朝日杯フューチュリティステークスの予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

朝日杯フューチュリティステークスの予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

競馬におけるレースは「短距離」「マイル」「長距離」と3つに分けられています。
また、出走条件に関してもすべての馬が出走できるものがあれば、牝馬しか出走できないもの、さらには一定の年齢の馬しか出走できないものがあり、それぞれのジャンルの頂点を決める「G1レース」が設けられています。

本記事では2歳馬の頂点を決定するレースのひとつである「朝日杯フューチュリティステークス」について開催競馬場などの基本情報や、過去3着以内に入着した競走馬など、予想に役立つであろう情報について解説します。

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朝日杯フューチュリティステークスの基本情報

朝日杯フューチュリティステークス(引用元:https://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/futurity/2021/stats.html)

開催される競馬場や出走条件など朝日杯フューチュリティステークスの基本情報について表にまとめました。

競馬場と距離 阪神競馬場芝1,600m
1着賞金 7,000万円
出走条件 サラ3歳(外国馬、地方出身馬も出走可)
負担重量 牡馬55㎏、牝馬54㎏

朝日杯フューチュリティステークスの概要

朝日杯フューチュリティステークス(引用元:https://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/futurity/2019/stats.html)

日本で2歳馬のレースが開催されるようになったのは1946年になってからで、東京競馬場にて初の2歳馬によるレースが行われたのち、続々とほかの競馬場でも2歳馬たちのレースが実施されるようになりました。

そして1949年に関東地方の2歳馬チャンピオンを決定するレースとして設立されたのが、本レースの前身である「朝日杯3歳ステークス」です。

ちなみに2歳馬なのに3歳となっているのは、当時は数え年で競走馬の馬齢を表記していたためで、現在表記に直せば「朝日杯2歳ステークス」となります。

1949年の当レースは中山競馬場にて開催されていて、それ以降2013年までずっと中山競馬場での開催でしたが、2014年より現在の施行場である阪神競馬場での開催となりました。
表記に関しては2001年より馬齢表記が現在用いられている国際表記となったため、「朝日杯2歳ステークス」へと改められています。

創設当初は1,100mでしたが、1959年に1,200mへと変更、そして1962年に現在の1,600mへ再度改められました。

元々牡馬の2歳頂点を決める戦いとして位置づけられていたため、当初は出走条件を「2歳牡馬、セン馬(セン馬とは去勢された牡馬の事)」となっていましたが、2004年に「牡馬・牝馬限定」となり、セン馬は出走できなくなっています。

1971年から外国産馬(外国で生まれて日本で調教した馬)が出走可能となったほか、1995年からは地方競馬出身の馬も出走できるようになり、更に2010年からは外国馬(日本意義の国で生まれ、日本以外の国で調教を受けている馬)も出走可能な「国際競走」の一つとなりました。

トライアルレースは特に設けられていませんが、地方出身馬は「京王杯2歳ステークス」「デイリー2歳ステークス」のいずれかで2着以内、そのほか2歳馬限定の重賞レースで優勝すれば優先出走権が与えられます。

牡馬だけではなく牝馬も出走可能なのですが、「阪神ジュベナイルフィリーズ」という2歳牝馬限定で開催競馬場と距離もまったく同じレースが存在するうえ、開催時期がほぼ同じ12月となっているため、こちらのレースに牝馬が出走することはほとんどなく、2歳牡馬のチャンピオンを決めるレースとなっているのが現状です。

朝日杯フューチュリティステークスが開催されるコースの特徴

阪神競馬場(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/hanshin/course/index.html)

朝日杯フューチュリティステークスが開催される芝1,600mは、向こう正面のやや左寄りからスタートとなります。
最初のコーナーまでは400m以上あり、長い間先行争いが繰り広げられることになるでしょう。

