【2023年】安田記念の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!
安田記念は春に開催されるG1レースのひとつです。
先に開催される「大阪杯」が春の中距離古馬最強決定戦ならば、安田記念は春のマイル距離最強決定戦とも言うべきレースであり、牡馬だけではなくマイル戦で実績を積んでいる牝馬も多数参戦します。
近年は牝馬のレベルが以前とは比べ物にならないほど高くなっており、ますます混戦模様といった状況です。
本記事では安田記念が開催されるコースなどの基本情報から過去の結果、そして出走すれば人気となるであろう要注目馬などを紹介していきます。
安田記念の基本情報
(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2022/0605_1/race.html)
安田記念が開催される競馬場や1着賞金など基本情報を表にまとめました。
開催競馬場と距離 | 東京競馬場芝1,600m |
1着賞金 | 1億8,000万円 |
出走条件 | サラ3歳以上 |
負担重量 | 3歳54㎏、4歳58㎏(牝馬-2㎏) |
安田記念の概要
(引用元:https://www.jra.go.jp/datafile/seiseki/g1/yasuda/result/yasuda2022.html)
安田記念は1951年に設立された「安田賞」が前身となっています。
安田記念の「安田」とは人名で、明治から昭和にかけて、「東京優駿(日本ダービー)」の設立など、中央競馬界の発展に多大な貢献をした安田伊左衛門という人物の功績を称えて設立されました。
その後1958年に安田氏がこの世を去ったため、名称を安田賞から現在の安田記念へと変更しています。
1984年に「グレード制」が導入されると同レースはG1レースへと格上げされ、その後開催時期や出走条件などを変更しつつ現在に至っています。
外国産馬は1984年から、外国馬は1993年から出走可能となっていて、1995年からは地方出身の競走馬も条件を満たせば出走可能となりました。
「マイラーズカップ」「京王杯スプリングカップ」が当レースのトライアルレースになっていて、このレースで1着となった競走馬(地方出身馬は2着も対象)に優先出走権が与えられます。
地方出身馬はそのほか「高松宮記念」「大阪杯」「ヴィクトリアマイル」で2着以内、「NHKマイルカップ」で3着以内に入った場合にも優先出走権が与えられます。
安田記念は古馬限定のレースといった認識が強いのですが、実は3歳馬も出走可能です。
ただ、3歳馬の丸路線のレースとして「NHKマイル」が存在するので、そちらを選択する3歳馬が大部分ですし、流石に古馬との能力差が大きいのか、3歳時に安田記念に出走して優勝した競走馬は2011年のリアルインパクトただ1頭のみ、前身の安田賞と合わせても2頭しか居ません。
安田記念が開催されるコースの特徴
(引用元:https://jra.jp/keiba/thisweek/2022/0508_1/race.html)
安田記念が実施される東京芝1,600mは、少し前に開催される春の4歳以上牝馬決定戦である「ヴィクトリアマイル」とまったく同じコースです。
したがって、「ヴィクトリアマイル」に出走した牝馬がそのまま安田記念に出走するようなケースも多々あります。
2022年の勝ち馬であるソングラインはまさにそのローテーションでした。
しかしヴィクトリアマイルと安田記念のローテーション感覚がかなり短いということもあり、良レースを同一年度に制した牝馬は今のところ現れてはいません。
あのグランアレグリアですらこの快挙を達成することは出来ませんでした。
話をコースの特徴に戻すと、スタートは向こう正面の第2コーナー寄りとなっています。
最初のコーナーまでは540m近くあるので、長時間先行争いが行われ、各馬それぞれ自分なりの好位置をキープできるため枠による優劣はほとんどありません。
その後坂を越えて第3コーナー、第4コーナーを回ると東京競馬場の名物である「長い最終直線」に差し掛かります。
