競馬のレースの種類について徹底解説!ランクや条件、ハンデ戦についても

競馬のレースにはたくさんの種類がある!ランクや条件、ハンデ線について解説!

競馬場では一日12レース開催されています。
競馬のレースといえば青々と茂っている芝の上を走っているところを想像する人が多いと思われますが、競馬のレースには実は様々な種類があり、それを理解するともっと競馬を楽しむことができます。

本記事では競馬のレースにはどのような種類があるかについて、詳しく解説していきます。

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日本の競馬は大きくふたつに分かれている

日本の競馬は大きくふたつに分かれている

レースの種類を説明する前に、日本の競馬について簡単に説明しておきましょう。
競馬というと、週末だけレースが行われているという認識の人が多いですが、実は日本各地で365日、どこかしらの競馬場でレースが行われています。

中央競馬

多くの人が知っている週末にレースが開催されている競馬は「中央競馬」です。
「日本ダービー」が開催される東京競馬場、有馬記念が開催される「中山競馬場」など、中央競馬が開催されている競馬場は全国に10か所あります。

しかし週末ずっとレースが開催されているというわけではありません。

中央競馬では芝コースでのレースもたくさん実施されていますが、日数が経過すると芝コースは芝が抉れるなどして状態が悪くなり、場所によってスピードの出方が全然変わったり、競走馬が走っている途中に躓く危険があるなど、レース自体開催することが難しくなるため、一定期間開催後芝コースを戻すためにレースが休止されます。

そして休止している間に別の競馬場でレースを開催する、といったローテーションで途切れることなく週末にレースを実施しています。

地方競馬

日本の競馬には「中央競馬」以外にもう一つ「地方競馬」があります。
地方競馬が開催されている競馬場は全国に15か所あり、中央競馬に負けないくらい熱いレースが連日開催されています。

地方競馬場は岩手県にある「盛岡競馬場」以外はすべてダートレースとなっています。
ダートレースの特徴については次の項目で詳しく解説しますが、整備や維持管理が楽であるため、芝コースのように一定期間レースを休む必要がありません。

したがって地方競馬は土日を含めてほぼ365日レースが開催されているのが中央競馬との大きな違いです。
中央競馬と比べるとマイナーなイメージが強いですが、「帝王賞」「東京大賞典」ではダート界のトップクラスの競走馬が出走します。

また、第一次競馬ブームの立役者である「ハイセイコー」、そして最も知名度が高い競走馬の1頭で第二次競馬ブームの立役者である「オグリキャップ」、この2頭はいずれも地方競馬出身の競走馬です。

近い将来、第二のハイセイコー、オグリキャップのような地方競走馬が登場する可能性は十分あるので、そういった点でも地方競馬にも注目しておきましょう。

レースの種類は大きく3つに分けられる

レースの種類は大きく3つに分けられる

中央競馬、地方競馬ともに日夜熱戦が繰り広げられていますが、競走馬たちが走ることになるコースというのは大きく3つにわかれています。

芝レース

日本で開催されている競馬のコースのなかでも最も有名なのが「芝コース」でしょう。
青々と茂っている芝コースの上をさっそうと駆け抜ける競走馬というのはそれだけで絵になります。

ダートレース

「ダート」と呼ばれるコースで開催されるのがダートレースです。

ダートは英語で「土」という意味であり、ダートレース発祥の地であるアメリカでは土を敷き詰められたコースとなっていますが、日本では同じような土のコースだと雨が降った時の水はけが悪く、レース開催に支障をきたすので砂を敷き詰めたコースとなっています。

芝コースと比べるとマイナーなイメージですが、中央競馬では芝コースと同じくらいの数ダートレースを開催していますし、地方競馬は前述した通りほぼ全ての競馬場がダートレースとなっているので、日本の競馬レース全体でみると、圧倒的にダートレースのほうが多いです。

障害レース

オリンピックの「乗馬」で見られるような障害レースも、実は中央競馬が開催される競馬場で開催しています。

障害レースは平地を走る芝レースやダートレースとは全く異なる魅力があり、一度実際にレースを観戦してその虜となる競馬ファンも多いです。

2022年現在、「オジュウチョウサン」という競走馬がTwitterなどでもトレンドとなり、障害レースの知名度を一気に引き上げる立役者となりました。

芝レース、ダートレース、障害レース共に、条件さえ満たせばどの競走馬でも出走することが可能です。

例えば芝コースを走っていた競走馬がダートコースのレースに出走したり、障害レースに出走したりすることは可能ですし、実際にそういった経歴を持ち、新天地で大活躍する出走馬も一部存在します。

