競馬における斤量とは?負担重量の決め方や競走馬への影響を解説!

競馬における斤量とは?負担重量の決め方や競走馬への影響を解説!

競馬の「出走表」を見ていると、「斤量」という項目があります。
競馬では競走馬が騎手を背負ってレースに臨むこととなります。

騎手を背負う際に騎手の体重がバラバラだと当然レースに不公平さを生じることとなるので、基本的に斤量は公平なレースを実施するために設けられた制度ではありますが、斤量の決め方はレースによっては大きな違いがあります。

本記事では競馬の斤量について、斤量の決め方や斤量がレースに与える影響を詳しく解説していきます。

回収率が高い競馬予想サイト
11月24日(日)ジャパンカップ[G1]

11月17日東京10R「イクリプス」プランで8,100円 →1,099,440円の払い戻し!
今なら無料登録で11月24日(日)ジャパンカップ[G1]の買い目がみれる!

無料でジャパンカップの予想をみる

斤量とは?

斤量とは?

競馬における「斤量」とは、競走馬が背負う重さを表す言葉です。
競馬では競走馬の能力にバラツキがあり、圧倒的に強い馬と弱い馬では大きな差が生じます。

もちろんレースのグレードなどを設定すれば出走する競走馬をふるいにかけることができますが、レースグレードでふるいにかけるのには限界があります。

しかし競走馬が背負う重さを調整することで、さらに細かく競走馬間の能力差を近づけることができ、その結果競走の公正性を保つことが可能となっています。

競馬における斤量の重さは、騎手が騎乗することで決まります。
したがって、騎手は設定された斤量になるように自身の体重を管理しなければなりません。

とはいえ、騎手の体重や身長によってはその斤量に達することが難しい場合もあり、その際には重りをつけるなどして斤量が調整される場合もあります。

とはいえ、重りなど余計なものを装着すればレースに少なからず影響が出るでしょうから、騎手自身の体重で斤量を満たすのが最善であることは間違いありません。

ちなみに設定されている斤量から2キロオーバーしてしまっていると、その騎手は騎乗することが出来ず、強制的に乗り替わりとなります。
乗り替わりになれば当然騎手にとっては収入が減ってしまうことになるので、体重管理は騎手にとっては収入を得るための立派な「仕事」といえるでしょう。

斤量については前述した通り、「出走表」を見ればすぐに確認することができるので、レース前に必ず斤量を確認するようにしましょう。

負担重量はどうやって決められている?

負担重量はどうやって決められている?

競走馬の負担重量はどのように決められているのかというと、基本的には「出走するレースの種類」によって決められています。
競馬のレースにはさまざまな種類がありますが、斤量で分けると大きく以下の4つに分けられています。

斤量で分けた場合の競馬のレースの種類
・馬齢線
・定量戦
・別定戦
・ハンデ戦

それぞれのレースについて本項目では詳しく解説していきます。

馬齢戦

馬齢戦は、3歳末までの競走馬に該当します。
このレースは出走できる競走馬が限定されているのが特徴で、「2歳牝馬しか出走できない」レースだったり、「3歳牡馬しか出走できないレース」などが馬齢戦に該当します。

斤量は2歳9月までが牝馬牡馬ともに54キロですが、10月になると牡馬のみ1キロ上昇、3歳になると更に1キロ上昇し、3歳の10月以降になると牡馬は更に斤量が1キロ上がって57キロとなります。
牝馬は3歳10月以降に1キロ上がって55キロとなる以外はすべて54キロの斤量です。

定量戦

定量戦はその名の通り元々斤量が設定されています。
競走馬の能力に関係なく「5歳以上は57キロが基準」という基準をベースに、各馬の状況によって斤量が変化するレースであり、有名なレースだと「ニホンダービー」「有馬記念」などが定量戦に該当します。

牝馬はマイナス2キロと優遇されており、そのほか「馬齢」で上記基準斤量から斤量が増減されて最終的な斤量が決まります。
定量戦は基本的に重賞やオープン戦など、ある程度ハイレベルなレースに採用されることが多いです。

別定戦

別定戦とは、定量戦のように元々設定されている決まりに基づいて斤量が決まるのではなく、「レースごとに斤量を決める取り決めがなされているレース」を指します。

定量戦で斤量を決める基準となるのは「性別」と「馬鈴」のみですが、別定戦の場合はこれに加えて「獲得賞金」「勝利数」が斤量を決める際の基準となっているので、別定戦では獲得賞金が高く、勝利数が多い競走馬ほど重い斤量で出走する事になります。

最も斤量が重い競走馬の事を「トップハンデ」と呼ぶのですが、トップハンデの競走馬がG1レースで常に上位に入るような馬だと、最も重い斤量であってもあっさり勝ってしまったりします。

ハンデ戦

ハンデ戦の斤量の決め方は別定戦と同じなのですが、別定戦が規則に則って機械的に斤量を決めるのに対し、ハンデ戦は「ハンデキャップ委員」という斤量を決める専門の人がおり、人間が最終的な斤量を決定しています。

ハンデキャップ委員は「全馬がゴール前で横一線になる」事を最優先にして斤量を決めており、強い馬には別定戦以上に過酷な斤量を課している事が多いです。

したがってハンデ戦は競馬のレースの中で最も荒れやすいと言われており、穴狙いの人が真っ先に目をつけるレースとなっています。
特に「牝馬のG3ハンデ戦」は荒れるレースの最有力候補であり、実際に3連単百万円クラスの配当が常に出ており、予想は難解を極めます。

参考 競馬のハンデ戦とは?概要と馬券の買い方を徹底解説!

