【晩成型】ハーツクライ産駒の特徴とは?得意距離やコースも紹介!

【晩成型】ハーツクライ産駒の特徴とは?得意距離やコースも紹介!

ハーツクライは2000年代に活躍した馬です。
現役時代通算成績は19戦5勝で、有馬記念とドバイシーマクラシックを制しています。

有馬記念ではディープインパクトに先着したことでも有名です。
また、ダービーではキングカメハメハの2着にも入選していました。

ところで最近競馬を始めた人にとってハーツクライは種牡馬としてのイメージが強いはずです。
当記事では、ハーツクライの生涯をかんたんに解説したうえで、代表産駒を紹介します。
そして、ハーツクライ産駒の特徴を説明したのち、後継種牡馬の候補を何頭かまとめました。

回収率が高い競馬予想サイト
12月28日(日)ホープフルステークス[G1]

12月7日中京7R「マスタードラゴン」プランで5,400円 →1,135,170円の払い戻し!
今なら無料登録で12月28日(日)ホープフルステークス[G1]の買い目がみれる!

無料でホープフルステークスの予想をみる

現役時代のハーツクライはどんな馬?

ハーツクライ(引用元:JRA)

競走馬は強くなければ種牡馬入りすることはできません。
なぜなら、競馬には強い馬づくりが課せられていて、強い親の仔はより強くなる傾向があるからです。

ハーツクライも現役時代に活躍したから種牡馬入りすることができましたが、現役時代のハーツクライはどのような活躍をしたのか最初に紹介します。

国内でディープインパクトに先着した唯一の馬

ハーツクライはG1タイトルを2つ手にしました。
手にしたG1タイトルのひとつである有馬記念には当時無敗の三冠馬になったばかりの3歳のディープインパクトが出走しました。

当然のことながらディープインパクトが断然1番人気を背負いましたが、ハーツクライはこれまでの追い込み競馬から一変して先行策を打ち、ディープインパクトの追撃を抑えて優勝したのです。

なお、この有馬記念に騎乗していたのは当時短期免許で来日していたC.ルメール騎手です。
C.ルメール騎手の日本における初重賞タイトルはハーツクライと共に手にした有馬記念でした。

最終的にはG1レースを2つ手にして引退

有馬記念を制した翌年はドバイシーマクラシックも勝ち切り、ふたつ目のG1タイトルを手にしました。
しかしながら、その年はドバイシーマクラシックを最後に勝利どころか馬券すら絡めなかったのです。

10着に敗れたジャパンカップレース後に喘鳴症の傾向があることから、引退が発表されました。
生涯G1勝利数は2つで、10着以下に敗れたレースも少なくありませんが、有馬記念においてディープインパクトに先着した実績が高く評価され、種牡馬入りを果たすことができたのです。

引退後も有力な馬を多数輩出

種牡馬入りしたハーツクライの初年度種付け料は500万円でした。
初年度から100頭以上の牝馬と交配し、最終的には99頭が受胎したのです。

初年度産駒がデビューしたのは2010年です。
G1タイトルこそつかめませんでしたが菊花賞やダービー、有馬記念でオルフェーヴルの2着に入選したウインバリアシオンや、長距離レースで結果を残したカレンミロティックを輩出しました。

そして、2年目の産駒からは世界リーディング1位に君臨したジャスタウェイが生まれたことでハーツクライ産駒の価値が一気に高まったのです。

その後もグランプリレースを制した名牝リスグラシューや中距離G1を手にしたスワーヴリチャード、ダービー馬のドウデュースが誕生しました。
ハーツクライは種牡馬としても大活躍したのです。

2023年、起立不能になり、死亡

ディープインパクトやキングカメハメハほどではありませんが、コンスタントに有力馬をターフに送り出していたハーツクライでしたが、晩年は年齢による衰えもあったため、2020年に種牡馬を引退します。
その後は功労馬として余生を過ごしていましたが、2023年に起立不全のため亡くなりました。

ちなみに、ハーツクライとともにドバイシーマクラシックを制したルメール騎手は、ハーツクライが亡くなった2023年のドバイシーマクラシックにイクイノックスとレースに挑み、勝利しています。
ルメール騎手にとってはハーツクライ以来のドバイシーマクラシック制覇でした。

