【2022年】マイルCS(チャンピオンシップ)の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!
競馬のレースはグレード制となっていますが、もっともグレードの高いレースが「重賞レース」です。
競馬ファンではない人でも聞いたことがある「有馬記念」や「日本ダービー」は、そのなかでも最も格式が高い「G1レース」と呼ばれるランクになっています。
本記事では秋のマイル王者を決めるレースである「マイルCS(チャンピオンシップ)」について、レースの基本情報やコースの特徴、さらには上位に入着している競走馬の共通点についても解説していきます。
マイルチャンピオンシップの基本情報
(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1121_1/race.html)
マイルチャンピオンシップが開催される競馬場、1着賞金などの基本情報を表にまとめました。
開催競馬場と距離 | 京都競馬場(2021,2022は阪神競馬場で実施)芝1,600m |
1着賞金 | 1億8,000万円 |
出走条件 | サラ3歳以上(外国馬、地方出身馬も出走可) |
負担重量 | 3歳56㎏、4歳58㎏、牝馬-2㎏ |
1着賞金は2021年まで1億3,000万円でしたが2022年から5,000万円アップの1億8,000万円となりました。
マイルチャンピオンシップの概要
マイルチャンピオンシップの創設は1984年です。
それまで日本競馬界においてはどちらかといえば長距離を走れる競走馬が重宝されてきましたが、マイルチャンピオンシップが創設される年代近辺になると、だんだんとスピードも重要視されるように変化しました。
そして、1984年に競馬のレースが現在のような「グレード制」になるのに伴い、短距離レースの充実を図るという目的で創設されたのがマイルチャンピオンシップです。
創設当時は「スプリンターズステークス」がまだ無かったため、短距離・マイルを走る競走馬にとって唯一参加可能なG1レースでした。
そのためマイル距離が得意な競走馬だけではなく、短距離が得意ないわゆるスプリンターも参加するなど当時から多彩な顔ぶれが揃い、激戦を繰り広げていました。
この傾向は現在も変わることはなく、マイル・短距離の実績馬のみならず先に開催される「天皇賞秋」に出走した競走馬もマイルチャンピオンシップに出走することもあり、例年予想が難解となるような豪華メンバーが集結します。
「スプリンターズステークス」「富士ステークス」「スワンステークス」「天皇賞秋」が優先出走権を獲得できるトライアルレースに位置付けられていて、各レースにおいて2着までに入れば優先出走権を得ることができます。
マイルチャンピオンシップが開催されるコースの特徴
(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/hanshin/course/index.html)
マイルチャンピオンシップは本来京都競馬場で実施されるレースですが、2021年と2022年は京都競馬場が工事中であるため、阪神競馬場でレースが実施されます。
本項目では本来の京都競馬場のコースの特徴と、代替え開催となっている阪神競馬場のコースの特徴をそれぞれ解説していきます。
まずは2022年マイルチャンピオンシップの舞台となる阪神競馬場芝1,600mについて解説していきましょう。
阪神競馬場のコースには「内回り」と「外回り」がありますが、1,600mのコースでは外回りコースを使用します。
スタートはゴールラインのちょうど反対側向こう正面になっており、最初のコーナーまでの距離は400m以上あります。
更に道が平坦となっていることから、最初のコーナーまでの間にかなり激しい先行争いが行われるケースがほとんどです。
3コーナーあたりから4コーナーまでは下り坂になっていて、スピードをつけるにはもってこいではありますが、ここでスパートをかけてしまうと最後に坂が待ち構えているためスタミナがもちません。
したがって、下り坂が終わった第4コーナー終盤あたりからスパートをかける馬が多いです。
最終直線は470m以上とかなり長いうえに、ゴール手前に急な坂が待ち構えているので後方からの差しや追い込みなども他の競馬場と比べれば決まりやすく、特に本レースに出走できるような高い能力の際や追い込み馬は注目しておいたほうがよいでしょう。
また、阪神競馬場は内枠の馬場が荒れやすいことで有名です。
特に2022年度は京都競馬場の変わりにレースが開催されるということもあって、例年よりも荒れやすいと考えておいたほうがよいでしょう。
そのため、不利といわれている外枠からの豪快な差しが案外決まったりします。