海外では日本では考えられないような斤量を背負うことも

テンポイント(引用元:JRA-VAN)

日本の競馬界では60キロを超えるような斤量になる事はほぼありません。
それはなぜかというと、かつて「流星の貴公子」という異名で絶大な人気を誇っていた「テンポイント」という競走馬が66.7キロという斤量を背負って出走した結果レース中に故障し、そのまま亡くなってしまったという悲しい過去があるからです。

しかし海外では現在も60キロ以上の斤量を背負って走る事は割と当たり前であり、つい先日も67キロという斤量を背負った競走馬が優勝した事が大きな話題となりました。

斤量差は競走馬にどのような影響を与える?

斤量差は競走馬にどのような影響を与える?

以上のように、競馬のレースにおいては様々な要素によって斤量が決められており、より公正なレースが実施されるようになっています。

では予想する側は斤量についてどのように考慮すれば良いのでしょうか。
本項目では斤量差が競走馬に与える影響について考えてみましょう。

1キロ=1馬身と言われているが?

競馬の予想をする上で斤量に関する格言めいたもので最も有名なのが「1キロは1馬身と同じくらいのハンデを背負うことになる」というものです。

確かに私たちも何も持っていない時よりは重りを背負っている時の方が走る時は大変なので、この格言は信憑性が高いような気がしますが、実際はどうなのでしょうか。

結論としては「斤量は確かにハンデにはなるものの1キロ2キロくらいの差はほとんど走りの差は出ない」といった回答になります。
競走馬は軽い馬でも430キロ近くはあるので、1キロくらい斤量が増えたくらいでは走りそのものに影響は出ないでしょう。

しかしながら前走よりも3キロ以上斤量が増えたとか、同じくらいの能力なのに3キロ以上差があるなどといった場合は斤量の影響は少なからず発生します。
斤量の影響として最も顕著なのはスタミナが保たないとかではなく、「トップスピードが落ちる」という点です。

したがって最終コーナーからの末脚を武器としている競走馬がトップハンデを背負う場合は注意が必要でしょう。

斤量が軽い馬ほどハンデ戦では勝ちやすい?

斤量が重くなると影響が少なからずある事は分かりましたが、では斤量が軽い馬はハンデ戦では勝ちやすいと思って良いのでしょうか。
この問いに関しては、「そうとは言い切れない」というのが結論になります。

ハンデ戦において斤量が軽い馬というのは、はっきり言えば「弱い馬」です。
弱い馬がハンデをもらって勝てるかどうかは結局、以下の3つが決め手となります。

弱い馬がハンデで勝てるかどうかの決め手
・強い馬との能力差
・弱い馬が持っている能力
・レース展開が弱い馬に有利な状況になる

そして斤量が軽い馬というのは案外人気を集めてしまう事が多く、レースによってはあまり旨味がない事も多いです。
斤量に惑わされず、出走表やデータなどをしっかり活用して軽い斤量の馬を買うかどうか決めるようにしましょう。

予想をする際は斤量だけではなく元々の馬体重も考慮して予想しよう

予想をする際は斤量だけではなく元々の馬体重も考慮して予想しよう

斤量を考慮して予想する際に忘れてはいけないのが、その競走馬の元々の馬体重です。
子供が2キロの荷物を持つのと大人が2キロの荷物を持つのでは負担具合が全然違うように、同じ斤量でも馬体重が軽ければ軽いほど、その負担は大きくなります。
馬体重が軽い競走馬がトップハンデとなっている場合は特に注意が必要でしょう。

2023年度より斤量制度は改定されている

2023年度より斤量制度は改定されている

斤量制度は2023年度より制度が改定されました。
具体的には最低体重や最高体重がそれぞれ1キロずつ増加しました。
この変更は「騎手の健康と福祉および将来にわたる騎手の優秀な人材確保の観点」からであると、JRAは発表しています。

つまり減量に苦しむ騎手を減らし、健康的な状態でレースに臨めるよう配慮するための変更という訳です。
常に厳しい体重制限が課せられている騎手にとっては、たった1キロの変更でもとても大きな意味があります。

斤量が増えると心配になるのはレース中の事故ですが、この程度の変更であれば特に競走馬にとっては大きな負担とはならないでしょう。

回収率が高い競馬予想サイト
11月24日(日)ジャパンカップ[G1]

11月17日東京10R「イクリプス」プランで8,100円 →1,099,440円の払い戻し!
今なら無料登録で11月24日(日)ジャパンカップ[G1]の買い目がみれる!

無料でジャパンカップの予想をみる

まとめ

競馬における斤量とは、基本的には競走馬が背負う騎手の重量を意味します。
重量差が大きいとレースに大きな影響が出るため、斤量については出来るだけ公平なレースが行われるような配慮がなされています。
斤量の制定別にレースを分けると、以下4つに分けられます。

競馬のレースの種類(斤量の制定別)
・馬齢戦
・定量戦
・別定戦
・ハンデ戦

このうちハンデ戦は全馬の能力が同じになるように斤量が設定されるため、荒れることが多いと言われています。

斤量が競走馬に与える影響ですが、1キロないし2キロの差はほぼ関係ありませんが、3キロ以上差があると、トップスピードの伸びが変わってくるので、それなりに影響が出てくる事が多いです。

2023年から改定が行われ、最低体重や最高体重などが従来よりも1キロ増加しました。
改定によるレースの影響は、この1年のレース結果を見てからの判断になるでしょう。