ハーツクライの代表産駒5頭

ハーツクライの代表産駒5頭

ディープインパクトほど目立った活躍は見せませんでしたが、現役時代も種牡馬としても活躍していたハーツクライは、たくさんの仔に恵まれました。

その中には大舞台で活躍した馬も少なくありません。
ハーツクライの代表産駒を5頭紹介します。

【三冠馬のライバル】ウインバリアシオン

ウインバリアシオンはハーツクライの初年度産駒です。
デビュー時からクラシック候補として注目されていましたが、同期のオルフェーヴルのためにダービーで2着、菊花賞も2着に敗れました。

それでも大舞台で上位争いしているので確かな実力馬です。
最終的にG1タイトルこそ手にすることができませんでしたが、有馬記念や天皇賞(春)でも2着に入選しています。

ちなみに、ウインバリアシオンはG1レースで4度2着がありますが、そのうち3つが勝ち馬オルフェーヴルでした。
オルフェーヴルがいない世代に生まれていたらG1タイトルを手にしていたかもしれませんよ。

【世界ランク1位】ジャスタウェイ

ジャスタウェイは3歳時は目立った活躍を見せていません。
覚醒したのは4歳、古馬になってからです。

2013年の天皇賞(春)では断然1番人気に支持されたジェンティルドンナに4馬身差をつけて完勝し、初G1タイトルを手にしました。

翌年に挑んだドバイデューティーフリー(現在のドバイターフ)では2着に入選したウェルキンゲトリクスに6馬身近い差をつけレコード勝ちをおさめました。

天皇賞(秋)とドバイデューティーフリーの勝ちっぷりがワールドベストレースホースランキングにおいて高く評価され、日本馬としては初となる単独1位に支持されたのです。

その後は日本に帰国し、安田記念を勝利、ジャパンカップも2着に入りました。
同年に行われた有馬記念の4着を以って、現役を引退しました。

【グランプリ制覇】リスグラシュー

リスグラシューは2014年に生まれた牝馬で同期にはスワーヴリチャードがいます。
デビュー2戦目に挑んだアルテミスステークスを制し、世代の注目牝馬になりました。

ところが、阪神JF、桜花賞、秋華賞にヴィクトリアマイルと4度のG1で2着に善戦するものの、G1タイトルには届きませんでした。
それまで武豊騎手が主戦を務めていましたが、さすがにG1で勝ち切れないことから武豊騎手は降板。

変わって手綱を引き継いだモレイラ騎手とのコンビで挑んだエリザベス女王杯を制したことで、悲願のG1馬になりました。

しかし、リスグラシューの真骨頂はここから先にありました。
2019年の宝塚記念は12頭の少数開催でしたが、同期にはクラシックホースのアルアイン・レイデオロ・キセキが参戦し、さらには大阪杯勝ち馬のスワーヴリチャードも参戦しました。

リスグラシューは紅一点でレースに挑みましたが、普段とは違う先行競馬が見事はまり、最後の直線では同期の牡馬を置き去りにする走りで圧勝したのです。

さらに引退レースとなったこの年の有馬記念においてもアーモンドアイを筆頭に、G1馬が11頭もそろいましたが、リスグラシューは後方から余力を残し、最後の直線で外目を確保して一気に進出。

交代するアーモンドアイや他のG1馬を後目に抜群の手ごたえで抜け出し、2着のサートゥルナーリアに5馬身差をつけて有終の美を飾ったのでした。

その年の年度代表馬に選ばれたリスグラシューは引退後、種牡馬入りを果たしました。
2021年にモーリスとの初仔が生まれています。

【キーファーズの大物】ドウデュース

2023年現在も活躍しているドウデュースは2022年のダービー馬です。
この年のダービーはのちにグランプリホースに輝くイクイノックスとしのぎを削りました。
イクイノックスの追撃をクビ差退け、見事ダービータイトルを手にしたのです。

