ハービンジャー産駒とは?特徴や代表的な競走馬を紹介!

ハービンジャー

競馬関係のサイトや競馬新聞を読んでいると、「○○産駒」という言葉を見かけることがあります。
この「産駒」とは、競走馬の子供のことを指し、例えば「オルフェーヴル産駒」とあれば、「オルフェーヴルを父に持つ子馬」という意味になります。

この記事では、「ハーピンジャー産駒」について、父馬であるサウスヴィグラスがどのような競走馬だったかを紹介し、ハーピンジャー産駒の特徴や代表的な競走馬についても解説します。

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競馬の予想をするには血統が非常に重要!

競馬の予想をするには血統が非常に重要!

競走馬の家系や親子関係を指す「血統」は、競馬予想において重要な要素の一つとなっています。
なぜなら、競走馬の遺伝的な特徴は、その家系に共通する傾向を持つからです。

例えば、父親が優れた短距離馬であれば、その子供たちも短距離競走に向いた馬が多い傾向があります。
また、過去の名馬や名牝と同じ血統の馬がデビュー前から注目を集めることが多いのも、過去にその血統から優れた成績を残した競走馬が多いからです。

さらに、血統によっては特定の馬場状態や距離に適した馬が存在する場合があります。
例えば、ある血統の馬が重い馬場や長距離に強いという傾向がある場合、そのような条件が揃った競走では、その血統の馬が有利になることがあります。

血統情報は、競馬新聞や競馬情報サイトなどで誰でも無料で入手できます。
初心者の方でも血統を確認することで、競走馬の特徴や適性を予測することができるため、競馬予想の参考にしてみてください。

ハービンジャーとはどんな競走馬だった?

ハービンジャー(引用元:JRA-VAN World)

ハービンジャーは3歳の4月にデビュー、デビュー戦を勝利で飾るものの、その後は最下位になるなど不甲斐ないレースで3歳を終えることになります。

しかし4歳で本格化したのか重賞を立て続けに3連勝、迎えた初のG1レースである「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」での2位に11馬身差という圧倒的な大差をつけて勝利、見事G1レース初勝利を達成しました。

しかし次のレースに向けての調整中に左前脚を骨折、ボルトで固定する手術が施されて手術は成功したものの、馬主サイドが競技した結果、引退することが発表され、ハービンジャーはわずか一年半という短い競走馬生活を終えることとなりました。

しかしキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでの走りは圧巻のパフォーマンスであり、このレースの結果ハービンジャーは歴代4位タイである「142ポンド」の暫定レーティングをつけられています。

ちなみにあのディープインパクトの最高レーティングが127なのと比較すると、このレーティングがいかに高いかがわかるのではないでしょうか。

ハービンジャー産駒の特徴

ハービンジャー産駒の特徴

本項目はハービンジャー産駒の特徴として3つの共通点を紹介します。
とはいえ、あくまでもハービンジャー産駒によく見られる共通点でしかないため、馬によってはこれらの共通点を一切持たないような産駒もいるため、競走馬の特徴については前走成績などをよく確認するようにしましょう。

下記特徴に加えてもう一つ、「あまりレース間隔を詰めると成績が悪くなりやすい」という特徴も覚えておくとよいでしょう。

距離はマイルから長距離まで幅広い適性

距離適性でいえば、短距離に関しては正直あまり成績が良くありません。
しかしマイル以上の距離になると、どの距離でも好成績を記録しているというのがハービンジャー産駒の特徴のひとつといえるでしょう。
特に2,000mには無類の強さを発揮するなど、この距離の重賞を勝利している競走馬が特に多いです。

ダートは中距離なら紐狙いで

芝とダートの競走成績を比較すると、圧倒的に芝レースの成績が良く、基本的にハービンジャー産駒は芝レースで購入すべき血統です。

あえてダートレースでハービンジャー産駒を狙うのであれば、得意の中距離で紐狙い、といった買い方になるでしょう。
とはいえ、これも正直穴狙いの買い方であり、安定して当てたいという人にはおすすめできません。

年齢を重ねても活躍が期待できる

競走馬の成長度合いは大きく分けると「早熟型」と「晩成型」があり、早熟型は2歳重賞やクラシックレースで活躍することが多く、逆に晩成型は古馬になってから本領発揮する傾向にあります。
ハービンジャー産駒に関してはどちらかというと、晩成よりの成長をすることが多いです。

