馬体重がレースに与える影響とは?馬の状態を確認するポイント5選
競馬の予想ファクター、つまり予想の根拠となる要因はたくさん存在します。
例えば、血統であったりタイムであったり、枠順などもあり、挙げればキリがありません。
そんな予想ファクターの一つに競走馬の馬体重から予想を行う方法があります。
なぜ馬体重が予想に影響するのか気になる人もいるでしょう。
ここでは、競走馬の馬体重が競馬にどのような影響を及ぼすのか、紹介します。
競走馬の馬体重とは?
簡単に言うと、馬の体重のことです。
競走馬の体重がどうして予想に反映されるかというと、馬の状態を確認できるからです。
人間で平均的な体重よりも軽い人は何らかの理由で食が細くなっていて、精神的ななにかを抱えているかもしれません。
このように、体重の増減を見ることで、馬が万全な状態を保っているかが分かります。
競走馬の平均馬体重は約500キロ
ちなみに競走馬の平均的な馬体重は500キロといわれています。
しかし、人間でも小さい人から大きな人がいるように、全ての競走馬が500キロの馬体重というわけではありません。
一般的に現役で活躍している馬は小柄な馬で馬体重が450キロほど、大柄な馬で馬体重は550キロです。
だれもが耳にしたことがあるであろう、名馬のディープインパクトは比較的小柄な馬で、現役時代の馬体重は440キロほどでした。
キタサンブラックは逆に大柄な馬で、引退レースとなった有馬記念の馬体重は540キロでした。
ちなみに、大きな馬で有名な馬はショーグンという馬です。
出遅れ癖があったため、レースではなかなか勝つことができませんでしたが、それでも条件戦で何度か勝利を手にしています。
小柄で有名な馬はいまも現役で活躍している牝馬のメロディーレーンです。
馬体重350キロながらもスタミナのある馬で長距離で結果を残しています。
馬体の大きな馬のほうがレースで有利
一般的には、小柄な馬と大柄な馬、どちらがレースで有利かというと、馬体の大きな馬の方が有利と言われています。
馬体の大きな馬が有利なのは、大きな馬は走るために必要な筋肉量が多いのでスピードを発揮しやすいからです。
また、一歩のストライドも大きいので、小柄な馬よりも多く走らなくて済み、走るために必要なスタミナをキープすることができます。
馬体重から馬の状態を確認する方法
馬体重の変化を通してどのように馬の状態を確認するか、抑えておきたいポイントを紹介します。
前走より大きく馬体重が増加している場合
前走よりも馬体重を大きく増加している場合は、調教で身体を絞れなかった可能性があります。
基本的に好走馬は500キロ近くあるので排泄を行うだけで1キロから2キロほど体重を落とします。
その程度であればそこまで支障はありませんが、前走よりも10キロ以上も馬体を増やしていたら太め残りの影響があります。
人間でも体格のいい人よりも細身で筋肉質の人のほうがレースで結果を残すので、大きく馬体を増減しているのはマイナス評価です。
休み明けで太った
前走よりも間隔を空けた馬がレースに挑むことはよくありますが、見るからに腹が出ている場合は休み明けで肥えてしまった可能性があります。
人間でも一切の運動をやめ、一日中家でお菓子をつまみながら生活していると太る傾向にありますが、馬にも言えることです。
パドックで太く感じ、また、実際に馬体重も前走より大きく増加しているようであれば、休み明け初戦のレースでの好走は厳しいと判断できます。
冬の時期で絞りきなかった可能性
冬の時期は寒さをしのぐために脂肪を蓄えるので、太りやすくなります。
もちろん、レース前は調教を行いますが、馬体を絞り切れずに時計も出ていないようであれば本命にはしづらいです。
若い馬の場合は成長しているケースもある
馬体重の大幅な増加は肥満の傾向が強いので、基本的にはマイナス評価してもいいですが、2歳馬や3歳馬などの成長まっ最中の馬に限れば話は別です。
大きく馬体を増加しながらも、余分な脂肪がなく、むしろ筋肉量が増えているようであれば、その馬は前走よりも身体が作られていると判断できます。
レースで大化けする可能性もありますし、若駒の大幅な馬体増加は一概にマイナス評価を打たない方がいいです。
前走よりも馬体重が減少している場合
馬体は増加するだけではなく減少することもあります。
馬体の減少が競馬予想にどのような影響を及ぼすのか紹介します。