その後は凱旋門賞へのプランが決まりましたが、前哨戦であるニエル賞では4着に敗れ、本番を迎えた凱旋門賞でも重馬場に泣かされ11着に敗れてしまいました。
おそらく欧州特有の力の要る馬場に対応できなかったのでしょう。

ダービー馬としての強さを発揮するまでもなく帰国しましたが、2023年に挑んだ京都記念ではまくりからの追い上げを見事決めて圧勝し、ダービー馬の強さを証明しました。
その後はドバイターフに挑む予定でしたが、ハ行が判明したため競走を取りやめています。

ハ行(跛行)とは
競走馬の歩き方に異常があることです。
ハ行の原因は骨や筋肉、関節等の異常が考えられます。
原因が判明しないときに使用される言葉で、骨折や屈腱炎など怪我している可能性もあれば、腫れや筋肉痛など、軽症の場合もあります。

今後のプランは現時点では未だ発表されていません。

【米国代表】ヨシダ

ヨシダは日本で生産され、アメリカで調教された競走馬です。
名前の由来はノーザンファームの代表を務める吉田勝己氏から取られています。

アメリカ競走馬にしては珍しく、デビュー戦は芝レースを使いました。
芝における適性を評価されたからだと思います。

その期待に応えるように、芝1,800mのG1、ターフクラシックステークスを制しました。
また、同年に開催されたダートG1のウッドワードステークスも勝利したことで、芝ダートG1を制した二刀流ホースになったのです。

結果的にはウッドワードステークスが最後の勝ち鞍となりましたが、引退後は芝でもダートでも結果を残したことが評価され、種牡馬入りを果たしました。

ハーツクライ産駒は覚醒する?ハーツクライ産駒の特徴5選

ハーツクライ産駒は覚醒する?ハーツクライ産駒の特徴5選

ハーツクライ産駒はしばしば覚醒するといわれています。
確かに、ジャスタウェイやリスグラシューの活躍を見てみると、古馬になってから大成している馬が多いのが印象に残りました。

しかしながら、ドウデュースのように若くして結果を残している馬が多いのも事実です。
ここからは、ハーツクライ産駒の特徴を5つ紹介します。

【距離適性】中・長距離が得意な馬が多い

ハーツクライ産駒の得意な距離は中・長距離です。
スワーヴリチャードやドウデュースは典型的な中距離馬ですし、シュヴァルグランやカレンミロティックのように長距離レースで結果を残した馬も少なくありません。

全体的には距離が長いほうが出し切りやすい馬は多いですね。
しかしながら、リスグラシューの阪神JFや桜花賞における2着の実績、ジャスタウェイやサリオスのマイルG1レースにおける勝利を見る限りマイルに対応する馬もいます。

適性の幅だけ見たら中・長距離に見劣りますが、マイルでもそこそこ活躍馬は出ていますね。
短距離レースに目を向けてみると、活躍している産駒はそこまでいません。

芝1,200〜1,400mの短距離重賞を制した馬は北九州記念を制したツルマルレオンとフィリーズレビューを制したノーワンの2頭のみでした。
ハーツクライ産駒は短距離はそこまで得意ではないようです。

ダートコースでも成績を残している

アメリカで活躍しているヨシダを見ても分かるように、ハーツクライ産駒はダートでも活躍している馬は多いです。
ヨシダ以外にも2019年産のノットゥルノはジャパンダートダービーを制しています。

その他にも、スワーヴアラミスやラーゴブルー、ストロングサウザーは地方交流重賞を制していることから、サンデーサイレンス系産駒の中ではダートにおける活躍馬が多いといえるでしょう。

古馬になると覚醒する晩成型の馬が多い

ハーツクライ産駒の真価は古馬になってから表れます。
スワーヴリチャードやシュヴァルグランはクラシックタイトルには届きませんでしたが、古馬になってから力をつけ、最終的にはジャパンカップを制しました。

また、カレンミロティックは7歳と8歳時に天皇賞(春)に挑み、どちらも馬券に絡んでいます。
リスグラシューに至ってはこれまでの悔しい思いが吹き飛ぶかの様な活躍で、2019年度年度代表馬に輝きました。

