地方競馬で起こった八百長5選!地方競馬の闇を一挙紹介!

地方競馬で起こった八百長5選!地方競馬の闇を一挙紹介!

長い競馬史の中では歴史に残るような八百長もたびたび行われてきました。
特に、中央競馬と違って集客効果の薄い地方競馬では人の目を逃れるかのように影で八百長が行われているといわれています。
今も見えないところで八百長が行われているとなると、馬券を買う気も失せてしまいますね。

ところで、過去にはどのような八百長が行われていたのでしょうか。
当記事では最初に八百長とはどういったものなのか解説し、表沙汰になった過去の八百長事件を紹介したのち、最後に八百長がバレたらどのような処分が下されるのかを説明します。

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そもそも八百長とは?八百長について解説

そもそも八百長とは?八百長について解説

八百長とは、真剣に勝負しているように見せかけて、実は事前に勝ち負けを決めていることを意味します。
言い方を変えれば【ヤラセ】です。

レースに出走する騎手は騎乗する馬をコントロールできるので、その気になればわざと負けることも可能です。
馬券を購入している人からしたら信じられないことですが、競馬において八百長は実行可能なのです。

八百長とは予め勝ち負けを決めること

八百長は事前に勝ち負けを決めることから始まります。
騎手はレース数日前からスマートフォンや携帯電話などの通信機器を運営元に没収されます。

なぜなら、情報が他の競馬関係者に行き渡らないようにするためで、有益な情報が外部に漏れない、もしくは外部から入ってこないようにしています。
このような措置をとることでレースにおける公平さを維持しています。

しかし、レースが終わったら騎手はフリーになります。
そのときは他の騎手や関係者との交流もできますし、通信機器も返却されるため使用できます。
八百長が行われるのは通信機器が使用できる環境下にあるときで、この間に八百長の話が行われるようです。

競馬の八百長はお金を操作できるので大問題につながる

八百長は事前に競馬関係者の間で勝ち負けを決めたうえで行われます。
例えば、どんなに人気落ちの組み合わせでも八百長関係者がその組み合わせを大量購入していたら自然とオッズは下がります。

そのため、実力でその穴馬の組み合わせを的中させたとしても、八百長が噛んでいたら配当は予想以上に下がってしまいます。

八百長は公平に馬券を購入している人にとっては大迷惑極まりない行為ですし、一部の人だけがずるして大金を手にしているのも許せません。
八百長は公平さの欠片もない行為で法にも触れている違法行為なので大きな問題になるのです。

地方競馬で実際に起きた!過去の八百長リストを5つ紹介

地方競馬で実際に起きた!過去の八百長リストを5つ紹介

競馬の公平さを考えるのであれば八百長は絶対に起きてはなりません。
しかしながら、過去の競馬史を見てみると決して少なくない数の八百長が行われていたことが分かります。

また、八百長と確定していないものの限りなく八百長に近い行動が垣間見れるレースもあります。
ここからは、地方競馬で起きた過去の八百長事件、もしくは八百長疑惑を5つ紹介しましょう。

【2020年】笠松競馬の大規模八百長事件

最初に紹介するのは2020年の笠松競馬場で起きた大規模八百長事件です。
この八百長事件は比較的最近行われた事件で、その内容を一言で表すと「競馬関係者十数名が八百長に関与していた」大事件です。

競馬関係者が事前に八百長を行い、レースで不正を行ったことで約3億円もの不正な利益を手にしたのです。
八百長に関与した関係者にはいくつかの処分が下されました。

競馬関与禁止処分 競馬関与停止処分
尾島徹元調教師 花本正三調教師
佐藤友則元騎手 東川公則調教師
山下雅之元騎手 大塚研司騎手
島崎和也元騎手 吉井友彦騎手
湯前良人調教師
池田敏樹騎手
筒井勇介騎手
高木健騎手

もっとも重い処分である「競馬関与禁止処分」は、永久に競馬に携われない処置で、騎手や調教師としての仕事はもちろんのこと、馬券購入や即パットなどのネット登録もできなくなり、事実上の永久追放といわれています。

