競馬でオッズ理論を使って勝つ方法!回収率を上げる買い方もあわせて紹介
オッズ理論では一般的に断層を見極めて馬券を上手く購入しますが、回収率が上がる明確なセオリーは確立されておらず、個人による経験と工夫が必要な奥の深い理論に1つになります。
ですからオッズ理論で重要なのは断層を見極めてオッズを俯瞰的に見る視点を培うことです。
この記事ではオッズ理論をどのように競馬予想に活用すれば回収率が上がるのかを解説します。
競馬のオッズ理論とは?
オッズ理論とはオッズのみを予想材料として馬券を買う理論のことです。
オッズだけで馬券を買うとなると、オッズ理論では必然的に人気馬を買うと思う人も多いかもしれません。
しかし人気馬、特に1番人気を中心に買っていては、オッズが低いことから利益率が下がり、的中率が悪いとすぐに回収率は100%を下回ってしまいます。
オッズ理論とはオッズの急激な変動や、断層と呼ばれるオッズの動きが激しい部分を見極めてお得な馬を買う手法の1つです。
オッズが乱れる原因は
競馬のオッズの仕組みは馬券の支持率を数値で現わしたものであり、オッズが低いほど多くの人の支持を集めていることに繋がり、オッズが低い馬=勝つ可能性の高い馬となります。
しかし100万円を超える大口投票が入ることで、時にオッズは大きく乱れます。
ですから見た目のオッズが低いからといって、人気馬=実力があると判断するのではなく、オッズが実力に見合っているのかを判断するのが重要になってきます。
オッズと大口投票
大口投票は主に馬主や競馬関係者からの情報提供などで、特定の人気薄の馬に対して行われることが多く、一般に前売りの段階で行われるケースが多いと言われています。
例えば2003年の宝塚記念では大口投票の影響で前売りの段階では1番人気だったヒシミラクルは、最終的には単勝16.3倍の6番人気に落ち着く形となりましたが、同馬はしっかりとこのレースを勝利しています。
この時の購入者は1億円を超える的中金額だったとも言われており、当時はミラクルおじさんというワードが話題にもなりました。
ですから実力以上に馬が人気している場合は、インサイダー購入があったと判断しオッズで馬券を買ってみるのも、オッズ理論の1つの有効な買い方といえます。
また単勝オッズと複勝オッズは通常2倍以上の開きがありますが、まれにオッズの開きが少ないケースもあります。
例えば2022年2月19日の小倉10Rで3着に入ったプルミエロールは、単勝は8.3倍のオッズでしたが複勝のオッズは5.3倍と、両者の開きが極端に狭くなっており。単勝に大口投票が入った可能性が極めて濃厚と言える結果です。
また2022年5月7日の中京3Rでは、このレースを勝ったカフジエニアゴンは単勝が2,680円と高配当でしたが、複勝は1,930円と単勝オッズから考えると非常に珍しい高配当のオッズとなっていることから、こちらも大口投票が入った可能性が高いレースであったことがわかります。
他にも大口投票は様々な切り口で見分けることが可能で、普段オッズは購入する時に購入金額を調整する目安のようなものですが、オッズ毎に比較することで大口投票を見抜けることができる場合もあります。
大口投票を見抜いて馬券を買うのもオッズ理論による買い方の1つです。
オッズ理論による実際の買い方
オッズ理論を使う際に是非とも知っておきたいのが「断層」という言葉で、断層というのは人気順で後の馬との単勝人気の差が1.5倍以上開いている部分の事を意味します。
実際に2022年のGⅠを例に断層を細かく見てみましょう。
最初に2022年4月3日の大阪杯の単勝オッズです。
馬名 | 単勝オッズ | 複勝最大オッズ | 着順 | 断層分類 | |
1番人気 | エフフォーリア | 1.5倍 | 1.1倍 | 9着 | A |
2番人気 | ジャックドール | 3.7倍 | 2.6倍 | 5着 | B |
3番人気 | レイパパレ | 9.2倍 | 4.3倍 | 2着 | C |
4番人気 | アカイイト | 20.4倍 | 6.7倍 | 10着 | D |
5番人気 | ヒシイグアス | 27.4倍 | 8.2倍 | 4着 | D |
6番人気 | キングオブコージ | 45.5倍 | 12.9倍 | 11着 | E |
7番人気 | アリーヴォ | 47.5倍 | 13.5倍 | 3着 | E |
8番人気 | ポタジェ | 58.7倍 | 12.4倍 | 1着 | E |
9番人気 | ウインマリリン | 60.2倍 | 16.9倍 | 16着 | E |
10番人気 | ステラリア | 74.5倍 | 16.6倍 | 8着 | E |
11番人気 | アフリカンゴールド | 92.9倍 | 27.7倍 | 7着 | E |