クラシック路線などで活躍する競走馬も出てきますが、古馬になってからもしっかりと勝てるレースをする馬が多く、長く活躍が期待できる産駒が多いのが特徴といえるでしょう。

ハービンジャー産駒の代表馬

ハービンジャー産駒の代表馬

ハービンジャー産駒の中でも特に目立った活躍を見せた競走馬を4頭紹介します。
戦績を見てもらえばわかりますが、短距離レースで活躍した競走馬はほとんどおらず、マイル・中距離で優れた成績を残した競走馬が多くなっています。

また、牡馬と牝馬ともに活躍した競走馬がいるため、幅広い路線で活躍できるというのもハービンジャー産駒の特徴といえるのではないでしょうか。

ペルシアンナイト

ペルシアンナイト(引用元:JRA-VAN World)

ペルシアンナイトは2歳の時にデビュー戦とこやまき賞を勝利して2連勝で2歳を終えると、3歳でアーリントンカップを勝利してクラシック戦線に名乗りを上げます。
しかし皐月賞ではクビ差2着と惜敗、日本ダービーでは乗り替わりが影響してか7着に終わってしまいました。

その後菊花賞へは向かわずマイルG1であるマイルチャンピオンシップに出走、直線で末脚を爆発させて前を行くエアスピネルを捉えて交わし、見事G1レース初制覇を果たしました。

ところがそれ以降は精彩を欠いたのかまったく勝ち切ることができず、7歳まで競走馬生活をつづけましたが、2022年1月13日をもって引退、現在は東京競馬場で誘導馬として活躍しています。

モズカッチャン

モズカッチャン(引用元:JRA-VAN World)

モズカッチャンは牝馬でありながら「カッチャン」という名前が付けられていますが、これは馬主の知人男性の名前を町が手牝馬に着けてしまったためです。

新馬戦、未勝利戦を敗北するも3戦目で勝利、続くフローラステークスでは12番人気と期待されていませんでしたが、直線で末脚を爆発させて勝利、重賞初制覇を達成します。

オークス、秋華賞では健闘するも一歩届きませんでしたが、古馬との初対決となったエリザベス女王杯では6番手でレースを進めると直線で抜け出して勝利、見事G1レース初制覇を果たしました。
しかしその後は目立った活躍もできないまま屈腱炎を発症してしまい、引退を余儀なくされることとなりました。

ブラストワンピース

ブラストワンピース(引用元:JRA-VAN World)

ブラスとワンピースは当初ダートレースで新馬戦を戦う予定でしたが、芝レースでも問題なしと判断されて東京競馬場の芝レースでデビューすることとなります。

しかしこの時はまだ全然仕上がっておらず、陣営側も勝てるとは思っていなかったそうですが、ここを勝利します。
しかし疲れを残しやすい体質であるためか、2か月に1回という通常よりはかなりゆったりしたローテーションが以降採用されることとなりました。

年明けのレースは2位に4馬身差をつける圧勝、初重賞となる毎日杯も2馬身差で快勝し、重賞初制覇を達成します。
次のレースは「日本ダービー」を選択、しかしそれ以降旧劇に成長したのか馬体重が大きく押下、日本ダービー当日も+10キロの計量で重めの仕上がりとなってしまいます。

それでも2番人気に支持されましたが、唯一の不安であったスタートで出遅れてしまったのと、直線でうまく前に出せなかったといった不幸が重なり、5着に敗れました。

秋初戦は新潟記念をノーステッキの完勝、菊花賞では4着に敗れるものの、有馬記念への出場権を獲得、3度目のG1レース挑戦にしてついにG1レース勝利を手にしたのでした。

古馬初戦は大阪杯に出走、G1馬8党という豪華メンバ―での対決となりましたが、6着と大敗、続いて長距離レースの「目黒記念」に出走するも直線で失速しこちらも8着と大敗してしまいます。