二番目に重い「競馬関与停止処分」も「競馬関与禁止処分」と同様の処分内容ですが、こちらは期限が設けられています。
1年から5年の間で処分が下され、例えば吉井元騎手は5年の処分が下されています。

結果的にこの八百長事件に携わったほとんどの関係者が引退することになりました。
その中には佐藤元騎手や吉井元騎手など、笠松リーディング上位の騎手がそろって八百長に関与していたことで笠松競馬界に激震が走ったのです。

八百長事件が露呈したことで、笠松競馬運営はこの事件を重く受け止め8か月もの間運営を停止します。
この運営停止期間の間に調整ルームや騎手控え室に通信機能抑止装置や電磁波遮蔽フィルムを導入し、再犯が起きない措置も取られました。

再開後は騎手が9名まで減りましたが、2023年4月の時点で大きな不正情報は発覚しておらず、クリーンな運営が心がけられているようです。

【2020年】騎手×調教師×馬主が行った船橋競馬の八百長

2020年の船橋で起きた八百長は、騎手と調教師、そして馬主が絡んだ八百長事件です。
対象となったのは2020年1月11日の8レース目に開催された【船橋飯塚海苔を食べましょう C1一】というレースです。

こちらのレースは8頭立てで開催されました。
これといったメイン競走でもありませんし、有名な馬が出走したわけでもないのですが、前後に行われた7レースと9レースと比較しても馬連や馬単、三連複に三連単といった券種が多く売れていました。
特に、三連複に関しては7レースや9レースよりも800万円ほど多く売上があったのです。

そして、レース結果は1着が1番人気のクリムパルフェで2着が7番人気のスカイズザリミット、そして3着には5番人気のロワノワールが入選しました。

8頭立てのレースで7番人気の馬が2着に入選したので、高配当につながるレースでしたが三連複ではスカイズザリミットを絡めた馬券が売れていたため、三連複の配当はたったの1,890円だったのです。
スカイズザリミットとトワノワールのワイドが1,800円なのでいかに投票が集中していたかが分かります。

さて、このレースの問題点は「ヤラズ」にあります。
ヤラズとは意図的にレースをやらないことで、かんたんにいうと勝ちを放棄しているのです。

実際にレース映像を見てみると、吉原寛人騎手が騎乗した2番人気のマイネルレヴリーはゲート後に馬が頭を上げた瞬間、手綱を一気に引いて出遅れました。
そしてそのまま最下位に敗れています。

そして、3番人気のジャズコンボに騎乗した西村栄喜騎手は馬が幸先いいスタートを切り、先行集団に加わりました。
そのままレースが進行しましたが、最後の直線で本来追い込みをかけない場面で西村栄喜騎手は全く追わないどころか手綱を抑えたまま、馬に追うのをやめさせようとしていたのです。

なぜ吉原騎手と西村騎手がヤラズを行ったかというと、両名が「負ける対象」として選ばれていたからです。
そして、このような打ち合わせは騎手と調教師、そして馬主も交えて行われたようです。

黒幕は定かではありませんが、このレースで儲けを得た人物がどこかにいます。
全くといっていいほど信じられない八百長が行われていたのでした。

【2013年】金沢で八百長のサインがリークされる

2013年に行われた金沢のあるレースでは、事前に八百長が告知されたことで注目を集めました。
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)の競馬板にて、いきなり【本日金沢9レースで八百長が行われます】というスレが立ちました。

スレの内容を見てみると、1番人気の4番と5番人気の2番がわざと負けると宣言されていて、実際にこの2頭が敗れたのです。

スレ主はかつて【金沢競馬 八百長糾弾ブログ(現在は閉鎖)】というブログを運営していた過去があり、三連単の異常投票やこの日の売上が一番大きかったこと、対象となった2頭の騎手が以前から八百長が疑われてもおかしくない点を挙げたうえで予言したのです。

