凱旋門賞の賞金はいくら?なぜ競馬界最高峰のレースと言われているのかもあわせて解説!

凱旋門賞の賞金はいくら?なぜ競馬界最高峰のレースと言われているのかもあわせて解説!

毎年秋になると、日本競馬界で必ずと言ってよいほど話題に上がるのが「凱旋門賞」に関するニュースです。
凱旋門賞は日本国内のレースではないというのは競馬ファンにとっては常識中の常識です。

にも関わらず、凱旋門賞だけはまるで国内のレースであるかのように、出走する競走馬の事前情報などが逐一報告されますし、レース当日には地上波でも時間を割いてレースの模様を中継します。

本記事では凱旋門賞について概要や歴史を解説し、なぜこのレースが世界最高峰のレースと呼ばれているかについても紐解いていきます。

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凱旋門賞とは?

2021年凱旋門賞(引用元:JRA公式ホームページ)

凱旋門賞について、基本的なデータを表にまとめました。

開催国・開催競馬場 フランス・パリ=ロンシャン競馬場
フランス創設 1920年10月3日
距離・格付け 芝2400m、G1
優勝賞金 400万ユーロ(2023年)
出走条件 サラブレッド3歳以上牡馬・牝馬
負担重量 3歳56.5kg、4歳以上59.5kg、牝馬1.5kg減

凱旋門賞はアメリカのケンタッキーダービー、イギリスのダービーステークスと並んでヨーロッパのみならず、世界中のホースマンが出走することを憧れる世界的に有名なレースのひとつです。

国際競馬統括機関連盟(IFHA)が公表する年間レースレーティング、「世界のトップ100G1レース」においても何度も首位になっていて、名実ともに世界最高峰のレースの一つと言えるでしょう。

注目しておきたいのが負担重量で、4歳牡馬の負担重量は59.5キロとなっています。
2023年時点でこの斤量を背負って走るレースはハンデ戦を除けば存在しません。

凱旋門賞の歴史

凱旋門賞の歴史

凱旋門賞の歴史を詳しく書くと、それだけで膨大な文章になるので、大きな出来事だけを取り上げて解説していきます。
フランスでは凱旋門賞が創設される前から3歳馬の国際的なクラシック競争としてパリ大賞が設立されており、高く評価されていました。

この成功を受けて4歳以上の古馬が出走できる世界的なレースを作ろうという話になり、創設されたのが凱旋門賞です。
しかし1920年に創設されてからの30年間は、フランス国外、特にイギリスから一流馬が参戦することはなく、当初の目的を果たしているとはいいがたい状況でした。

その間には第2次世界大戦があり、一時期フランスはドイツの占領下にありましたが、そんな中でも凱旋門賞は実施されています。
レース中にロンシャン競馬場が空爆を受け、観客7名が死亡するという事件も発生したため、この時期凱旋門賞は会場を移して開催されていたこともあります。

その後、キングジョージ6世ステークスなど競合レースが創設されたことによって凱旋門賞は苦難の時代を迎えますが、1949年に賞金を大幅に増額して「世界一の高額賞金のレース」となってからは一気に世界的に注目されるレースとなり、ヨーロッパのみならず世界中のトップホースが集結するレースとしての地位を確立、その成功を受けて各国で凱旋門賞のような国際レースが続々と創設されるようになりました。

それらのレースは高額な賞金を設定することで凱旋門賞の上位馬のみを呼ぼうとし、凱旋門賞以上の地位を確立させようと躍起になっています。
一方で凱旋門賞もそれに負けじとスポンサーと契約、賞金の積み増しをして世界最高賞金の座を奪還しようと目論んでいるというのが現状です。

コースの特徴

パリロンシャン競馬芝2400メートル(引用元:JRA公式ホームページ)

ロンシャン競馬場芝2,400mのコースの特徴を説明するうえで重要なポイントが2つあります。
ひとつはフォルスストレートと呼ばれる、最終コーナー手前に設けられた長い直線です。