12番人気 | レッドジェネシス | 111.6倍 | 27.2倍 | 13着 | E |
13番人気 | マカヒキ | 145.9倍 | 53.4倍 | 14着 | E |
14番人気 | ヒュミドール | 182.3倍 | 44.4倍 | 15着 | E |
15番人気 | スカーフェイス | 190.8倍 | 38.2倍 | 6着 | E |
16番人気 | ショウナンバルディ | 298.8倍 | 71.6倍 | 12着 | F |
このレースでは1番人気エフフォーリアと2番人気ジャックドールの間に開きがあり1つ目の断層(A)、さらにジャックドールと3番人気レイパパレとの間にも開きがあり2つ目の断層(B)、さらにはレイパパレと4番人気アカイイトとの間にも開きがあり3つ目の断層(C)となっています。
このように後の馬とのオッズが1.5倍以上ある部分が断層に該当しますが、このレースは上位人気で3つの断層を形成している比較的珍しいケースです。
この大阪杯では前年の有馬記念覇者で年度代表馬となったエフフォーリアと、前走レコードを記録したジャックドールの2強対決が予想されましたが、2強の両頭ともに馬券対象外となり波乱に終わったレースで、単独でC断層を形成したレイパパレとE断層の馬であるポタジェ・アリーヴォの3頭による決着となりました。
オッズ断層として注目したいのは、上位で3つの断層を形成している点で、特に単独でC断層を形成しているレイパパレは、断層上では非常に珍しいケースであったことが結果からわかります。
本来の実績から考えるとレイパパレは3番人気は妥当な人気ですが、それ以上に4番人気とのオッズに開きがあったことを考えると、レイパパレはオッズと人気のバランスを考えても非常に狙い目と言える馬だったことがわかります。
またこのレースを勝った8番人気ポタジェも断層分類上は下から2番目に位置していますが、複勝のオッズは6番人気のキングオブコージを上回る6番人気と、単勝と複勝で人気順が異なっていることがわかります。
通常オッズ理論では、断層の切れ目の馬を狙うのが有効な買い方となりますが、この大阪杯のように上位人気ながらも単独で断層を形成している馬がいる場合は、オッズ理論からすると単純に人気で切るには注意が必要です。
次にこの年の皐月賞のオッズを見てみましょう。
馬名 | 単勝オッズ | 複勝最大オッズ | 着順 | 断層分類 | |
1番人気 | ドウデュース | 3.9倍 | 1.6倍 | 3着 | A |
2番人気 | ダノンベルーガ | 5.0倍 | 2.8倍 | 4着 | A |
3番人気 | イクイノックス | 5.7倍 | 2.8倍 | 2着 | A |
4番人気 | キラーアビリティー | 7.6倍 | 3.3倍 | 13着 | A |
5番人気 | ジオグリフ | 9.1倍 | 3.4倍 | 1着 | A |
6番人気 | アスクビクターモア | 9.9倍 | 3.8倍 | 5着 | A |
7番人気 | デシエルト | 15.5倍 | 6.5倍 | 16着 | B |
8番人気 | オニャンコポン | 19.0倍 | 6.8倍 | 6着 | B |
9番人気 | ジャスティンパレス | 20.9倍 | 6.0倍 | 9着 | B |
10番人気 | ジャスティンロック | 35.0倍 | 8.1倍 | 7着 | C |
11番人気 | サトノヘリオス | 47.5倍 | 10.5倍 | 17着 | C |
12番人気 | ボーンディスウェイ | 49.3倍 | 9.4倍 | 14着 | C |
13番人気 | ビーアストニッシド | 72.7倍 | 17.6倍 | 11着 | C |
14番人気 | マテンロウレオ | 84.7倍 | 21.5倍 | 12着 | C |
15番人気 | ダンテスヴュー | 86.2倍 | 21.5倍 | 10着 | C |
16番人気 | ラーグルフ | 162.7倍 | 31.2倍 | 8着 | D |
17番人気 | グランドライン | 210.9倍 | 63.0倍 | 15着 | D |
18番人気 | トーセンヴァンノ | 311.8倍 | 110.6倍 | 18着 | D |
この年の皐月賞は上位人気での決着で終わりますが、最上位の断層が上位人気の6頭で形成され、1つ目のA断層の馬達で掲示板を独占するという結果に終わっています。
断層の数が少なく上位の断層に人気馬が集中している場合は実力が拮抗していると判断し、低人気をヒモで抑えるよりも、BOXで手堅く上位人気を押さえ的中することができたレースであることが断層の形成状況わかります。
