競馬で1番人気の馬の勝率を徹底調査

競馬の馬券を購入する際に、ほぼ全員が意識するのは1番人気の馬です。
一番人気の馬というのは、多くの人が馬券を購入している、「上位2着あるいは3着以内に入る可能性が高い馬」であり、なかにはオッズを見て1番人気だからというだけでその馬を軸にする人もいます。

しかし、一番人気というのは常にそこまで信頼してもよいものなのでしょうか。
本記事では一番人気の勝率やチェック方法、そして1番人気が3着以内に入らなくなってしまいやすい条件について解説していきます。

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単勝1番人気の勝率は30パーセントくらい

まず、一番人気がどれくらい勝利しているかについてですが、中央競馬全体での一番人気の勝率は単勝でだいたい30パーセント程度だと把握しておけばよいでしょう。
単勝の平均勝率は18分の1でだいたい5.5パーセントくらいだという事を考えれば30%というのはかなり高めの数字です。
ところが単純計算すると3回に2回は外れることになるので、安易に1番人気だからという理由だけで軸にして1番人気の馬を中心に馬券を購入するというのは少々危険な数値でもあります。

実際に各競馬場ごとに1着の勝率を表にすると、以下のようになります。

中央競馬での1着の勝率

競馬場名 勝率(%)
札幌 35
函館 32
福島 27
新潟 32
東京 31
中山 31
中京 30
京都 32
阪神 32
小倉 29

2020年度中央競馬における1番人気の平均勝率は31.1パーセントとなっています。

地方競馬での1着の勝率

競馬場名 勝率(%)
ばんえい 35
門別 45
盛岡 42
水沢 46
浦和 37
船橋 40
大井 35
川崎 35
金沢 45
笠松 50
名古屋 51
園田 46
高知 46
佐賀 50

地方競馬は、特に笠松より西側の競馬場の1番人気の勝率が高く、笠松と名古屋競馬場では50パーセントです。
2回に1回は1番人気が勝っていると考えれば、1番人気は何らかの形で馬券に絡めておいたほうがよさそうです。
地方競馬全体における1番人気の勝率はおよそ43パーセントとなっています。

参考 1番人気の複勝率 競馬1番人気の確率 来る確率競馬で勝つ方法 研究レポート - うまめし.com 競馬必勝法 (umameshi.com)

競馬で勝つには1番人気としっかり向き合うことが大切

「1番人気はそこまで信用できない」ということに気づけば、競馬で勝つということに少し近づくことができます。
競馬の馬券を購入する際に、1番人気に注目することは決して間違いではありません。
しかしただ注目するのではなく、1番人気の馬としっかりと向き合うことが馬券を的中させるためにはとても重要です。

安易に数字だけを見て判断するのではなく、「なぜこの馬が1番人気なのだろう」と疑問を持ち、調べることからはじめましょう。
特に知らない馬が1番人気の場合、この調べるという作業は絶対に必要です。

安易に1番人気を軸馬にすると痛い目を見る

安易に1番人気を軸馬にすると痛い目を見る

繰り返しになりますが、1番人気の勝率は単勝で約30パーセントです。
3回に2回は外れることになりますし、2着以内にくる「連対率」もおよそ5割なので、1番人気の馬連を購入しつづけると、2回に1回は外れるということになります。

1番人気を含んだ馬券はいずれもオッズが低くなっていることが多く、1番人気の馬券をずっと買い続けていると、ほぼ確実に馬券代が配当金を上回ってしまいます。
安易に1番人気を軸馬にすると痛い目を見るということは頭の片隅に入れておきましょう。

1番人気を軸にするかどうかの見極め方

1番人気を軸にするかどうかの見極め方

とはいえ、1番人気が他の馬よりも実力があることは間違いありません。
安易に軸にするのは良くないですが、1番人気の馬をいろいろと調べたうえで十分勝ち切る能力があると判断したのであれば、むしろ積極的に軸にしておきましょう。
この項目では、どういった馬ならば1番人気で軸にすればよいのかを解説していきます。

