サウスヴィグラス産駒とは?特徴や代表的な競走馬を紹介!
競馬新聞やネット上で競馬関係のサイトなどを見ていると、「○○産駒」という単語を見かける機会があるのではないでしょうか。
「産駒」というのは仔馬の事を意味していて、例えば「キタサンブラック産駒」と書かれていたのであれば、その競走馬は「キタサンブラックを父馬に持つ仔馬」ということになります。
本記事では「サウスヴィグラス産駒」について、父馬であるサウスヴィグラスがどのような競走馬だったかを紹介しつつ、サウスヴィグラス産駒の特徴や代表的な競走馬についても解説していきます。
競馬の予想をするには血統が非常に重要!
血統とは競走馬の家系や親子関係を指しますが、血統は競馬予想において重要な要素の一つとなっています。
血統が重要な理由は、競走馬の遺伝的な特徴が、その家系に共通する傾向を持つためです。
例えば、父親が優秀な短距離馬であれば、その子供たちも短距離競走に向いた馬が多い傾向にあります。
また、競馬においては、過去の名馬や名牝と同じ血統の馬がデビュー前から注目を集めることが多いです。
これは、過去に名馬や名牝が優れた成績を残した産駒を輩出してきたという実績があるからで、新馬戦になると特に人気を集めることが多くなります。
さらに血統によって特定の馬場状態や距離に適した馬が存在する場合があります。
例えば、ある血統の馬が重い馬場や長距離に強いという傾向がある場合、そのような条件が揃った競走でその血統の馬が有利になることがあります。
血統情報は、競馬新聞や競馬情報サイトなどで誰でも無料で入手することができます。
初心者の方でも血統を確認することで、競走馬の特徴や適性を予測することができるので、競馬予想の参考にしてみてください。
サウスヴィグラスとはどんな競走馬だった?
(引用元:JRA Facebook)
サウスヴィグラスは最初からダート馬として1998年11月の3歳新馬戦でデビューして2着に入ると、続く3歳未勝利戦で初勝利を飾ります。
その後オープンクラスまでには上昇するものの、そこから上に上がることができないまま4歳を終えることとなります。
5歳になっても目立った活躍を見せることはありませんでしたが、6歳になってから突如本格化、初戦のガーネットステークスでは2着に敗れるものの、続く根岸ステークスで重賞初勝利、そしてフェブラリーステークスでも初の1,600mのレースながら6着と健闘、再び得意のスプリント戦に戻ると「黒船賞」「かきつばた記念」「北海道スプリントC」「クラスターカップ」と地方重賞4連勝で6歳を終えました。
7歳になってもその勢いを失うことはなく、「根岸ステークス」「北海道スプリントS」を連覇、続く「東京盃」は2着に敗れたものの、引退レースに選んだ「JBCスプリント」では翌年同レースを制するマイネルセレクトの猛追をハナ差でしのぎ切り、見事に初のG1級レースを制覇を達成するとともに、有終の美を飾りました。
サウスヴィグラス産駒の特徴
以上のように競走馬としても特に6歳以降驚異的な活躍を見せたサウスヴィグラスですが、それ以上にこの競走馬は種牡馬として偉大なる功績を残した競走馬です。
本項目では数多く存在するサウスヴィグラス産駒に共通してみられる特徴を解説します。
ダート適性が圧倒的に高い
サウスヴィグラス自身がダートでしか結果を出せなかった事を受けてか、サウスヴィグラス産駒はほとんどがダート向きの走りをする競走馬が多いです。
サウスヴィグラス産駒が芝コースに出走したとしてもほとんど活躍できないと考えておいた方が良いでしょう。
短距離向けの競走馬が多い
これもサウスヴィグラス自身の能力をそのまま受け継いでいると言っても良い特徴ですが、のちに紹介する代表馬の成績を見ても勝利している重賞は全て短距離レースです。
サウスヴィグラス産駒はスプリント専用機と思っておいた方が良さそうです。
地方競馬での成績が凄まじい
サウスヴィグラス産駒の特筆すべき点として、地方競馬における戦績が非常に優れているという点が挙げられます。
能力的に中央競馬では活躍できないが、地方競馬ではトップクラスの強さを持つような能力の馬が誕生しやすい傾向にあるからではないでしょうか。
サウスヴィグラス産駒の代表馬
サウスヴィグラス産駒は中央競馬ではそこまで成績を残せませんでしたが、地方競馬に行くと一変、各重賞を総なめにするような活躍を見せる競走馬をしばしば輩出しました。
本項目では特に突出した活躍を見せた代表産駒を4頭紹介します。
ナムラタイタン
(引用元:youtube)
ナムラタイタンはサウスヴィグラス2年目の産駒にして複数の地方重賞を制し、同産駒の代表馬の1頭となっています。