このようにオッズを断層で分けて全体の実力関係を把握した上で、オッズだけで馬券を購入するのが、オッズ理論による馬券の購入方法です。
一般的に競馬のオッズ理論では断層に該当する前後の馬は買いとも言われますが、今回紹介した2つはあくまでも一例に過ぎませんし、この実際に断層を見て判断しながら馬券を買っても外れるケースも少なくありません。
オッズ理論で利益を出すためには数多くのオッズを実際に目で見て場数を踏み、自分なりの買い方を経験で掴むことが大事になります。
またこの理論を競馬予想に活かすのであれば、オッズや実績を単独の競馬予想プロセスとして馬券を買うのではなく、断層という新たな視点でオッズを俯瞰して見ることで自分だけのオッズ理論を確立し、判断材料という形で競馬予想プロセスに活用することが馬券戦略の上では重要になってきます。
オッズ理論で回収率を上げる方法
オッズ理論で回収率を上げる方法の有効な手段としては、断層で馬を分けた上で低人気の断層の馬は買わない戦略が非常に有効です。
具体的には最下位の断層の馬が1頭単独で存在している場合は無条件で消す買い方です。
上述した大阪杯のオッズを例に上げると、最下位の断層を単独で形成しているショウナンバルディーに関しては、断層から無条件で消し買い目を減らすなどの工夫を行うことで、3連単などの買い目を減らすこともできます。
このようにオッズ理論の断層を上手く使うことで、無条件で消す馬を探す際の決め手として非常に有効な馬券戦略の1つとなります。
また予想する際に断層を使ってオッズを俯瞰して見る癖を付けておくことで、それぞれの馬を単純な数字ではなく断層という別の角度から見ることができるため、経験を積むことで独自のオッズ理論を確立し、それを競馬予想に活用することが、オッズ理論で回収率を上げる最も有効な手段です。
ですからオッズ理論で競馬の回収率を上げようと思ったら、まずは普段のレースでオッズを分析する癖を付けるようにしましょう。
普段でもオッズを見る必要があるケース
オッズ理論ではなく通常の競馬予想を行っていてもオッズを見た方がよいケースというがいくつかあります。
例えば同枠馬の枠連と馬連のオッズの確認で、枠連が成立するレースでは同枠の馬に関しては同じ買い方でも枠連と馬連が成立する場合があります。
例えば18頭立てのレースで1着1番2着2番といったケースの場合は以下の2になります。
②枠連1-1
同枠の買い方は原則この2つが存在し、この場合の馬券の的中条件は全く一緒ですが、この2つの馬券が完全に独立した形でそれぞれオッズを形成するため、同枠の馬を1着2着を想定して馬券を買う場合は、なるべくギリギリまで待ってオッズを確認し、よりオッズが高い馬券を買う方がお得です。
例えば2017年3月19日の中山1Rでは、8枠の馬2頭による同枠決着で枠連配当91,210円という高配当となっていますが、このレースで的中条件が全く同じの馬連15-16の配当は152,290円と、枠連配当を大幅に上回る払い戻し金額です。
逆に2019年3月24日に行われたGⅠ高松宮記念では、2枠の同枠馬2頭による決着となりましたが、馬連配当が30,530円に対して枠連配当が33,310円と、同じ的中条件で枠連配当が馬連配当を上回る結果に終わっています。
このように同枠馬2頭による馬券を買う場合は、レース毎に支持率が異なるためオッズの確認は必須です。
枠連を買うことで買い目を抑えることができるため、異なる枠同士であれば枠連は軸で流す場合に馬連よりも有効な買い方ですが、同枠も必然的に買うことになるため、軸馬と同じ枠にもう1頭いる場合は必ず直前までオッズを確認した上で、少しでも配当金額の高い方の馬券を買うことを心掛けましょう。
ただ直前で画面に張り付くことが出来ない人などもいると思うので、もし枠連と馬連のオッズで迷った場合は、基本的に馬連で買った方が配当が大きくなるケースが多いです。
なぜなら枠連よりも馬連の方が全体の投票金額が大きく、人気薄であればあるほど配当が高くなりやすいためです。
2頭の同枠馬を購入する際にどうしても直線にオッズを確認することが出来ない場合は、馬券の売れやすい馬連の方が配当が大きくなりやすいということは競馬の知識として知っておきましょう。
まとめ
今回はオッズ理論を含めたオッズに関する様々なポイントを解説しました。
オッズ理論を馬券に活用する人は、前日の前売り段階のオッズから当日の朝一のオッズ、新聞に載っている予想オッズなど、様々なオッズを分析し当日のオッズと比較する作業を行っています。
初心者はこのような作業を最初から行うのではなく、まずは購入するレースのオッズを購入前に細かく分析し、オッズの歪や断層を見分ける目を培っていきましょう。