外回りコースを使用していることもあって、コーナー自体は非常にゆったりとしているため、先行争いが落ち着いてからは全体的にペースはスローペースとなりやすいです。
4コーナーを回ってからが勝負所で、各馬は一斉にスパートをかけるようになります。

直線距離は470m以上と、東京競馬場ほどではありませんが十分な長さがあり、差しや追い込み馬にとっても勝負をしかけやすいコースです。

ゴール手前200mくらいから高低差1.8mの急な坂が待ち構えており、逃げや先行のペースが比較的早くながれてしまうと、この坂でスタミナを使い切ってしまい、後方から追い上げてくる差し馬や追い込み馬に一気に抜かれてしまうというケースが多々見られます。

この坂をトップスピードで駆け上がれるようなスタミナを残した馬でなければ勝つことは難しいでしょう。

レース展開としては最終直線の瞬発勝負になりやすいため、長い間脚を使える馬よりは短い時間でも束を突き放すような強靭な脚力を持っている馬のほうが有利です。

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

2021年から遡って過去10年間で3着以内に入着した競走馬たちを表にまとめました。
ちなみに3着以内に入着している馬で牝馬なのは2018年のグランアレグリア1頭のみとなっています。
2012年と20213年は中山競馬場での開催です。

年度 馬場状態 着順 馬番 競走馬名
2021 1 9 ドゥデュース
2 4 セリフォス
3 7 ダノンスコーピオン
2020 1 2 グレナディアガーズ
2 7 ステラヴェローチェ
3 8 レッドベルオーブ
2019 1 6 サリオス
2 8 タイセイビジョン
3 9 グランレイ
2018 1 6 アドバイヤマーズ
2 1 クリノガウディー
3 2 グランアレグリア(牝)
2017 1 1 ダノンプレミアム
2 10 ステルヴィオ
3 3 タワーオブロンドン
2016 1 17 サトノアレス
2 10 モンドキャンノ
3 4 ボンセルヴィーソ
2015 1 15 リオンディーズ
2 11 エアスピネル
3 13 シャドウアプローチ
2014 稍重 1 2 ダノンプラチナ
2 6 アルマワイオリ
3 14 クラリティスカイ
2013 1 6 アジアエクスプレス
2 11 ショウナンアチーヴ
3 14 ウインブルプルーム
2012 1 14 ロゴタイプ
2 5 コディーノ
3 3 ゴットフリート

過去のデータから見られる傾向

過去のデータから見られる傾向

2歳馬はこのレースまでの出走数が2レースないし3レース程度ということもあり、過去のレースから傾向を掴むのはなかなか難しいですが、それでも3着以内に入着している競走馬にはいくつかの共通点が見られます。
どういった馬が上位に入着しやすいのか、共通点をチェックすることにしました。

前走2歳重賞レース好走馬

「京王杯2歳ステークス」「デイリー2歳ステークス」といった2歳馬限定の重賞レースで上位に入着している競走馬が当レースでも好走する傾向にあり、特に阪神競馬場での開催となった2014年以降で見ると24頭中16頭がこれに該当していました。
重賞レース上位馬はチェックしておいたほうが良さそうです。

1勝クラス勝ち馬

1勝クラス勝ち馬、つまりこのレースまでに2勝している馬が当レースで3着以内に入ることが以前は多かったのですが、現在は上記の重賞レース好走馬が入着する傾向が増えてきているため、1勝クラス勝ち馬が当レースで上位に入るというケースは少なくなってきています。

とはいえ、束を突き放すような勝ち方をしているような馬であれば他の馬と比較する必要はあるでしょう。

前走連対馬

ほぼ全ての馬と言ってよいほどの比率で前走連対、つまり2着以内に入っています。
2021年の当レースで3着以内に入っている馬はいずれも前走優勝した馬でした。

地力が試されるコースということもあり、前走大敗した馬がここで巻き返して上位に入着するというケースは極めて少ないと言い切って良さそうです。

過去5年間当レースで1着となった競走馬のその後の活躍

過去5年間当レースで1着となった競走馬のその後の活躍

2022年夏時点で2歳重賞は「函館2歳ステークス」しか開催されていないため、2歳馬の優劣をつけることができる段階ではないため、どの馬が出走するのかはまだ未知数です。
本項目では過去5年間で優勝した競走馬がその後どのような活躍をしたのかを紹介します。

