福島競馬場の特徴について徹底解説!
競馬の馬券を的中させるためには、レース展開をしっかり予想する必要があります。
レース展開を予想するためには、注目している競走馬や騎乗している騎手のことについてよく知っておく必要がありますが、実際にレースが行われる競馬場の特徴について知っておかなければ正確にレース展開を予想することは難しいでしょう。
競走馬の競技寿命は数年しかありませんし、騎手もさまざまな要因で乗り替わることがあるので、これらの知識はその都度新しくしていく必要があります。
しかし競馬場は大来小名改修工事がおこなわれない限りコースの形状が変わることがないため、一度覚えた特徴はずっと使い続けることが可能です。
本記事では福島競馬場の特徴について解説していきます。
コース全体の特徴
競馬場名 | 福島競馬場 |
住所 | 福島県福島市松浪町9-23 |
周回 | 右回り |
馬場 | 芝・ダート |
中央競馬の開催時期 | 4・7・11月 |
福島競馬場は中央競馬が開催される競馬場としては東北に唯一ある競馬場です。
直近の出来事としては1997年に大幅にリニューアルが施され、スタンドやコースが今の形状となりました。
その後2011年に東日本大震災が発生した際には、福島にある当競馬場も甚大な被害を受け、約1年半開催が中止されましたが、復旧工事や芝とダートを全面入れ替えたことにより2012年4月からレースが再開されています。
コース全体の特徴としては、中央競馬が開催される10の競馬場のうち1周が1,600mと、もっともコース全体の長さが短いという点があげられます。
そしてコーナーにも独自の特徴があり、第3コーナーは比較的緩やかなカーブなのですが、第4コーナーはかなりカーブがきつめになっている「スパイラルカーブ」を採用しています。
勾配は、スタートから第2コーナー付近までは緩やかな下り坂となっていて、第2コーナーを回ってから向こう正面あたりは逆に上り坂です。
とはいえ、高低差は最大1.7mとそこまで大きくはなく、この勾配がレース展開を大きく左右するものとはならないでしょう。
したがって全体的にみれば平坦なコースであるといえます。
ただし、夏競馬の馬券を購入する際は特に気候には注意が必要です。
福島競馬場の夏競馬は例年7月に開催されるのですが、この時期はちょうど梅雨時期となっており、雨の影響で馬場が重馬場になる可能性がとても高いです。
重馬場になると競走馬同士の有利不利が一変するので、予想は非常に難しくなります。
芝コースの特徴
福島競馬場の馬場は「オーバーシード」が採用されています。
オーバーシードとは、「野芝」の上に「洋芝」を植えている状態です。
「野芝」はクッション性があまりないため、踏み込んだ力を走力に変えやすいのですが、その一方で足に対しての負担が大きいというデメリットがあります。
いっぽう「洋芝」はクッション性が高いものの、そのせいで踏み込んだ足が深く沈みこんでしまい、走力に変えづらいといったデメリットが生じます。
オーバーシードはこの両者をミックスした特徴を持っていて、ある程度クッション性もあって走力も生み出せるといった、競走馬にとっては最適な馬場といえるでしょう。
福島競馬場だけではなく、中央競馬が開催される競馬場では一部の競馬場をのぞけばすべてこのオーバーシードが採用されています。
コース自体もそこまで大きな高低差がないことを考慮すると、ほかの競馬場で好走している馬は福島競馬場の芝コースでも問題なく走ってくれると見てよいでしょう。
ダートコースの特徴
ダートコースは芝コースの内側に設置されており、基本的にコースの起伏や形状そのものは芝コースとほぼ変わりありません。
福島競馬場のダートコース最大の特徴は競争距離で、ほかの競馬場では見られない「1,150m」を走るレースというのが存在します。
1,150mでは最初に100mほど芝コースを走り、そこからダートコースを走るというほかではあまり見られないスタート方式が採用されています。
直線の特徴
福島競馬場の直線距離は290mです。
平均よりはやや短いものの、極端に短いというわけでもありません。
差し馬や追い込み馬のなかに有力な馬がいるのであれば、十分に勝負をかけて勝利できるような距離となっています。
距離別の特徴