前を走っていた馬もこの最後の直線をしのぎ切らなければならず、後方から追い込んでくる差し馬や追い込み馬にも勝つチャンスは十分あるので、最後まで目が離せません。
予想は難しいコースですが、観戦する側としては最後まで楽しめるレースを観ることができます。
実際に安田記念も最後の直線まで何が起こるか分からないといったレース展開になることが多いです。
過去10年間3着以内に入着した競走馬たち
2022年から遡って過去10年間、安田記念で3着以内に入着した競走馬を表にまとめました。
年度 | 馬場状態 | 着順 | 馬番 | 競走馬名 | 馬齢と性別 |
2022年 | 良 | 1着 | 13 | ソングライン | 牝4 |
2着 | 9 | シュネルマイスター | 牡4 | ||
3着 | 17 | サリオス | 牡5 | ||
2021年 | 良 | 1着 | 11 | ダノンキングリー | 牡5 |
2着 | 5 | グランアレグリア | 牝5 | ||
3着 | 13 | シュネルマイスター | 牡3 | ||
2020年 | 稍重 | 1着 | 11 | グランアレグリア | 牝4 |
2着 | 5 | アーモンドアイ | 牝5 | ||
3着 | 6 | インディチャンプ | 牡5 | ||
2019年 | 良 | 1着 | 5 | インディチャンプ | 牡4 |
2着 | 2 | アエロリット | 牝5 | ||
3着 | 14 | アーモンドアイ | 牝4 | ||
2018年 | 良 | 1着 | 10 | モズアスコット | 牝4 |
2着 | 4 | アエロリット | 牝4 | ||
3着 | 1 | スワーヴリチャード | 牡4 | ||
2017年 | 良 | 1着 | 14 | サトノアラジン | 牡6 |
2着 | 16 | ロゴタイプ | 牡7 | ||
3着 | 6 | レッドファルクス | 牡6 | ||
2016年 | 良 | 1着 | 6 | ロゴタイプ | 牡6 |
2着 | 8 | モーリス | 牡5 | ||
3着 | 10 | フィエロ | 牡7 | ||
2015年 | 良 | 1着 | 6 | モーリス | 牡4 |
2着 | 13 | ヴァンセンヌ | 牡6 | ||
3着 | 12 | クラレント | 牡6 | ||
2014年 | 不良 | 1着 | 10 | ジャスタウェイ | 牡5 |
2着 | 12 | グランプリボス | 牡6 | ||
3着 | 11 | ショウナンマイティ | 牡6 | ||
2013年 | 良 | 1着 | 10 | ロードカナロア | 牡5 |
2着 | 2 | ショウナンマイティ | 牡5 | ||
3着 | 16 | ダノンシャーク | 牡5 |
過去のデータから見られる傾向
過去10年間で3着以内に入着している競走馬たちに何かしらの共通点または傾向があるのか、前走を中心に調べてみることにしました。
前走マイラーズカップ優勝馬の凡走
安田記念のトライアルレースのひとつである「マイラーズカップ」には、安田記念に出走することを目指している競走馬たちが出走しています。
そんなレースで優勝している競走馬は、さぞかし安田記念でも活躍しているのだろうと思ったのですが、過去10年間で馬券に絡んでいるのは2020年のインディチャンプのみであり、それ以外のマイラーズカップ優勝馬は凡走しているというのが現状です。
マイラーズカップ優勝馬はついつい馬券内に絡めてしまいそうになりますが、過去のデータを見る限りでは買い目に含めるのはかなりリスクが高いといえるでしょう。
2022年に関してもマイラーズカップ優勝馬のソウルラッシュが出走しましたが、着順は13着と惨敗しています。
前走3番人気以内
前走で3番人気以内となっていた競走馬が、安田記念では好走しやすい傾向にあります。
マイルレースはちょっとしたミスが致命的なロスに繋がって実力を出せずに終わるということも多いのですが、人気の競走馬が前走思うような結果を出せなかった場合はオッズに大きく影響します。
前走人気だったにも関わらず、凡走してしまったような競走馬はある意味狙い目ともいえます。