その次の札幌記念では久々に勝利するものの、海外初挑戦の凱旋門賞は11着に大敗と、4歳の時はあまり活躍できませんでした。

5歳はアメリカジョッキークラブカップに出走、ここではしっかりとゴール前で差し切って勝利、幸先の良いスタートを切りましたが、大阪杯、宝塚記念ともに掲示板外の大敗、その後もあまり活躍できないまま最終的に右前足の故障の状態が思わしくなかったため、2022年1月19日に引退が発表されました。

引退後は種牡馬入りが模索されていたのですが、需要があまりないだろうという理由から、現在はノーザンホースパークで乗馬として第二の人生を送っています。
有馬記念を優勝した馬が種牡馬入りできなかったというのは前代未聞のことだそうです。

ノームコア

ノームコア(引用元:JRA-VAN World)

ノームコアとは「究極の普通」という意味であり、これはこの馬の落札価格が2,200万円とそれほど高くなく、競走馬としてもそこまで期待されていなかったことによるものです。

デビュー戦、2戦目とも積極的な先行策で快勝するも骨折が発覚したため2歳はこの2レースのみの出走となります。

3歳、トライアルレースに敗北してオークスへの出走権を獲得することはできませんでしたが、紫苑ステークスに勝利して初の重賞タイトルを獲得、4歳にはヴィクトリアマイルに出走して1分30秒5という当時の世界レコードをマークして優勝、究極の普通と名前を付けられた競走馬は見事マイルレースの頂点に立ったのです。

しかし、この激走が響いてか骨折が発覚、年末の富士ステークスまで休養を余儀なくされますが、この富士ステークスを勝利し、重賞レース連勝を果たしました。

5歳になると高松宮記念、ヴィクトリアマイル、安田記念に出走するも高松宮記念では距離が合わず、マイルG1ではアーモンドアイ、グランアレグリアといった史上最強クラスの牝馬に阻まれて勝利とはなりませんでした。

夏は初の中距離レースとなる「札幌記念」に出走、ここで勝利して中距離でも戦えることを証明します。
続いてエリザベス女王杯では大逃げという奇策に出るも失速して16着と大敗します。

そして香港カップを引退レースに選んで出走すると、これに勝利、G1レース2勝目を挙げるとともに有終の美を飾りました。
引退後は繁殖牝馬となっています。

母父としての産駒

メイケイエール(引用元:JRA-VAN World)

母父の産駒としては、これからの登場を待つことになるでしょうが、現時点で最も活躍した母父としての産駒といえば「メイケイエール」です。

メイケイエールはG1レースこそ勝てていないものの、「小倉2歳ステークス」、「ファンタジーステークス」、「チューリップ賞」、「シルクロードステークス」、「京王杯スプリングカップ」、「セントウルステークス」を勝利しています。

メイケイエールは何と言ってもその破天荒な性格とレースに出た時の圧倒的な強さから絶大な人気を獲得しており、もっともG1レース勝利を期待されている競走馬の1頭であることは間違いないでしょう。

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まとめ

ハービンジャーは3歳時にはほとんど目立った活躍を見せませんでしたが、4歳になると突如本格化、重賞レースを3連勝して迎えた初のG1レースである「キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス」では2位に11馬身差をつけるという信じられないような大差で圧勝、初のG2タイトルを手にします。

以降も現役トップの活躍を見せるであろうと期待されましたが、調教中に骨折が発覚、協議の結果引退することが決定、わずか1年半という短い競走馬生活を終えて種牡馬として第二の人生を歩むことになりました。

種牡馬としてはペルシアンナイト、ブラストワンピース、ノームコアといったG1レースを勝利する競走馬を次々と輩出、母父としてもメイケイエールが重賞レースを6勝するという活躍を見せており、これからの産駒にも非常に期待が持てます。
ハービンジャー産駒には、以下のような特徴があります。

ハービンジャー産駒の特徴
・マイルから長距離まで幅広い距離適性を持つ(特に2,000mが強い)
・圧倒的に芝コースが得意でダートで狙うなら中距離レースの紐狙い
・年齢を重ねても活躍できる競走馬が多い

また、間隔を詰めたレースは苦手であり、ある程度ゆったりとしたスケジュールで走ったほうが良い結果を残しやすいという特徴を持っていることも覚えておくとよいでしょう。

牝馬も牡馬もしっかりと活躍できているというのもハービンジャー産駒の適性の高さを物語る特徴のひとつといえるかもしれません。