結果的にはこのスレ主通りの決着となったことで、一時金沢競馬の運営に問い合わせが殺到したのですが、運営元は八百長を否定しました。

【2013年】沖騎手が行った飛び降り八百長レース

2013年の金沢競馬場で起きた沖騎手の落馬も八百長という噂が上がっています。
向こう正面1番人気のジェイフォースという馬に騎乗していた沖騎手が落馬しました。

しかし、レース映像を見てもらえば分かるのですが、先頭で競馬していた馬で落馬すること自体が不自然ですし、その落馬も振り落とされたわけでもなく、ゆるりと下りるように落馬しているのです。

実は、このレースも人気のジェイフォースを外した三連単の組み合わせのオッズが低く、八百長が行われた形跡があるのです。
そのため、沖騎手は人気のジェイフォースを4着以下に入着させなくてはなりません。

ところが、ジェイフォースはスタートで(意図して)出遅れたにも関わらずそこからペースアップし、騎手が賢明に手綱を引くものの抑えきれず、手ごたえよく前へ前へ競馬したのです。
そこで、沖騎手はわざと負けるために下馬するように落馬したのです。

この落馬事件は結果的には不正として扱われませんでした。
しかし、あまりにもわざとらしい落馬が注目を浴び、インターネット上では「沖ダイブ」という名称で語り継がれています。

【1968年】大穴なのに低配当?昭和の浦和で起きた大量購入

いまから50年以上前に起きた八百長事件を紹介しましょう。
こちらの事件は1968年7月30日の浦和第8レースで起きた八百長事件です。

このレースの本命馬は②-①の組み合わせでしたが結果は人気のない④-⑤の組み合わせが来ました。
ところが、大穴にも関わらず単勝の払戻が3倍、複勝は1.4倍と2.5倍だったのです。

大穴どころか本命に近い配当金に現地の馬券購入者が不服を申し立てたのです。
この事件で問題になったのはほとんどの馬券購入者が抗議したことです。

ただ抗議するだけならまだしも投石や火炎瓶などの投てき、さらには投票所にあった現金数百万円の強奪もあったようです。

実はこの時代の競馬界は競馬関係者と暴力団関係者が手を組んで八百長を行うことが度々あったようです。
そこで、あからさまな低配当に多くの人の不満が爆発したのでした。

結果的にこのレースの八百長は立証できませんでしたが、このような事件を踏まえて競馬の運営元や警察が取り締まりを行い、八百長は激減したのです。

八百長はなぜ起きる?八百長の動機と仕組みを紹介

八百長はなぜ起きる?八百長の動機と仕組みを紹介

長い日本の競馬史のなかでは度々八百長が行われてきました。
八百長は競馬法でも禁止されていますし、ほとんどの競馬関係者は公平さを維持しながら日々競走馬にかかわっています。

しかし、それでも八百長を根絶することはできていません。
どうして八百長は行われるのでしょうか?
ここからは八百長が起こる理由と仕組みについて解説していきます。

八百長を行う理由はお金がほしいから

どうして八百長が行われるかというと、お金が欲しいからです。
競馬関係者は華があるように思いますが、それはあくまでも中央競馬の騎手に限ります。
先ほど紹介した八百長事件はすべて地方競馬の出来事です。

実は、中央競馬と地方競馬の賞金格差は非常に大きく、例えば中央の未勝利戦の1着賞金500万円は、地方競馬の重賞レースに匹敵します。

地方競馬も開催場所によって賞金が変わりますが、平均賞金額の少ない笠松競馬などは1着賞金40万円とかたくさんあります。

騎手の取り分は中央・地方問わず5%なので、1着の賞金40万円のレースを勝利したとしても騎手には2,0000円しか入ってきません。

全レースを勝利すればそこそこのお金になるかもしれませんが、必ず勝てるというわけでもないですし、なによりも命がけでレースに出走している割に安いですし、中央競馬と比較したらその差は歴然なのです。
そのため、生活が苦しい騎手の方も少なくありません。