前走G1レース出走
3着以内に入着している競走馬のうち、3分の1以上が前走G1レースに出走しています。
その中でも同じコースで実施される「ヴィクトリアマイル」に出走していた競走馬が特に結果を残していることが多いです。
ローテーション的にはなかなか厳しいものがあるのですが、一度走っているため馬も騎手もペース配分なども掴んでいるというのが好走しやすい理由となっていると考えられます。
要注目馬
安田記念は6月に開催されるレースであり2022年9月時点ではどの馬が安田記念に出走するかは全く予想できませんが、出走する可能性が高い競走馬のうち、人気を集めるであろう要注目馬を紹介します。
ソングライン
2022年安田記念の勝ち馬です。
2023年は5歳なのでまだまだ気力も十分でしょうし、故障などが無ければ安田記念に出走、人気が集中することは間違いないでしょう。
2022年の安田記念は上位入着馬はクビ差やハナ差などの大混戦でしたが、そんな中からしっかりと抜け出せたのは高い能力を持っている何よりの証拠です。
シュネルマイスター
2021年、2022年で3着以内に入着しています。
2022年はソングラインにわずかクビ差届かず、2021年はマイル女王グランアレグリアに果敢に挑むも届かず、更に伏兵であるダノンキングリーにも差されてしまいました。
しかしマイル路線の現役馬としては類まれなる能力を秘めた競走馬であり、G1を獲得するのも時間の問題でしょう。
ソダシ
2022年ヴィクトリアマイルの優勝馬です。
2023年もヴィクトリアマイル連覇を狙って出走するという可能性もありますが、コース適性は十分であり、既に獲得したヴィクトリアマイル優勝の称号ではなく、安田記念に出走する可能性も十分あります。
ヴィクトリアマイルではその時点でのトップクラスの牝馬たちが集結していたなか早めに飛び出して快勝しており、牡馬との戦いになったとしても引けを取ることは決してないでしょう。
セリフォス
2022年安田記念4着馬です。
しかしながら1着との差はわずかコンマ1秒でほとんど差はなく、本当に位置取りなど運も含めての結果です。
そして何より本レースに出走していた唯一の3歳馬であり、先輩たちあいてに4着に入着しているのは大健闘といえるでしょう。
伸びしろはまだまだあるので、2023年には大きく成長したセリフォスの走りに期待したいところです。
ダノンスコーピオン
2022年NHKマイルの優勝馬で、2022年秋のG1レースのひとつであるマイルチャンピオンシップ」に出走すれば恐らく上位人気となることでしょう。
2023年には故障などがなければ距離適性的にも安田記念に出走する可能性が高く、そうなれば安田記念でも上位人気となるような能力を秘めている競走馬です。
イルーシヴパンサー
破竹の4連勝で挑んだ2022年安田記念でしたが、最速の上がりを披露したものの8着となってしまいました。
しかしそれまでの4連勝はすべて東京競馬場であり、競馬場の適性で考えれば相性は非常に良い事は間違いありません。
展開さえこの馬に向けば強烈な末脚を持っているので勝ち切るチャンスは十分にあります。
まとめ
安田記念は春に開催されるG1レースのひとつで、上半期のマイル王決定戦といった位置づけになっています。
古馬だけではなく3歳馬も出走かのうであり、NHKマイルカップに出走した3歳馬がこのレースに挑むときもありますし、古馬ではマイルG1で実績を残した競走馬が多数出走するため、毎年大混戦となります。
戦いの舞台である東京競馬場は最終直線が長いため、差し馬や追い込み馬にも十分チャンスがありますし、必死に逃げた先行や逃げ馬が最後の坂でスタミナを失って沈んでいくといったケースも見受けられるので、最後まで目が離せません。
3着以内に入着している競走馬を見てみると、ヴィクトリアマイル出走馬や前走3番人気以内の競走馬が好走する傾向にあります。
一方トライアルレースのひとつである「マイラーズカップ」優勝馬は思うような結果を残せていないことが多いため、データを信用するのであれば買い目からは外しておいたほうが良さそうです。