中山競馬場の特徴について徹底解説!

中山競馬場の特徴について徹底解説!

競馬の馬券にはいろいろな種類があり、的中する条件が異なります。

初心者向けといわれている単勝や複勝、ワイド等であれば運が良ければ勘で当てることもできますが、馬単や3連単など難易度が高い馬券になってくると、しっかりとレース展開を予想したうえで買い目を決めなければまず的中しません。

レース展開を予想するためには、競馬に関するさまざまな情報を入手する必要がありますが、レースが開催される競馬場の特徴を知っておくこともとても大切です。
本記事では中山競馬場の特徴について解説していきます。

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コース全体の特徴

競馬場名 中山競馬場
住所 千葉県船橋市古作一丁目1番1号
周回 右回り
馬場 芝・ダート
中央競馬の開催時期 1月・3月・4月・9月・12月

中山競馬場は皐月賞をはじめいくつかのG1レースが開催されるということもあり、競馬ファンにはなじみの深い競馬場のひとつです。

G1レースのみ馬券を購入するという競馬ファンもかなり多いですし、そういう意味では中山競馬場の特徴を知っておくことは、馬券を的中させる確率を上げるための必須知識と言えるかもしれません。
GIレースが開催される競馬場ということもあって、競馬場内の施設はとても充実しています。

平成30年に大規模リニューアルが施されているため、競馬場全体はとても綺麗になっていますし、チャイルドコーナーやベビーコーナー、さらには65歳以上の人にも入場できるシニアサロンがあるなど、老若男女問わず幅広い年代の人たちが快適に利用できるよう配慮されています。

そして中山競馬場の名物となっているのが高さ20mのヒマラヤスギです。
毎年クリスマスシーズンになると、この木はクリスマスツリー用に飾り付けが施され、施設全体もクリスマス用のイルミネーションが施されます。

コース全体の特徴に関してですが、中山競馬場のコースを語るうえで外せないのが激しい高低差です。
その高低差は一番高いところと低いところで実に5.3mとなっており、ほかの競馬場と比べると飛びぬけて大きくなっています。

特に中山競馬場を象徴するのが4コーナーを回ってからゴールまで続く急な上り坂で、この上り坂によってこれまで先行で走ってきた馬がスタミナを失って失速してしまうなど、最後まで目が離せないレース展開を演出してくれます。

騎乗する騎手たちもこの最後の上り坂については熟知しているため、自然と瞬発力勝負にはならず、ゴール手前まではスローペースで展開することが多くなります。

全体的に見ればやはり先行馬や逃げ馬が有利ではありますが、レース展開によっては後方から勝負を仕掛ける差し馬や追い込み馬にも十分チャンスがある競馬場といえるでしょう。

芝コースの特徴

芝コースの特徴
芝コースの特徴のひとつに「内回り」と「外回り」があるということが挙げられます。
どちらを通るかによってカーブの曲線が大きく異なるので、自分が購入するレースが内回りか外回りかについてはしっかりと把握しておきましょう。

特に内回りコースの場合は、1周の長さが約1,660mと、かなり小回りなコースとなっています。
これはローカル場のひとつである札幌競馬場の1周距離約1,640mと大差ないので、中山競馬場の内回りコースは、少し大きめのローカル競馬場のコースだと思っておいたほうがよいでしょう。

内回りコースと外回りコースの分岐点は第2コーナーあたりに設けられており、外回りコースではコーナーを回らずにそのまま直進して、その先のコーナーを回ることになります。

内回りコースも外回りコースも第2コーナーから第3コーナーにかけては緩やかな下り坂となっていて、そこから先第4コーナーまでは平坦な道が続き、第4コーナーからゴールまではさきほど紹介した急な上り坂という形状になっています。

芝コースで使用されているのは「オーバーシード」と呼ばれている種類の芝です。

オーバーシードは「野芝」と「洋芝」をミックスしており、野芝は衝撃吸収力が少なく、踏み込んだ力を走力に変えやすいのに対して、洋芝は衝撃吸収力が高いので、競走馬の足に負担がかからないというように、それぞれ異なるメリットがあります。

オーバーシードは両者のメリットを両方活かせる競技に適した芝となっており、中山競馬場だけではなく多くの競馬場で採用されています。

ダートコースの特徴

ダートコースの特徴
ダートコースも芝コースほどではありませんが、4.5mの高低差があります。コースは内回りコースのさらに内側に設けられているので、全体の長さとしては内回り芝コースと同じくローカル競馬場のダートコースとほぼ変わりないと考えてよいでしょう。

ダートコースはもともと芝コースよりも多くのパワーとスタミナを必要としますが、激しい高低差も加わるので、中山競馬場のダートコースではスタミナに自信がある馬でなければ勝ち切ることは難しいです。

直線の特徴

直線の特徴
中山競馬場の芝コースの直線距離は、第4コーナーを回り終えてからゴール板まで310mとなっており、G1レースが行われる競馬場のなかではもっとも短くなっています。