ここまで福島競馬場の全体的な特徴について解説しましたが、競馬では同じ競馬場のコースであっても、短距離であれば1,400mまでしか走らなかったり、長距離であれば最大3,600m走るなど、レースによって実際に使う場所がまったく異なります。
したがって、距離によってコースのどの部分を走るのかを知ることもレース全体の予想をするうえではとても重要です。
本項目では福島競馬場で開催される1,200m、1,800m、2,000mのレースについて、コースの特徴も踏まえながら、どのような馬が有利となるのかを解説します。
1,200mの特徴
福島競馬場の1,200mは、第2コーナーの奥からスタートし、そのまま第3コーナーと第4コーナーを回ってゴール板を駆け抜けることとなります。
スタートしてから最初のコーナーまでは410mと十分な距離があるため、先行する馬にとっては前争いをする時間が十分に確保できるため、枠順による有利不利は特にありません。
その後の第3コーナーと第4コーナーはスパイラルコーナーとなっているので、最終コーナーでは小回りすることが要求されます。
全体的に見れば圧倒的に逃げ馬や先行馬が有利となっているので、人気馬であったとしても差しや追い込み馬だった場合は安易に馬券を買うのは控えたほうがよいでしょう。
1,800mの特徴
福島競馬場はコース全体は1,600mしかないので、1,800mのレースであっても、コースを1周以上することになります。
このコースのスタートはゴール前直線の4コーナー寄りからとなり、そこからコースを1周して、ゴール前直線を走り切ってゴール板を通り抜けた先がゴールです。
スタートから最初のコーナーまでの距離は約300mと、さきほどの1,200mほどではないものの、それなりに距離があるので枠による有利不利はそれほど多くはありません。
とはいえ、1,200mよりは若干内枠が有利といえるでしょう。
勾配に関しては緩やかながらスタートから2コーナーあたりまで上り坂が続くため、ある程度パワーがなければ先行争いに勝ち残れないコースです。
脚質の有利不利でいえば、1,200mと同じく逃げや先行の馬が全体的に有利な傾向にあります。
若干の高低差はあるものの、全体的に見れば平坦なコースとなっている福島競馬場で差し厩追い込み馬が勝つためには相当強烈な末脚が必要となるでしょう。
この距離では「ラジオNIKKEI賞」と「福島牝馬ステークス」という重賞が開催されます。
2,000mの特徴
2,000mの場合は1,800mよりもさらに奥側、第4コーナーの奥に設けられているポケット側からスタートしてコースを1周し、ゴール板を駆け抜けた先がゴールになります。
福島2,000mの特徴はなんといってもスタートから最初のコーナーに入るまでの距離が500mもあるという点です。
これだけ距離があると先行や逃げ馬はどの位置からスタートしても好位置を狙えるため、スタート時の枠順による有利不利はほぼないと考えてよいでしょう。
ただし、コース全体が小回りなので内側を走る馬と外側を走る馬の走行距離に大きな差が生まれます。
この差は距離が伸びれば伸びるほど大きくなるので、内枠の馬がそのまま自分の位置をキープし続けることができれば大きく有利になることは間違いありません。
しかし先ほども書いた通り最初のコーナーまでの距離が長いので、先行馬はどの枠からスタートしても好位置を狙えるため、枠順に関係なく、スタートが上手い馬が有利になるといえるでしょう。
この距離では福島競馬場の目玉レースである「七夕記念」と「福島記念」が実施されます。
まとめ
福島競馬場は中央競馬が主有する競馬場のうち、東北地方に唯一ある競馬場です。
東北で発生した東日本大震災によって甚大な被害を受けましたが、必死の復旧工事により1年半後にレースを再開しました。
福島競馬場はコース全体の長さが1,600mと中央競馬場のコースではもっとも1周の長さが短いです。
また第3コーナーは緩やかではあるものの、第4コーナーになるとカーブがきつくなる「スパイラルカーブ」を採用している競馬場です。
コースの高低差はそれほど大きくなく、最終コーナーからゴールまでの直線は緩やかな下り坂となっているため、先行や逃げの戦法をとった馬がそのまま逃げ切りやすい競馬場となっています。
そのため、どの距離のレースでもよほど強力な差し馬や追い込み馬が存在しない限りは逃げ馬や先行馬を中心に馬券を購入しておいたほうがよいでしょう。