コーナー後の長い直線というのは競馬のレースにおいてはゴール前と相場が決まっているのですが、ロンシャン競馬場芝2,400mでは第3コーナーを回ったのちにかなり長い直線がありますが、そこは真の直線ではなく、そこから緩いカーブがあって、そのカーブを曲がったところに本当の直線があるという非常に特殊なコース形状になっています。

とはいえ、フォルスストレートに関しては引っかかる騎手はいないので、そこまで重要ではありません。

フォルスストレートとは比べ物にならないくらいレースを予想する上で重要となるのがロンシャン競馬場の高低差です。
スタートからしばらくは平坦ですが、400mを過ぎたあたりから700mくらいまでの間に7m昇り、さらにそこから300mかけて3m上昇します。

つまり、1,000mの間に10mもの上り坂を上がっていかなければならないというわけです。
過酷な上り坂といえば、中山競馬場の坂が有名ですが、ロンシャン競馬場の坂は中山競馬場の坂と比べても約2倍くらいの高低差があります。

このかつて経験したことがない上り坂は、どちらかと言えばスピードや切れ味を重要視している日本の競走馬にとっては巨大な壁となって立ちふさがることでしょう。

そしてコース以外に重要なポイントとして芝の状態も日本の競馬場とロンシャン競馬場では正直別物と言ってよいほどの差があります。

日本の競馬場の芝はとても丁寧に整備されている、いわば人工の芝ですが、ロンシャン競馬場をはじめ、ヨーロッパ競馬の芝というのはほぼ整備は行わず、自然のままの状態でレースを実施します。

したがって、場所によって芝の成長の仕方が全然違うため、走りやすいところとそうでないところの差は日本の芝とは比べ物にならないほど大きいです。

そして水はけも非常に悪く、雨が降ると水たまりができやすいですし、実は凱旋門賞が行われる次期というのは雨が降ることが多いので、レースは重馬場など悪いコンディションのなかで実施されることが多くなります。

ただでさえ走るのにパワーを要するロンシャン競馬場の芝に加えて雨が降って馬場が悪くなると更にスタミナやパワーを必要とするレースになります。
そんな条件で最初のほうに紹介した高低差10mの坂が待ち構えているというわけです。

凱旋門賞は距離としては中距離ですが、日本国内の競馬で2400mを走れる程度のスタミナを持っている馬が出走してもほぼ間違いなく途中でバテるでしょう。

少なくとも有馬記念くらいはある程度余力を残して走るくらいのスタミナを持っている競走馬でなければ善戦することは難しいです。

凱旋門賞が世界最高峰と言われている理由

2022年凱旋門賞(引用元:JRA-VAN ver.World)

ここまで凱旋門賞の概要や歴史について解説しましたが、最後まで読み終えても何故凱旋門賞が世界最高峰のレースと呼ばれているのか分からないという人も多いでしょう。

凱旋門賞が世界最高峰のレースと言われている理由には、大きく「歴史」「賞金」「開催時期」と3つの理由が挙げられます。
それぞれの理由について、細かく解説していくことにしましょう。

歴史あるレースだから

まず凱旋門賞は創設以来長い歴史を刻んできた由緒あるレースである、というのが世界最高峰のレースと言われる1番目の理由です。
凱旋門賞が創設されたのは凱旋門賞の歴史の中でも触れた通り1920年ですが、現在は2023年なので、軽く100年以上の歴史を持つレースとなっています。

日本競馬最高峰のレースのひとつである、日本ダービーも長い歴史を持ってはいますが、創設は1932年と凱旋門賞と比べると10年以上も歴史が短いです。

日本ダービーが3歳馬における日本最高峰のレースとなっているのはやはり歴史が長く、格式が高いからであり、凱旋門賞も同じような理由で100年以上の長い歴史があるからこそ格式が高く、最高峰のレースのひとつであると言われているのです。

キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスも格式が高いレースとは言われていますが、前身となるキングジョージ6世ステークス、クイーンエリザベスステークス共に設立が1940年代後半なので、歴史という面をみれば凱旋門賞のほうがずっと長いです。

