹介した4頭がすべて出走しており、この4頭に人気が集まっていました。
先の平安ステークスでも斤量差で上のテイオーケインズに完敗しており、上位に入着すれば上出来という気持ちで観ていた人も多かったでしょう。
しかしメイショウハリオの調子が良かったうえに鞍上の濱中騎手が絶妙な騎乗を見せたおかげで最終コーナーを舞った直後から抜け出し、そのまま後続を引き離して完勝、見事G1の栄冠を手にしました。
チャンピオンズカップではこの走りが評価され、人気を集めることは間違いなさそうです。
まとめ
チャンピオンズカップは、ダートレースでも世界に通用する競走馬を育成することを目的に設立されたレースで、外国馬や地方出身馬も出走できる「国際競走」のひとつとなっています。
以前は2,100mでしたが、現在は1,800mとなり、開始時期もジャパンカップの前日から12月初めへと変更されました。
日本ダート界最高峰のレースと位置付けられているだけあって、毎年その年度を代表するダート馬が集結、熱戦を繰り広げています。