競馬のレースは獲得賞金や勝利数で出走できるレースが決まる

レースのクラス分け(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/rules/class.html)

先ほどすべての競走馬は「条件さえ満たせば」どのレースでも出走できると解説しました。
競馬のレースには様々な種類がありますが、すべての競走馬がすべてのレースに出走できるわけではありません。

レースには競走馬の獲得賞金や勝利数によってランク分けがなされており、出走条件を満たしていくことで徐々に上のランクのレースに出走できるようになります。

新馬戦

新馬戦は初めてレースを経験する2歳の競走馬のみが出走できるレースで、別名「メイクデビュー」とも呼ばれています。

レースの予想をする際は、過去のレース結果がとても参考になるのですが、新馬戦に出走する馬たちにはそういったデータが一切ないため、基本的に予想は難しいです。

新馬戦はあらゆる競走馬がその競走馬人生のなかでただ一度のみ出走できるレースであり、一度でもレースに出た経験がある競走馬は勝ち負けにかかわらず新馬戦に出走することはできません。

未勝利戦

新馬戦で勝てなかった競走馬を含め、現時点で1勝もしていない競走馬たちが出走するのがこの「未勝利戦」です。

未勝利戦に出走する競走馬は本当に実力不足の馬も多いのですが、中には類まれなる実力がありながら新馬戦などでテンションが上がり切ってしまい、まったく力を出せなかった馬なども存在します。

力を出し切れなかった競走馬はこの未勝利戦で4馬身以上の差をつけて圧勝し、それ以降は勝ち星を重ねるケースが多いです。

未勝利戦は3歳の夏までしか出走できず、そこで勝ち切れない場合は後述する1勝クラスのレースに出走せざるを得なくなります。

それ以外の選択肢としてはダートや傷害など出走レースの種類を変更するかレベルの低い地方競馬へ移籍する、あるいは引退して乗馬用の馬などとして第2の人生を歩むといったものが挙げられます。

1勝クラス

1勝クラスは文字通りレースで1勝しかしていない競走馬たちが出走するレースで、一昔前は「500万下クラス」という名称でした。

1勝クラスはその競走馬が今後活躍できるかどうかを占う非常に重要なレースで、ここでずっと勝ちきれなかった場合は結局未勝利戦で勝てなかった競走馬と同じような運命をたどります。

一方1勝クラスで勝てた競走馬はそれなりに競走馬としてのポテンシャルは高いという証拠であり、その後の活躍も期待できるでしょう。

2勝クラス

2勝クラスは1勝クラスと同様にレースで2勝している競走馬たちが出走するレースで、昔は「1,000万下クラス」という名称でした。
2勝クラスを勝利できれば重賞レースに出走するチャンスは十分あります。

3勝クラス

旧名「1,600万下クラス」である3勝クラスともなると、重賞レースに出走する競走馬ともそこそこ良い戦いができる競走馬たちが集まっており、かなりレベルの高いレースが繰り広げられます。

オープン

オープン戦は取り決め上は特に条件を設けていないレースの事を意味していますが、実際は3勝クラス以上のある程度実績を積んでいる競走馬たちだけが出走しているレースとなっています。

ここを問題なく勝利できるような競走馬は重賞レースの出走条件を満たすこともできるので、競走馬としての素質は十分といえるでしょう。

重賞

重賞レースは選ばれた競走馬しか出走できないレースで、重賞レースに出走できたというだけでも一流の競走馬である証といえるでしょう。

出走条件が厳しい代わりに1着の賞金が通常のレースとは文字通り桁違いで、重賞レースでも最下位ランクであるG3レースでさえ、1着の賞金は3,000万円以上となっています。

重賞は「グレード制」の導入により3種類に

レースのクラス分け(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/rules/class.html)

日本競馬では戦後になると「世界に通用する日本の競走馬を育てる」という大きな目標を掲げるようになりました。

その集大成のひとつが「凱旋門賞に勝つ事」であり、これまで幾多の競走馬が挑戦してきましたが、いまだその目標は達成できていません。

世界で戦える競走馬にするためには、さまざまな取り決めを世界標準に合わせることが有効であることは言うまでもありません。

そこで1984年に中央競馬でもレースの格式を世界水準に合わせるという名目で導入されたのが「グレード制」です。

グレードは現在G3からG1まで3種類に分かれていて、G3の一つ下のランクのレースとして、「リステッド競走」というものも設けられています。

G3

G3は後述するG1、G2以外の重賞レースであり、毎週どこかしらの競馬場でG3レースが開催されています。
G3レースにG1優勝馬が出走した場合、ハンデとして重い斤量が課せられる場合がほとんどです。