凱旋門賞の賞金

世界最高峰のレースであるという条件のひとつにはやはり優勝賞金の高さを外すことができません。
日本競馬界においてもっとも賞金が高いレースはジャパンカップと有馬記念で2023年時点における賞金は5億円です。

両レースとも世界的にも有名なレースであり、日本競馬界のレースのなかでも格式が高いことは間違いないでしょう。
凱旋門賞の賞金ですが、2022年までは285万7,000ユーロで、当時の日本円だと約4億円となっていました。

しかし2022年末、この金額が400万ユーロへと大幅に増加されることが発表されました。
2022年時点と同じレートで計算すると約5億6,000万円となり、有馬記念を抜いて世界最高クラスの賞金となります。

賞金だけで言えば凱旋門賞よりも高額のレースがあって、ドバイワールドカップの優勝賞金は約9億円です。
これだけ見るとドバイワールドカップのほうが世界最高峰のレースのように思えますが、ドバイワールドカップの創設は1995年と、凱旋門賞と比べるとずっと歴史は浅いです。

ちなみにドバイワールドカップは2011年にヴィクトワールピサが日本調教馬としては初めて優勝、2023年にはウシュバテソーロが完全にダート仕様となってからは初めて優勝と、既に日本の競走馬は優勝を経験しています。

スターホースが集まりやすい開催時期

そして、凱旋門賞が世界最高峰のレースであるといわれる3つ目にして最大の理由が、各国のスターホースが集まりやすい理由であるという点です。
凱旋門賞が実施されるのは10月初旬で、日本の競馬でいえばちょうど秋のG1シーズンが開幕する次期ではあります。

秋のG1レースのスケジュールを見ると、凱旋門賞に出走する中距離クラスのレースとしては、10月終盤に天皇賞秋があり、凱旋門賞に行くならばこのレースには出走できないでしょう。

牝馬の中距離G1レース、エリザベス女王杯も流石にスケジュールが詰まりすぎなので出走は難しいです。
しかし次のジャパンカップは11月終盤なので少々強行軍ではありますが、出走できないこともないですし、有馬記念は12月終盤なので問題なく出走できるスケジュールとなっています。

このように、日本競馬のレーススケジュールを見ても、凱旋門賞は参戦しやすい開催時期であり、その時点で最強と呼ばれる馬たちも気兼ねなく参戦できるのです。

凱旋門賞と同じく世界のチャンピオンホースを決めるレースの一つにイギリスのチャンピオンステークスがありますが、こちらは11月初旬であり、日本競馬のスケジュールで見ていくと、天皇賞秋の後に出るには早すぎますし、このレースに出てからジャパンカップや有馬記念に出るには間隔が短すぎるという理由で、日本競走馬が出走したのはただ1回のみです。

以上のように、凱旋門賞は歴史、賞金、開催スケジュールと3つの要素をすべて満たしているただひとつのレースであるからこそ、世界最高峰のレースであると言われています。

凱旋門賞を制した名馬達を紹介!

凱旋門賞を制した名馬達を紹介!

凱旋門賞を制した競走馬は紛れもなくその年の世界最強候補の1頭に数えられる馬です。
ここでは凱旋門賞を制覇した競走馬のうち、特に日本の競馬ファンにも知られている5頭を紹介しましょう。

モンジュー

モンジューは「ウマ娘プリティーダービー」のアニメにも登場したため、近年競馬ファンになった人にとても良く知られている凱旋門賞制覇馬であり、日本競馬界の悲願を阻んだ競走馬でもあります。

1999年の凱旋門賞にモンジューは出走、この年は日本からエルコンドルパサーも出走していて、前評判でもこの2頭の一騎打ちになるだろうというのが大方の予想でした。

レース本番でもその通りになり、両者は壮絶なレースを繰り広げますが、モンジューがわずかに先行して優勝、エルコンドルパサーはあと一歩届きませんでした。

その後モンジューはジャパンカップに出走、外国馬ながら1番人気となりますが、ここでは日本総大将と呼ばれたスペシャルウィークが優勝、モンジューは4着に敗れてしまいました。
しかし4歳になっても数々のg1レースを勝利、最終的にはG1レース6勝という大記録を打ち立てています。