使い込まれて体重が減っている
レース間隔を詰めて、何度もレースを行っていると競走馬は馬体を落としやすくなります。
間隔を詰めてレースを行うということは、それだけ毎週トレーニングを行っているといってもいいでしょう。
身体を休めて体重を増やす暇がないので自然と馬体重を下げてしまいます。
前走の疲れが残っている可能性もありますし、万全の体制で競馬するのは難しいでしょう。
体調が優れていない
競走馬は生き物なので、体調を崩すこともあります。
体調を落とすと、食欲も落としやすくなるので、結果的に体重を減らします。
体調不良でレースに挑んでも勝つことは至難なので、予想する際は極力警戒したいです。
輸送のストレスで体重を落とした
競走馬は関東の美浦、もしくは関西の栗東に所属しますが、関東馬が関西競馬場に、または、関西馬が関東競馬場に挑む際はどうしても長距離輸送を行わざるを得ません。
長距離輸送とは、馬運車で高速道路を使って競馬場まで輸送する手段です。
この長距離輸送は馬にとって大きなストレスに繋がり、馬体重を大きく落としやすいです。
調教師はそのことを重々把握しているので、あえて前走よりも体重を増加した状態で馬運車に乗せます。
しかしながら、どうしても長距離輸送が苦手な馬も存在します。
長距離輸送した馬がレース当日に大きく馬体重を減らしていたら、輸送疲れが残っていると判断してもいいでしょう。
夏バテで食が細くなっている
人間でも夏の時期は食が細くなりがちですが、これは競走馬にも当てはまります。
普段は大食いの馬でも夏の暑さで食事がままならなければ自然と馬体重を落とします。
もちろん、夏バテで疲れが残っているのでレースでもベストを尽くすのは難しいです。
調教で身体が絞られている
馬体重減少が評価できるのは、調教を繰り返して細身ながらも筋肉質になるケースです。
前走よりも大きく馬体を減らしながらも、調教で好時計を連発していたり、パドックでも体躯のしっかりした仕上がった馬は余分な脂肪をそぎ落とした結果といえるでしょう。
このケースの場合はレースでも好走に期待できるので、高く評価したいです。
馬体重を見る際のポイント5選
最後に、馬体重を見る上で抑えるべきポイントを5つ紹介します。
前走よりも±5キロ以下の範囲内ならそこまで影響はない
競走馬は500キロもあるので、前走よりも±5キロ程度であれば、そこまで気にしなくてもいいです。
馬体重が前走よりも10キロ以上増減していたら警戒したい
前走よりも馬体重が10キロ以上増減している場合は、なんらかの理由で増減したと捉えることができます。
多くは調教ミスを指摘したくなりますが、その競走馬の過去の戦歴を見て、もっとも活躍していたころの馬体重に近づけたのであれば、むしろ好走する可能性もあります。
近走のローテーションと馬体重を見比べる
近走のローテーションを見る際、そのときの馬体重もチェックしましょう。
例えば、安定して好走しているのであれば、そのときの馬体重でレースに挑むのが自然です。
逆に、近走が凡走続きであれば、大きく馬体重を増減させて、普段とは違う競馬を陣営が行おうとしている可能性もあります。
強かったころの馬体重と比較する
馬体重でもっとも欠かせないのは一番強かったころの馬体重をチェックすることです。
競走馬にとって理想的な馬体重は、その馬がもっとも強い競馬をした時の体重です。
常に、一番強い競馬をしたときの体重と、レース本番の体重を見比べながら予想したいですね。
調教本数から馬体重の増減を見る
調教本数は競走馬によって様々です。
1本で終えることもあれば、4本も5本も調教を行うこともあります。
競走馬にとって、調教は本数が増えれば増えるほど走るので数が増えるほど馬体を大きく減らしやすいです。
1本の調教で馬体を大きく減らしていたら、なんらかの原因を疑いたいですし、何度も調教を行いながらも体重が増加しているようであれば、筋肉量が多くなったと考えられるでしょう。
まとめ
馬体重は競走馬のコンディションを見る上で欠かせません。
過去のレースと比較して、その馬にとって理想の馬体重を知ることこそが、馬体重予想の真骨頂でしょう。
馬体重を駆使して好走する馬を見出す、または有力な馬を予想から排除することで、大きく回収率を上げることも可能です。
今回は、様々な予想ファクターのなかから、馬体重を考察しました。
興味のある方はぜひ馬体重を活かした予想に取り組んでみてください。