そのため後方から一気に追い抜くという戦法の馬は第3コーナーを回ったあたりから勝負をしかけることが多いです。

ゴール前直線よりもかなり手前で勝負を仕掛けるため、最終直線の手前ですでにかなりスタミナを消費するのですが、そこからさらに中山競馬場の名物となっている急な上り坂を全速力で登り切らなければならないという、走っている馬にとってはかなり厳しい展開が待ち受けています。

そのため、前に位置している馬が最後まで粘ってくれるかはゴール板を駆け抜けるまではわかりません。馬券を買ってレースを観戦している側にとっては、いつでもハラハラさせられるコースといえるでしょう。

距離別の特徴

競馬では大きく「短距離」「マイル」「中距離」「長距離」の4つに分けられており、それぞれどこを走るのかが変わります。

自分が馬券を購入しようとしているレースの距離を把握し、コースのどの部分を走ることになるかを知っておくこともレース展開を予想するうえではとても重要です。

本記事では中山競馬場で実施されるレースのうち、1,200m、1,800m、2,000m、2,500mについて、それぞれコースのどの部分を走るのかや、どういった特徴を持つ馬が有利になるのかを解説していきます。

また、各距離別の重賞レースの紹介に関しては、G3まで含めると数が多すぎるのでG1レースのみ紹介します。

1,200mの特徴

1,200mの特徴
中山競馬場の1,200mでは外回りのコースを使うことになります。
スタート位置は第2コーナーを曲がり終えたあたりに設けられ、そこからスタートして第3コーナー、第4コーナーを回ってゴール板を駆け抜けた先がゴールとなります。

コース全体を見ると、直線となるのは第4コーナーを回ってからゴール前の直線部分あたりのみで、そこまでは大きく緩やかなカーブを走ることになるというのが中山競馬場1,200m独自の特徴です。

緩やかにカーブをずっと回っていくこともあって、基本的に最終直線になるまでどの馬も内側を走行することが多くなります。

したがって、馬群の中央付近で内側に位置している馬は前にも出れず、横にも出れない状態が長く続いてしまいます。

そして中山競馬場は最終直線が短めで急な上り坂もあるため、なかなか前に出れないままゴールしてしまうという展開になりやすいです。

かといって無理に前に行こうとすると、その分スタミナを大きく消費し、最終直線の坂で失速することになるでしょう。

基本的に短距離レースは逃げ馬や先行馬が有利ですが、中山競馬場の場合は上手く外側に出た差し馬が第4コーナーあたりから前に進出し、そのままごぼう抜きをして1着になるという展開になりやすいため、有力な差し馬や追い込み馬が出走するのであれば、馬券を購入する価値は十分あります。

この距離のでは「スプリンターズステークス」が開催されます。
スプリンターズステークスは秋のG1シーズンに開催される短距離G1戦で、このレースに勝った馬は名実ともにその年のスプリント王といえるでしょう。

勝ち馬の名前を見ると、タイキシャトルやニシノフラワー、サクラバクシンオー、近年ではグランアレグリアといったそうそうたる顔ぶれが名を連ねています。

1,800mの特徴

1,800mの特徴
中山競馬場1,800mでは内回りのコースを使うことになります。
スタートはスタンド正面のちょうど真ん中あたりからとなり、そこからそのままコースを1周してゴール板を駆け抜ければゴールとなります。

中山1,800m最大の特徴がスタートから最初のカーブまでの直線距離で、およそ200mしかありません。
したがってスタートでうまく前に出た馬がそのまま馬群前方をキープする展開になりやすく、その後も大きく順位が入れ替わることもないでしょう。

逆に言えばスタートして前に出る能力がない馬や、外枠の馬は不利になりますし、スタート直後に前を走ることができた馬は、大きくスタミナを消費することもなく最後まで走ることができるので、この距離に限っては追い込み馬や差し馬にとってはかなり不利なレースを強いられることになります。

中山競馬場1,800mのレースは強い馬がそのまま勝ち切るといった展開になりやすいです。
この距離でのG1レースは実施されていませんが、G2以下も含めると「中山記念」など多くの重賞レースが実施されます。

2,000mの特徴

2,000mの特徴
2,000mは、1,800mのさらに後方、だいたい第4コーナーを回ったあたりからスタートします。
その後は1,800mとまったく同じで、内回りのコースを1周してゴール板を駆け抜けた先がゴールです。

文章だけを見ると1,800mとさほど変わらないように思えますが、実際は大きく異なる点がふたつあります。

ひとつはスタート地点が1,800mよりも200m後方に設けられているため、必然的に最初のコーナーまでの直線距離が長くなっているという点です。

1,800mでは200メートル余りしかないので、スタートで前に出た馬がそのまま前をキープしてしまう展開になりやすいのですが、2,000mの場合は400mになるので、激しい先行争いをすることはなく、馬群は縦長になって各自それなりの位置をキープしつつ最初のカーブに入ることになります。