トレヴ

トレヴは2013年14年と凱旋門賞を連覇した牝馬です。
連覇そのものも36年ぶり、牝馬に限定するとなんと77年ぶりの快挙でした。
2013年にはあのオルフェーヴルに5馬身差をつけて圧勝、日本の競馬ファンの度肝を抜きます。

しかし2014年はなかなか勝ちきれないレースが続く中での凱旋門賞挑戦であり、凱旋門賞優勝によってトレヴは復活、2015年にはG2を1勝、G1を2勝と完全復活を遂げます。
史上初の3連覇をかけて三度凱旋門賞に挑戦するもここでは勝ちきれず、そのまま引退しました。

ゴールデンホーン

ゴールデンホーンは2015年の凱旋門賞優勝馬で、この時はまだ3歳でした。
そして驚くべきことに、ゴールデンホーンは凱旋門賞を含めて3歳時にG1レースを4勝しています。

3歳初戦のリステッドレースに勝利、続くG2ダンテステークスも圧勝、満を持してダービーに参戦します。
ダービーでも他を寄せ付けない強さを見せ、2着に3馬身半、3着には8馬身もの圧倒的な差をつけてダービーを勝利しました。

その後エクリプスステークスを優勝、しかし続いて出走したインターナショナルステークスでは初の敗北を喫してしまいます。

その後アイリッシュチャンピオンステークスに出走、しかしゴール手前で大きく寄れてしまい、接触事故を起こしてしまったため審議となりますが、結局そのまま着順の変更はおこなわれず勝利、これでG1レース3勝目となりました。

この時点でリステッド競走とG2レース含めて年内6レースに出走しており、かなりのハイペースでの出走だったのですが、登録料12万ユーロを支払って凱旋門賞に出走します。

恐らく疲れも完全には取れていない中での出走だったと思われますが、結局2着に2馬身差をつけて優勝、見事凱旋門賞のタイトルを手にするとともにG1レース年間4勝という記録を樹立しました。

その後ブリーダーズカップ・ターフに出走しますが、ここでは2着に半馬身差で敗れます。
そしてゴールデンホーンは4歳で使われることなく、このレースを持って引退となりました。

エネイプル

ゴールデンホーンのG1レース4勝も十分凄いのですが、ここで紹介するエネイブルはなんと3歳児に凱旋門賞を含めてG1レースを5勝という前人未到の大記録を打ち立てます。

まずはオークスを制覇、続いてアイリッシュオークスも制し、これでG1レース2勝、キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスでは2着に4馬身以上差をつけて圧勝し、この時点でG1レース3勝としました。

これだけでも名馬と呼ぶにふさわしい活躍なのですが、エネイブルの快進撃はまだ止まりません。
凱旋門賞の前にヨークシャーオークスに出走すると5馬身以上の差をつけて勝利し、満を持して凱旋門賞に向かいます。

凱旋門賞でも当然のように1番人気に推されるとその人気に応えて全く危なげなく勝利、史上初めてキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスと凱旋門賞を同一年度で制覇した競走馬となり、名実ともに現役最強の座を手にしました。

4歳時もG1を3勝、そして5歳の時に出走したキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスで、当時世界ランク1位にあったクリスタルオーシャンと直接対決、このレースは残り500mからゴールまで2頭のマッチレースとなり、数多くのメディアが絶賛するレースとなっています。
最終的にG1レース11勝という、歴史的名馬と呼ぶに差し支えない記録を樹立しました。

アルピニスタ

2022年の凱旋門賞優勝馬がアルピニスタです。
2歳時はデビュー戦に勝利して以降1勝もできないまま終えることとなります。

更に3歳になってからも初戦を4着、続く第2千、第3戦を2着と惜しい走りをするものの、凱旋門賞を勝利するような能力を持っているうまだとはとても思えないような成績でした。
しかし4歳になってから一気に才能を開花させます。