1番人気の脚質が「逃げ」か「先行」なら信頼度は高め

競馬は、前のほうを走る馬のほうが基本的に有利です。
歴史的な名馬のなかには後方から前の馬を一気にごぼう抜きするような馬もいますが、そのような卓越した能力を持つ馬は数年に一度出るか出ないかです。
後ろのほうに位置する馬は前に出るためには馬群をかいくぐるか、大外から回っていく必要があります。
いずれにしても上手くいかないことも多く、十分な実力があっても3着以内に入らないことも多々あるので、軸にするには少々怖いです。

同じくらいの実力なのであれば、「逃げ」あるいは「先行」の馬を軸に馬券は組み立てていきましょう。
前のほうに位置どりをして走る馬は馬群の影響をあまり受けないですし、先頭からの距離も近いです。
逃げ馬ならば一切馬群の影響を気にする必要はないでしょう。
もし1番人気が逃げ馬で、ほかに逃げ馬がいないのであれば、積極的に軸にしておいて損はありません。

1番人気が内枠なら有利

次に1番人気がどの枠からスタートするのかもチェックしましょう。
競馬はトラック競技となっており、スタートは横一直線ですが、スタートから第1コーナーまでの距離はどの枠を走るかによって全然異なります。
内側の馬は最短距離でコーナーに入りやすいので、自分の好きな位置取りをキープしやすいですし、なにより走る距離が短いのでスタミナのロスも少ないです。

しかし、もし脚質が逃げで大外枠の場合はかなりの距離を走らされることとなり、場合によっては先頭に立てない可能性もあります。
競走馬の脚質は主にその馬の性格によって決められており、特に逃げ馬の場合は周りにほかの馬がいたり、一度後ろの馬に抜かれてしまうと途端にやる気をなくしてしまう事が多いので、1番人気が逃げ馬で外枠の場合は安易に軸にするのは危険です。

1番人気に騎乗している騎手をチェック

1番人気に騎乗している騎手にも注目しておきましょう。
1番人気に騎乗している騎手がリーディング上位で、経験年数も長ければまったく問題ありません。
競馬場のコースの特徴を知りぬいているので、どこで勝負をかければ良いかも把握していますし、馬の性能も十分発揮できるでしょう。

ところが、まれにあまり実績がない騎手が1番人気の馬に騎乗していることがあり、その時は注意が必要です。
1番人気ということはたくさんのお金がかけられていて、競馬ファンからの期待も大きいという事もあって騎手には大きなプレッシャーがかかります。
そのプレッシャーに押しつぶされて本来の実力が発揮できない可能性も十分あるでしょう。

そして競馬は勝負の世界ではありますが、騎手同士にはどうしても上下関係というものがあります。
特に関係性が強い騎手同士の場合、後輩騎手は無意識に遠慮してしまって勝負を賭けなければいけないところで勝負を賭けれず、そのまま負けてしまうといったことも無いとは言い切れないのです。

1番人気が3着以下になってしまいやすい条件を知ろう

1番人気が3着以下になってしまいやすい条件を知ろう

1番人気を軸にするかしないかの判断基準についてはある程度理解してもらえたのではないでしょうか。
そして、そのほかにも特定の条件下では1番人気が3着以下になりやすい時があります。
ここでは1番人気が人気通りの着順にならない可能性が高くなる条件について解説するので、予想をする際の参考にしてみてください。

ハンデ戦

競馬では競走馬に騎手が騎乗しますが、騎手ひとりひとりの体重はそれぞれ異なります。
そこで、体重の軽い騎手が騎乗する場合は馬に重りをつけてほかの馬との体重差を無くす措置がとられます。
ところが「ハンデ戦」ではあえてその体重差を無くし、実力差がある馬同士でも良い勝負ができるようにしています。