もちろん、ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトのように、若くして結果を残した馬もいますが、総じて古馬になってから活躍している馬が多いです。
古馬、特に6歳以上になってから明らかに衰えが見られるディープインパクト産駒とは対称的といえるでしょう。

2着が多い

リスグラシューは2.3歳の段階でG1の2着が3回ありました。
コントレイルのライバルとして注目されたサリオスも皐月賞とダービーで2着に入選していました。

偶然だと思いますが、ハーツクライ産駒は大舞台における2着が意外と多いです。
この傾向を逆手にとって、ハーツクライ産駒を馬連や三連単の2着固定にするのも買い方として面白いでしょう。

末脚はそこまで速くない

ハーツクライ産駒の大半はそこまで末脚が速くありません。
もちろん、ドウデュースのように一部の産駒はスピードに定評がありますが、ハーツクライ産駒はスタミナを活かした持続力のある競馬や、持久戦が得意な馬のほうが多いです。
そのため、時計の出る馬場よりも力が求められやすい馬場のほうが好走することが多いです。

【2023年度】ポストハーツクライは誰?有力後傾種牡馬2選

【2023年度】ポストハーツクライは誰?有力後傾種牡馬2選

ハーツクライは2020年に種牡馬を引退しました。
その血を途絶えさせないためにはポストハーツクライの確保が急務です。
現在は続々とハーツクライ産駒が種牡馬入りしていますが、父ハーツクライほど活躍している種牡馬はいません。

しかしながら、ハーツクライの後継馬として奮闘している馬もいます。
2023年4月時点で種牡馬入りしているハーツクライ産駒の中から、後継種牡馬として期待できそうな馬を2頭まとめました、

ジャスタウェイ

ジャスタウェイは2014年に世界リーディング1位に選ばれた名馬です。
その年の有馬記念を最後に引退し、翌年から種牡馬入りしています。

ジャスタウェイの産駒は2018年にデビューしました。
初年度からアドマイヤジャスタやヴェロックスを輩出しましたが、ビッグタイトルはつかめませんでした。

しかし、翌年以降の産駒にはJBCレディスクラシックを制したテオレーマやホープフルステークス勝ち馬のダノンザキッドが誕生しています。
目立った活躍は見せていませんが、着実にG1馬を輩出していて、ポストハーツクライとしての期待に応えています。

ウインバリアシオン

オルフェーヴルのライバルだったウインバリアシオンは引退後、紆余曲折を経て青森県で種牡馬入りしました。
馬産地である北海道と比較すると青森県は有名牝馬との交配が非常に少ないです。

種牡馬として成功するには、どうしても交配相手のポテンシャルも求められるため、有力牝馬が少ない青森はそれだけで不利です。

しかしながら、ウインバリアシオン自身はG1レースで4度も2着入りした実力馬です。
交配数や繁殖牝馬に恵まれないながらも、ウインバリアシオン産駒は少しずつターフデビューし、なかには新馬戦や未勝利戦を勝利した馬も現れました。

2022年のチューリップ賞ではバリコノユメが産駒としては初となる重賞デビューを果たしています。
11着に敗れてしまいましたが、産駒から重賞に挑む馬が現れているのはよい傾向ですね。
産駒の活躍が青森県の馬産地活性化になることを願うばかりです。

その他のハーツクライ産駒はまだデビューしていない

ハーツクライの有名産駒にはシュヴァルグランやスワーヴリチャードもいます。
これらの馬も種牡馬入りしましたが、まだ産駒はデビューしていません。

シュヴァルグランもスワーヴリチャードも2023年夏に産駒がデビューする予定です。
現役時代に活躍した2頭の仔が、ターフでどのような走りを見せるか今から目が離せませんね。

まとめ

ハーツクライは現役時代にディープインパクトに先着したことで種牡馬入りしました。
産駒にも恵まれ、牡馬牝馬問わず活躍馬がいます。

ディープインパクトやキングカメハメハよりも長くいきましたが、2023年に亡くなったハーツクライ。
しかし、後継種牡馬の候補も多数います。
ハーツクライの血を継いだ仔がどのような活躍をするのか、今後の競馬にも注目です。