G2レースであるランカシャーオークスに勝利して重賞は右成はを達成すると、ベルリン賞・オイロパ賞・バイエルン大賞と立て続けにG1レースを勝利して一躍トップホースの仲間入りを果たします。

5歳になってからもその勢いは衰えず、サンクルー大賞、ヨークシャーオークスと連勝し、これでG1レース5連勝となり、迎えた10月2日、いよいよ凱旋門賞へ出馬となりました。

この年は日本からタイトルホルダーが出走していましたが、1番人気はアルピニスタでした。
タイトルホルダーは先行逃げ切りを図るも途中でスタミナが切れたのか失速、アルピニスタはそれを難なく交わして前を行くヴァデニを猛追、ゴール手前で追い抜くとそのまま2分の1馬身差をつけて完勝、見事に凱旋門賞馬になるとともにG1レース6連勝を達成しました。

そして、引退レースとして当初はジャパンカップへの参戦が陣営からアナウンスされており、凱旋門賞の雪辱を晴らす絶好の機会だと日本競馬界は大いに盛り上がっていたのですが、直前でケガが発覚し、レース前の11月10日に引退が発表されたため実現とはなりませんでした。

日本の競走馬は未だ凱旋門賞では勝てず…

オルフェーヴル(引用元:JRA-VAN World)

日本国内においても、凱旋門賞は世界最高峰のレースであるという認識は全く変わっていません。
最高峰のレースで勝つには最強の馬を出走させなければならないということもあり、数々の有力馬が凱旋門賞に出走していますが、いまだに先頭でゴールを駆け抜けた馬はいません。

初挑戦は今から50年以上前

凱旋門賞に日本の競走馬が初めて挑戦したのは1969年の事で、挑戦したのは当時最強候補の1等であったスピードシンボリでした。

日本国内では圧倒的な強さを誇っていたスピードシンボリだったため、多くのファンが期待を寄せていましたが、当時の海外の壁は厚く、まったく歯が立ちませんでした。

それ以降毎年のように挑戦を続けるものの、馬券圏内入着できるような好走を見せる馬は全く出てこず、凱旋門賞制覇は夢のまた夢といった状況でした。

善戦した競走馬たち

しかし、1頭の馬がその均衡を破ります。
1999年の凱旋門賞、当時日本代表として出走したエルコンドルパサーはその時点で世界最強との声が高いモンジューと壮絶な叩き合いを繰り広げます。

惜しくも半馬身届かなかったものの、その走りは多くの競馬ファンに勇気を与えました。
その後、2006年には文字通り国内では敵なしだったディープインパクト我慢を辞して凱旋門賞に挑戦、しかし薬物違反で失格という後味の悪い結果となってしまい、本来の実力を発揮できないまま挑戦を終えることとなってしまいます。

4年後の2010年はナカヤマフェスタが参戦,正直これまで挑戦してきた競走馬たちと比べると実績では見劣りしており、あまり期待されていなかったのですが、なんと1着とアタマ差の2着に好走、この走りは多くの競馬ファンを驚かせました。

そして2012年に挑戦したのがオルフェーヴルです。
ディープインパクト以来の3冠馬ということもあって期待されたオルフェーヴルは期待に違わぬ走りを見せます。

多くのファンはこの時のオルフェーヴルが最後まで真面目に走っていたら勝っていたというほどの走りを見せ、ゴール手前まで先頭を走っていたのですが、突如速度を落としてしまい、猛追するソレミアに買わされて2着に敗れてしまいました。

翌年もオルフェーヴルは参戦し、再び2着となるのですが、この時は1着のトレヴに完敗しています。
それ以降は馬券圏内に入る走りを見せた競走馬は出てきていません。
2022年にはタイトルホルダーとディープボンドが参戦しましたが、全く実力を出せずに完敗しています。