ハンデ戦の場合、そもそも1番人気はアテになりません。
もし1番人気でハンデが1番大きくない場合は、その馬自体の実力がそれほど無いという証拠ですし、トップハンデの馬が1番人気だった場合も、馬自体の実力は十分でも重いものを背負うということはそれだけスタミナを消費するので、本来の力が発揮できない可能性が高いです。
一獲千金を狙うのであればよいですが、コツコツ勝ちたいという人にはハンデ戦はおすすめしません。

前走からのローテーションが短い

1番人気が前走からのローテーションが短い場合も要注意です。
前走からだいたい2か月ほど空いていればまったく問題ありませんが、1か月未満の場合は前走の疲れが取れておらず、実力を発揮できない場合が多々あります。

直近で有名な例としては、短距離とマイルでは現役最強馬であるグランアレグリアが前走ヴィクトリアマイルから2週間ほどで安田記念に出走したものの、最終直線でいつもの切れ味を出せず、2着になってしまいました。

2着なので馬連や3連複であれば問題ないですが、馬単や3連単でグランアレグリアを軸にしていたのであれば、その馬券はすべて外れとなります。

不良馬場のレース

競馬場の天気は当日にならなければ分かりませんが、前日に雨が降ったり、当日に雨が降ったりして不良馬場になるとレース展開が一変することがあります。
特に馬体重が重い馬は不良馬場の影響を受けやすく、スタミナを多く消費して最後までスピードを保てない可能性が高いです。
多少の修正で対応できそうなら良いですが、買い目を大幅に変更しなければならないのであれば、そのレースは見送ったほうが無難です。

長距離戦

一般的に、距離が長くなればなるほど1番人気の勝率は下がるといわれています。
走る距離が長いとその分思わぬアクシデントが発生する可能性が高くなりますし、逃げ馬が勝つために必要不可欠なペース配分も難しくなるためです。
長距離戦の場合は逃げ馬よりも中段より少し後ろに控える馬の方がペース配分が楽なので勝ちやすくなるでしょう。

前走で豪快な勝ち方をした次のレース

これは競馬初心者によくありがちなミスなのですが、前走で最後方から豪快な末脚で勝利した馬を見ると、「この馬は強い!」と思い込んでしまいます。
そして次のレースでその馬が1番人気になろうものなら、その馬が勝つ事を疑わず、特に調べもせずにその馬を軸に馬券を買ってしまうのです。

しかし、何度か説明したように差し馬や追い込み馬など、後ろからスパートをかけることを得意とする馬が勝ち続けるには卓越した走力と瞬発力が必要です。
差し馬や追い込み馬が人気の場合はいつもより更に念入りにその馬の事を調べるようにしましょう。
調べてみたうえで、それでもその馬が強い勝ち方をしているのであれば、その馬はかなりのポテンシャルを持っているので、軸にする価値は大いにあります。

メディアに流されず自分でしっかりと調べよう

1番人気を軸にするにしろ、しないにしろ、1番人気の馬はレースを大きく左右する存在となるので、能力については必ず調べる必要があります。
調べる際には必ず自分でその馬のことを調べるようにしましょう。
そうすることでメディアや新聞などの情報に流されずに冷静な判断ができるようになります。

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まとめ

競馬の予想をする際に、1番人気の存在は無視できません。
安易に1番人気を軸に馬券を買う人もいますが、1番人気が単勝で勝つ確率はおよそ30パーセントほどです。

1番人気だからとなにも見ずに軸にすると痛い目を見るでしょう。
馬券の的中率や回収率を上げるためには、1番人気の馬についてしっかり調べる事が大切です。
その馬がどんな脚質か、騎乗している騎手は誰か、騎手と馬の脚質との相性はどうか、レースがおこなわれる競馬場の特徴はどうか、何番の枠からスタートするかなど、調べなければいけないことはたくさんあります。

またハンデ戦や長距離戦など、レースの種類によっては1番人気の勝率が3割を切ることもあるので、レースの種類についてもチェックが必要です。
いずれにしろ、1番人気については必ず自分で調べるようにし、メディアや新聞の評価に流されないようにしましょう。