そしてもうひとつ大きく異なる点が、「ゴール前の急な上り坂を2回走ることになる」という点です。
特に外枠からスタートすることになる先行馬は、坂を上りつつスピードを上げて前に付かなければいけないので、スタート直後にいきなりスタミナを消費することになります。

ここで無理をすると2回目の坂を上り切るだけのスタミナを維持できなくなるでしょう。
そして最後の直線距離がそれほど長くないため、最終コーナーを回ってからスパートをかけるような馬にとってはかなり不利なレース展開となります。

いっぽう第3コーナーを回ってから第4コーナーまでは平坦な道なので、どちらかといえばトップスピードはそれほどないものの、3コーナーを回ったあたりから徐々にスパートをかけてそのままゴールまでそれなりのスピードで走れる、スタミナがある馬のほうが勝ちやすいコースといえるでしょう。

この距離では「皐月賞」と「ホープフルステークス」が開催されます。
特に皐月賞はG1レースの中でも特に栄誉あるクラシック3戦の第1戦ということもあり、出走する馬はいずれもその年度を代表する有力馬たちばかりです。

2,500mの特徴

2,500mの特徴
中山競馬場2,500mでは外回りのコースが使われます。

スタート地点は第3コーナーの入口あたりに設けられ、そのまま第3コーナーを回って第4コーナーを回った後一度ゴール前を駆け抜けて今度は内回りコースを1周し、ゴール板を駆け抜ければゴールとなります。

内回りコースと外回りコースを両方使用するレースというのは中央競馬場の全レースのなかでもとても珍しく、両方の特徴を把握しておかなければレース展開を予想することは難しいでしょう。

レース展開をするうえで重要な点のひとつにスタート位置があります。
スタート位置はちょうどコーナーの途中に設けられているので、最初のコーナーに入るまでの直線はほぼ無いに等しいといえます。

さらにコースの設定上コーナーを6回も回ることになるので、外枠を走る馬にとっては大変不利な展開となる距離だといえるでしょう。

しかしそのことは騎手も熟知しているので、スタート直後から最初のコーナーに入るまでの間に熾烈な先頭争いが繰り広げられます。

ところがこの先行争いで無理をしすぎると、2,500mという長丁場なうえに急な坂や下り坂を駆け抜けることになるのでスタミナが持たないという結果にもなりかねません。
実際に騎乗している騎手にとっては、かなり勝負の仕掛けどころが難しいです。

そして、このコースで走る馬というのは最低でもダービーが終了してからの3歳馬からとなっているので、経験が浅い馬がこの距離を走ることはありません。
ある程度経験を積んだ馬ばかりが走ることになるので、必然的に実力は拮抗します。

脚質や人気にとらわれず、それまでの実績や直近の走りっぷりをじっくり研究して買い目を決めておいたほうがよいでしょう。

この距離のレースとしてはやはりその年度の総決算である「有馬記念」が真っ先に思い浮かぶでしょう。
有馬記念では多くの競馬ファンが馬券を購入するため、世界一馬券が売れるレースとして世界的にも有名です。

有馬記念は人気投票で上位の馬のみが出走できるということもあり、勝利した馬はシンボリルドルフやオグリキャップをはじめ、近年ではキタサンブラックやクロノジェネシスといった、その年度のみならず、後世にも語り継がれる名馬中の名馬たちばかりです。

また、その年度の総決算ということもあり、優秀な競走馬たちの引退レースとしても有馬記念は選ばれることが多く、引退レースではトウカイテイオーの364日ぶりの勝利やオグリキャップの復活劇といった数々のドラマが生まれています。

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まとめ

中山競馬場はG1レースである「ホープフルステークス」「皐月賞」「有馬記念」が開催されるということもあり、競馬ファンにはとてもなじみ深い競馬場のひとつです。

平成30年に施設が大幅リニューアルされているということもあり、施設内はとても綺麗ですし、小さいお子さんや高齢者にも配慮した施設が整っているなど、老若男女が楽しめる競馬場です。

競馬場全体の特徴としては、芝コースには内回りと外回りのコースがあることと、中央競馬場で最大の高低差があるという点は見逃せません。

特にゴール前の急な上り坂ではそこまででスタミナを維持できなかった馬が失速することも多く、最後まで目が離せないレースが続出します。

競馬の馬券を的中させるためには自分が購入する馬券のレースの距離を把握し、そのレースではコースのどの部分を走るのかをしることがとても重要ですが、中山競馬場は特に距離によって走るコースが内回りの時と外回りになったり、2,500mでは両方のコースを走るなど、距離によって走る場所が大きく異なります。

中山競馬場では、ほかの競馬場以上にどの部分を走るのかを知っておくことが大切であるといえるでしょう。

最後の急な坂があるので、決して逃げ馬や先行馬が絶対的に有利ということはなく、上手く外側に進出できた差し馬や追い込み馬がそのまま勝利するといったレースもよく見られる競馬場です。

レースを観戦する側にとっては最後まで目が離せない展開になりやすいので、実際に競馬場に行ってレース観戦をするのにもとてもオススメな競馬場のひとつです。