凱旋門賞制覇は日本競馬界悲願のひとつ

凱旋門賞制覇は日本競馬界悲願のひとつ

凱旋門賞制覇は現在でも日本競馬界の悲願のひとつとなっています。
ここ数年で日本競馬は驚異的な成長を遂げ、多くの競走馬が世界的なレースを制してきましたが、凱旋門賞は未だに日本の競走馬たちに大きな壁となって立ちはだかっています。

  • ・このレースを制覇することが、世界の競馬人の夢
  • ・ヨーロッパ競馬の代名詞といえるフランスの凱旋門賞。毎年10月の第一日曜日に行われるこのレースに勝つことは、世界のホースマンの目標。
  • ・ダートなら本場の米国にケンタッキーダービーや、BCクラシックなど世界中の注目するG1はあるけど、芝なら凱旋門賞が頂点のレース

日本競馬界に関わる多くの著名人や有名誌が凱旋門賞を芝レースと評価し、勝利することを最大の目標としていることは間違いありません。

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近年は世界最高峰の地位が危ぶまれているという話も…

近年は世界最高峰の地位が危ぶまれているという話も…

実は近年、凱旋門賞の地位が危ぶまれていると言われていて、このままいくと世界最高峰のレースではなくなってしまうのではと言われています。
日本競馬界が特に顕著なのですが、近年はレースのスピード化が進んでおり、さらに種牡馬としての価値が中距離クラスのレースで勝てる競走馬に重点を置かれるようになりました。

凱旋門賞の距離は2,400mと現在の競走馬に求められる条件を考慮すれば少し長めですし、何よりコースが過酷なのでスピードよりも絶対的なパワーとスタミナを求められます。

つまり凱旋門賞を勝つために求められる条件と、現在種牡馬として重宝される能力とでは大きな剥離が生じているというわけです。
その証拠に近年は凱旋門賞ではなく、イギリスのチャンピオンステークス(距離2,000m)を選択する競走馬が増えてきているそうです。

日本の競走馬も凱旋門賞ではなく、年末の香港カップや国内のジャパンカップなど、スピード勝負で勝利できるレースに照準を合わせているトップホースが増えてきていることは間違いありません。

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まとめ

凱旋門賞はフランスはパリにある、ロンシャン競馬場にて毎年10月初めに開催されるG1レースです。
100年以上の歴史、2023年時点で約5億6,000万円という優勝賞金、そして世界中のスターホースが集結しやすい開催時期という3つの要素を奇跡的に満たしているレースということもあって、凱旋門賞は長らく芝レースにおける世界最高峰のレースと位置づけられています。

コースの特徴としてはフォルスストレートと呼ばれる偽りの直線が存在しますが、この直線に惑わされる騎手は居ません。
それよりも凱旋門賞最大の難関が高低差10mの坂と、日本の芝コースとは全く性質の異なるロンシャン競馬場の芝です。

高低差10mは中山競馬場のおよそ倍であり、スタミナとパワーを大幅に奪っていきますし、ロンシャン競馬場の芝はまったく整備されていない、自然のままの芝なので走る際にパワーやスタミナが必要なうえに水はけも非常に悪く、雨が降ると水たまりができます。

それに輪をかけて凱旋門賞当日は天候が悪いことが多く、日本の競走馬にとっては余りにも過酷な条件のなかのレースを強いられます。
凱旋門種は長らく日本競馬界の悲願となっていますが、最高位は2位であり、このレースを制した競走馬は未だ出てきていません。

特に近年の日本競馬界はスピード化が顕著であり、パワーやスタミナはあまり重要視されなくなりました。
今後この傾向が進んでいけば、日本の競走馬に求められる能力と、凱旋門賞を勝つために求められる能力の剥離はどんどん進んでいくことでしょう。

実は世界的にも競馬のスピード化が進行しており、凱旋門賞ではなくイギリスのチャンピオンステークスを選択する馬も増えてきているのが現状です。
そのため、以前よりも凱旋門賞の地位は下がってきていることは否めません。