走るのが大変ですし、場合によっては故障してしまう可能性もあるため、G1優勝馬がG3レースに出走することはあまりありません。

G2

G2はG1レースの一つ格下のレースで、年間39レース行われています。
G2レースはG1馬にとってG3よりも出走しやすいということもあり、夏季休養明けなどでG1レースに出走する前のステップレースとしてG2レースに出走するG1馬も多いです。

特に「札幌記念」「毎日王冠」「阪神大賞典」はG1レースでも一線級の強さを誇る競走馬が多数出走することが多く、並のG1レース以上の熱戦になることもあります。

G2レースに出走している競走馬には「とにかくこのレースに100パーセント全力投球している馬」と「後のG1レースに向けて戦略を練るために出走させる馬」と大きく二つに分けられており、その見極めが的中させられるかどうかを大きく左右します。

G1

G1レースは詳しい説明は不要でしょう。
全ての競走馬にとってG1レースは最大の目標であり、G1レースに複数勝利すれば後世に語り継がれる存在となります。

レースによって1着賞金は変わりますが、最も1着賞金が高額の「有馬記念」は4億円というとんでもない金額です。
しかし海外のG1レースだともっと1着賞金が高額なレースもあります。

G1レースに勝利すると多額の賞金がもらえることも大きいのですが、それ以上に種牡馬または繁殖馬としての甲斐が大幅に上がり、引退後も多大な活躍を見せてくれます。

障害レースは平地レースよりも区分が少ない

障害レースは平地レースよりも区分が少ない

障害レースは平地レースよりもレースの区分が少なくなっています。
ほとんど平地レースと重複する項目ばかりなので、各レースの解説は簡単に済ませます。

未勝利戦

平地レースと同様に障害レースでは1勝もできていない競走馬が出走するレースです。

ずっと障害レースで勝てていない競走馬が出走することはもちろん、これまで平地やダートレースで思うような成績を上げられず、障害レースに転向した競走馬が出走するときもこの「未勝利戦」からのスタートになります。

オープン

障害レースで1勝以上を挙げている競走馬が出走するレースですが、ずっと勝てないままの馬も一定期間以上勝てずに居た場合は自動的にオープン戦への出走となります。

未勝利戦で勝てない馬が格上のオープン戦に挑戦するわけですから、1着になる可能性はとても低く、そういった馬たちは競走馬として生き残るかどうかの崖っぷちに立たされているといってよいでしょう。 

G3

障害競走で1勝以上していればG3レースに出走することが可能です。
とはいえ、G1レースに出走する馬たちも出走することがあり、1勝クラス程度の馬ではG3を勝つことはなかなか難しいです。

G2

G3よりもひとつ上のランクになります。
G2になるとG1レースに出走する馬や優勝する馬も出走することが多く、それ以下の実力の馬では上位に入る事すら至難の業です。

G1

障害レースのG1レースは春に開催される「中山グランドジャンプ」と年末に開催される「中山大障害」の2レースのみとなっています。

両レース共に4,000m以上という距離を障害を超えつつ走らなければならないので、並の能力の競走馬では完走することすら難しく、このレースに出走し、完走しただけでも超一流の障害競走馬だといえるでしょう。

ハンデ戦について

ハンデ戦について

もうひとつ、知っておかなければならないレースの種類として「ハンデ戦」があります。
ハンデ戦は平地、ダート、障害に関わらず設けられていて、出走表をチェックした際に競走馬によって斤量差があればそのレースはハンデ戦です。

ハンデ戦の目的は明らかに実力差がある競走馬同士に斤量差をあえて設けることで実力差を小さくすることを目的としており、ハンデ戦は荒れることが多いとよく言われています。

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まとめ

ひととおり競馬のレースの種類について解説してきました。
何気なく見ていると千部同じに見える競馬のレースですが、細かく見ていくと実にさまざまな種類のレースがあることに驚いたのではないでしょうか。

レースの種類を知っておくことは予想に非常に役立ちます。
自分が買いたいレースの出走表をチェックし、気になる競走馬の過去レースの実績を見れば、その馬がどれくらいのレベルのレースであれば上位に入ることが多いのかが分かります。

そして今回のレースがそのレベルよりも高いのか低いのかを判別出来ればその競走馬を買い目に含めるか含めないかの判断がつけやすいでしょう。