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朝日杯フューチュリティステークスを含めて2歳では負けなしの3連勝、しかも朝日杯フューチュリティステークスではコースレコードを出すなど、当時は間違いなく3歳クラシックの中心になるであろうと思われていました。

翌年弥生賞も快勝、皐月賞では大本命になること間違いなしでしたが故障が発覚、皐月賞を回避することになります。

日本ダービーには出走するものの、怪我明けということもあり6着と振るわず、その後の調整もうまくいかないまま3歳を終えることになってしまいました。

4歳になると「金鯱賞」「マイラーズカップ」と連勝し、マイルでの適性の高さを見せて本番である「安田記念」に出走しますが、直線でまったく伸びず最下位に終わってしまいます。
あまりの惨敗ぶりと鞍上の川田将雅騎手がレース後下馬したため、故障したのではと心配されましたが、検査の結果幸いにも故障はしていませんでした。

夏の休養を挟んで秋は「天皇賞秋」に出走、ここではアーモンドアイをマークし、完璧なレース運びをしたものの届かず、2着に終わってしまいます。
続くマイルチャンピオンシップも良い末脚を見せましたが、インディチャンプに交わされまたも2着と秋の2戦はとても惜しいレースとなりました。

その後も惜しいレースが続くものの、勝ちには恵まれず、2021年の安田記念出走後に引退し、現在は種牡馬となっています。

アドマイヤマーズ

「デイリー杯2歳ステークス」と当レースを含めて重賞2勝含めて4戦負けなしと、2歳時のポテンシャルは他の馬を圧倒していました。
しかも当レースではあのグランアレグリアに先着しています。

しかし3歳のクラシック路線では距離が長すぎたのか、勝てなくなり、皐月賞では4着と始めて馬券内にも入りませんでした。

そこで「日本ダービー」の出走は断念し、「NHKマイルカップ」に出走します。
ここにはグランアレグリアも出走し、この2頭の再戦が大きな話題となりました。

事前オッズではグランアレグリアに人気を譲る形となりましたG、本番では終始落ち着いた走りで最終コーナーを外側から回って一気に前を抜き去って完勝、ここでもグランアレグリアに勝利しています。

その後は「香港マイル」を最終目標にし、秋の重賞レースを走って迎えた本番香港カップでは、その期待にしっかりと応えて快勝、「日本の3歳馬が海外の古馬混合G1レースを勝利する」という快挙を見事成し遂げました。
この快挙を成し遂げたことから、アドマイヤマーズは歴史的名馬の1頭といってよいでしょう。

しかし4歳になるとグランアレグリアの本格化によって思うように勝つことができず、この年の香港マイルでの3着を最後に引退、種牡馬としての余生を送ることになりました。

サリオス

サリオスもアド内やマーズと同じく2歳時は圧倒的な強さを見せていて、「サウジアラビアロイヤルカップ」ではこのコースの2歳レコード、そして当レースではレースレコードを記録して優勝、3歳クラシックの中心になることは間違いないと期待されていました。

しかし皐月賞、日本ダービーではあのコントレイルに先着され2着となります。
ダービー後、菊花賞は距離が長すぎると判断、マイル路線へと進むことになり、初戦の毎日王冠では2着を3馬身差突き放して快勝、一躍マイル路線での主役に躍り出ます。