お金に余裕がないから。
お金が欲しいから八百長に手を出す騎手は多いのです。

レース前に関係者同士で負ち馬を決め、その通りレースを行う

八百長の手段はいくつか方法がありますが、基本的にはレースが開催される数日前から八百長関係者同士で勝ち馬や負け馬を決めるようです。

そして、レース当日になって負け馬に騎乗する騎手は意図して負けるよう画策します。
このようにして馬券に絡む馬を秘密裏に捜査しているのです。

馬券は第三者が購入するケースが多い

競馬法では騎手や調教師といった競馬関係者は馬券購入が禁止されています。
そのため、馬券は第三者が購入することが多いです。

2021年の笠松で起きた大規模八百長事件においても、騎手の奥さんが馬券を購入していたようです。
八百長を行っている時点で法に触れていますが、少しでも不正がばれないように第三者を通して儲けていたようです。

八百長がバレるとどうなる?八百長のリスク3選

八百長がバレるとどうなる?八百長のリスク3選

競馬法によって八百長は禁止されていますが、それでもごくまれに一部の関係者が八百長を行う時があります。
しかし、今回取り上げた八百長事件はいずれも公に公表されています。

もしも、八百長がバレてしまったらどのような影響を及ぼすのでしょうか。
八百長がバレた時のリスクを3つまとめました。

関係者は重い処分を下される

最初に、八百長に携わった人は何らかの処分が下されます。
笠松競馬場で起きた八百長事件で例を挙げると、八百長の中心人物は競馬関与禁止処分を下され、事実上競馬界から永久追放されました。

八百長に軽く触れただけの人物でも競馬関与停止処分という罰則が下されています。
八百長は違法であるうえ悪質なので、これぐらいの処分を下さなければいけないのです。

その競馬場の信頼を失う

八百長が行われていた競馬場は信頼を大きく失います。
2020年の笠松競馬場で起きた大規模八百長に関しても、数年にわたって内輪で八百長が行われていました。

当然八百長を行う人物が一番悪いですが、運営においても八百長対策をしっかり行ったり、規模が膨れ上がる前に八百長の疑惑を掴んで戒告するなど、対処法はいくらでもあったのです。

笠松に関しては2020年代以前にも八百長事件があったため、なおさら八百長には気を配らなければなりませんでした。

このように、八百長は関与しているグループだけではなく、八百長を行いやすい環境で運営していた胴元にも問題があります。
そのため、八百長がばれてしまったらそこの競馬場の信頼度も大きく失われるのです。

スポーツ、ギャンブルとしての競馬の価値がなくなる

八百長があまりにも多発すると多くの競馬ファンが愛想をつかします。
そもそも、競馬にはスポーツとギャンブルの2つの側面がある競技です。

まるで違ったジャンルですが、スポーツにしろギャンブルにしろ、公平さのもとで行われるからこそドラマが生まれ、またギャンブルとしてのやりごたえもあります。

しかし、八百長という名のヤラセが横柄すると、スポーツとしてもギャンブルとしての価値もなくなり、ファンが去ります。

ファンが去ると馬券が売れなくなり、運営の売上も減るため結果的には胴元の収支にも影響するのです。
そのため、八百長は長い目で見たら得より損のほうが多いといえますね。

参考 地方競馬は八百長だらけ?過去の八百長リストを一挙公開!組みやサインもあわせて解説
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まとめ

今回は地方競馬における八百長事件を紹介しました。
中央競馬にしか触れていない人にとっては考えられないことだと思いますが、地方競馬ではたびたび八百長が発生しています。

そのなかには八百長として認められたものもあれば、八百長が認められていないものの、限りなく八百長に近い出来事までありました。

八百長は競馬ファンを裏切る悪質な行為ですし、絶対に起きてはいけません。
また、八百長が多発すればするほどそこの競馬場の信頼度も損ない、売上にも影響します。
八百長は多くの人が損をするので、根絶されることを祈るばかりです。