2009年5月10日に3歳未勝利戦でデビュー、単勝70倍の下位人気を覆して勝利、そこから無傷の5連勝を経て続く欅ステークスも勝利して6連勝、初重賞となるプロキオンステークスに出走しますが、ここは3着に敗れてしまいます。
この敗戦で調子を崩してしまったのか、その後1年間勝ちに恵まれなかったものの、5歳6月のオアシスステークスで久々に勝利すると、秋には武蔵野ステークスにも勝利、重賞初制覇を達成しました。
しかしそれ以降は入着はするものの勝ちに繋がるレースをすることができず、7歳の冬に地方競馬への移籍が決定します。
しかしここからがナムラタイタンの快進撃の始まりでした。
移籍2戦目から岩手の重賞を3連勝し、以降も赤松杯3連覇をはじめ、特に水沢競馬場では無類の強さを発揮、移籍後重賞クラスレースを12勝という偉業を成し遂げたのです。
ラブミーチャン
(引用元:youtube)
ラブミーチャンは元々「コパノハニー」という馬名で中央競馬の出走を目指していましたが、更に調整に時間をかけることが決まったため一走もすることなく登録を抹消、笠松競馬場にてデビューすることが決まり、その際にラブミーチャンという名前が決定しました。
笠松競馬場で2勝したのち京都競馬場のレースに出走すると、ここをレコードタイムで快勝、そして地方に戻ると兵庫ジュニアグランプリと全日本2歳優駿を連勝、一躍この世代のトップに躍り出ます。
この成績が評価され、2歳馬としては史上初めてNARの年度代表馬に選出されました。
3歳時は初戦を勝って6連勝とするものの、芝路線に向かうなど陣営の迷走に巻き込まれたこともあって思うような成績が残せませんでしたが4歳、5歳と地方重賞を制覇すると10月3日の東京盃を制して2年10か月ぶりにダートグレードレースを制覇します。
6歳時も地方重賞を優勝するとともに東京スプリント、クラスターカップにも勝利してダートグレードレース5勝、重賞レース勝利数を16に伸ばしました。
しかしその後調教中に骨折してしまい、そのまま引退することとなりました。
ラブミーチャンはサウスヴィグラス産駒で最も重賞レースを勝利している競走馬であり、同産駒の代表産駒となっています。
コーリンベリー
(引用元:youtube)
コーリンベリーは2013年8月、小倉競馬場の2歳新馬戦に出走しましたが11着に敗れます。
その後未勝利戦を勝ち上がるとその勢いのまま3連勝しますが、そこからは年末に1勝しただけで3歳を終えます。
4歳の時にかきつばた記念を制して重賞初制覇を果たし、その後JBCスプリントも制して地方G1初制覇を達成しました。
しかし5歳の時に東京スプリントを制してからは勝ち星に恵まれず、大井競馬に移籍しましたがそれでも勝つ事はできず、7歳で引退、現在は繁殖牝馬となっています。
ヒガシウィルウィン
ラブミーチャンと双璧を成すサウスヴィグラス産駒の代表馬がヒガシウィルウィンです。
紋別競馬場でデビュー、3戦目で初勝利を挙げると7戦目のサンライズカップで重賞初制覇を達成、3歳では重賞2連勝すると東京ダービーも制し、迎えたジャパンダートダービーでは前の馬をゴール前で捉えてクビ差で先着、地方G1レース初制覇を果たします。
この勝利が評価されて、NAR最優秀3歳馬という栄誉を獲得するものの、そこから6歳まで不遇の日々が続く事となりました。
6歳には重賞2勝を含む計3勝と復調の気配を見せましたが、その後は重賞レースを勝つ事なく引退、引退後は種牡馬入りする予定です。
母父としての産駒
(引用元:youtube)
母父としてもナリタミニスターをはじめ地方重賞を制するような産駒を輩出しています。
サウスヴィグラス産駒は種付頭数が多いため、これからも活躍する産駒が出てくる可能性は十分あります。
まとめ
サウスヴィグラスは5歳まではなかなか大きなレースで勝ちきれない日々が続いていましたが、6歳になると突如本格化、根岸ステークスを含むダート重賞5勝という成績を残します。
翌年もその勢いは衰えず、最後はJBCスプリントを制して優秀の美を飾り、引退する事となりました。
引退後は種牡馬となりますが、種牡馬となってから本馬の評価は飛躍的に上昇する事になります。
ラブミーチャン、ヒガシウィルウィンをはじめとして地方重賞を複数勝利する産駒を多数輩出し、地方競馬界を席巻する事となりました。
サウスヴィグラス産駒の特徴は、以下のような特徴を持っています。
・適正距離は短距離がほとんど
・地方競馬で圧倒的な強さを誇る
中央競馬での活躍はあまり期待できませんが、地方競馬でサウスヴィグラス産駒を見かけた時はチェックしておいた方が良いでしょう。