しかしマイルチャンピオンシップでは後方から最速の末脚を見せるも届かず5着となり、はじめて馬券圏外の着順となってしまいました。

そして、ここからなかなか勝ち切れない戦いが続きます。
4歳では年末の香港カップ3着以外はすべて馬券圏外の着順となり、5歳になって今度は「高松宮記念」で短距離に挑戦するも15着と惨敗し、サリオスはもう終わったと思う競馬ファンも多くいました。

しかし続く「安田記念」では久々に良い走りを見せ3着に入っており、展開次第ではまだまだトップクラスの馬と戦えることを証明しています。
秋のG1レースでの復活に期待しましょう。

グレナディアガーズ

デビューから3戦目で初勝利を挙げ、当レースに挑戦すると2歳コースレコードで勝利し、一躍注目されることになります。
しかし3歳時になるとなかなか勝ち切ることができず、秋のマイルG1レース「マイルチャンピオンシップ」では13着と惨敗してしまいました。

しかし年末の「阪神カップ」では大外から先行の馬を差し切ってゴールし、久しぶりの勝利を手にします。

4歳になり、「高松宮記念」に出走、初の短距離レースとなりましたがまったく良いところを見せられず12着となり、続いて初の海外レースとなった「プラチナジュビリーS」でも19着と惨敗に終わってしまいました。

ドウデュース

ドゥデュースの当レースの勝利は記憶に新しい人も多いのではないでしょうか。
鞍上の武豊騎手が当レース22回目の挑戦にして初めて勝利したということが大きな話題となりました。

武豊騎手は「阪神ジュベナイルフィリーズ」を勝てば中央競馬G1レース完全制覇となります。
3歳になると、まず「弥生賞ディープインパクト記念」に出走、しかしここでは1着のアスクビクターモアにクビ差届かず2着となってしまいます。

続いてクラシック初戦「皐月賞」に出走、後方からの競馬で最終直線になると大外から上がり33.8秒という末脚で追い上げましたが、ここでも届かず2着となってしまいました。
そして迎えた「日本ダービー」、このレースでもほぼ最後方から進むことになります。

前半58秒台という速いペースにも惑わされることなく最終直線になると抜群の手ごたえで前の先行馬を抜き去り、追いすがるイクイノックスも交わして1着でゴール、鞍上の武豊騎手は最多となるダービー6勝目、そして史上初の50代ダービージョッキーに輝きます。

当レース終了後、場内には「ユタカコール」が響き渡りました。

コロナ禍であり、この件に関しては批判的な意見もありましたが、レース内容も含めて2022年競馬界屈指の名シーンと言ってよいでしょう。

ドゥデュースは凱旋門賞挑戦を表明しており、2022年8月時点は凱旋門賞に向けて調整中です。
したがって、国内でドウデュースの走りが見られるのは早くてジャパンカップ、そして恐らく選出されるであろう「有馬記念」となることでしょう。

距離的には問題ないでしょうから、古馬相手にどれだけ活躍できるか期待が大いに膨らみます。

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まとめ

日本競馬界では戦後より2歳馬のレースが開催されていて、その2歳馬のチャンピオンを決定するためのレースとして設立されたのが当レースの前身である「朝日杯3歳ステークス」です。

初めはスプリントレースでしたが、後に現在の1,600mへと改められ、施行競馬場も中山競馬場から2014年より阪神競馬場へと移されました。

出走条件は「2歳牡馬及び牝馬限定」であり、牝馬も出走することが出来るのですが、ほぼ同時期に牝馬2歳限定のG1レースである阪神ジュベナイルフィリーズ」があるため、牝馬がこちらのレースに出走することは極めて少なくなっていて、牡馬2歳の頂点を決めるレースとなっているのが実情です。

使用されるコースも距離も先に紹介した「阪神ジュベナイルフィリーズ」と全く同じで阪神競馬場外回りでの戦いになります。

コーナーがとてもゆったりしているので全体的にラストまではゆったりした流れとなり、最後の直線途中に待ち構えている急な坂をどう乗り切るかが勝敗を分ける大きなカギとなるでしょう。