(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/kyoto/course/index.html)
続いて、本来の開催場所である京都競馬場芝1,600mの特徴を見ていきましょう。
京都競馬場芝1,600mのスタート位置は、観客席から見てちょうど左奥、第2コーナー後方に設けられているポケットからのスタートとなります。
最初のコーナーまでの直線距離が711mととても長いのが特徴です。
最初の直線が長いということはかなり長時間先行争いが繰り広げられることになります。
コース自体は比較的平坦であり、最終コーナーを回って直線距離は約400mほどと平均的な長さです。
阪神競馬場は差しや追い込みでも勝負できるコースですが、京都競馬場はどちらかといえば先行や逃げなど前のほうでレースができる競走馬が有利なコースといえるでしょう。
過去10年間3着以内に入着した競走馬たち
2021年から10年間遡って過去マイルチャンピオンシップで3着以内に入着した競走馬を表にまとめました。
2020年、2021年は阪神競馬場での開催となっています。
年度と馬場 | 馬場 | 着順 | 馬番 | 競走馬名 | 馬齢と性別 |
2021 | 良 | 1 | 12 | グランアレグリア | 牝5 |
2 | 3 | シュネルマイスター | 牡3 | ||
3 | 13 | ダノンザキット | 牡3 | ||
2020 | 良 | 1 | 4 | グランアレグリア | 牝4 |
2 | 8 | インディチャンプ | 牡5 | ||
3 | 7 | アドマイヤマーズ | 牡4 | ||
2019 | 良 | 1 | 5 | インディチャンプ | 牡4 |
2 | 14 | ダノンプレミアム | 牡4 | ||
3 | 7 | ペルシアンナイト | 牡5 | ||
2018 | 良 | 1 | 1 | ステルヴィオ | 牡3 |
2 | 2 | ペルシアンナイト | 牡4 | ||
3 | 3 | アルアイン | 牡4 | ||
2017 | 稍重 | 1 | 18 | ペルシアンナイト | 牡3 |
2 | 11 | エアスピネル | 牡4 | ||
3 | 4 | サングレーザー | 牡3 | ||
2016 | 良 | 1 | 16 | ミッキーアイル | 牡5 |
2 | 8 | イスラボニータ | 牡5 | ||
3 | 15 | ネオリアリズム | 牡5 | ||
2015 | 良 | 1 | 16 | モーリス | 牡4 |
2 | 10 | フィエロ | 牡6 | ||
3 | 5 | イスラボニータ | 牡4 | ||
2014 | 良 | 1 | 12 | ダノンシャーク | 牡6 |
2 | 8 | ディエロ | 牡5 | ||
3 | 3 | グランデッツァ | 牡5 | ||
2013 | 良 | 1 | 5 | トーセンラー | 牡5 |
2 | 4 | ダイワマッジョーレ | 牡4 | ||
3 | 13 | ダノンシャーク | 牡5 | ||
2012 | 稍重 | 1 | 1 | サダムパテック | 牡4 |
2 | 7 | グランプリボス | 牡4 | ||
3 | 17 | ドナウブルー | 牝4 |
過去のデータから見られる傾向
過去10年間に入着している競走馬の共通点を調べることで、どのような競走馬が上位に入る可能性が高いかをある程度絞り込むことができ、買い目に含める馬を厳選することができます。
マイルチャンピオンシップではどのような競走馬が上位に入りやすいのでしょうか。
前走3着以内
過去10年間で3着以内に入っている競走馬のうち、実に8割近くの競走馬が前走で3着以内に入着しています。
また、3着より下位となっている競走馬もすべて一桁着で、前走二桁着順の競走馬がマイルチャンピオンシップで3着以内に入ったことは過去10年間に限定すれば一度もありません。前レースで好成績だった馬がそのまま本レースでも上位に入ってくるとみて間違いないでしょう。
前走東京競馬場重賞レース好走馬
「毎日王冠」「富士ステークス」「天皇賞秋」の3つのレースで上位に入っている競走馬がマイルチャンピオンシップでも好走する傾向にあります。
この3つのレースはいずれも東京競馬場で開催されているレースとなっています。
マイルチャンピオンシップは京都競馬場で開催となっており、東京競馬場ではありませんし、京都競馬場と東京競馬場ではコースの回り方も反対ということもあって共通点はあまり見られないのですが、不思議と前走東京競馬場でのレースで調子が良かった競走馬は本レースでも強いです。
トライアルレース好走馬
先ほど紹介した「富士ステークス」と、もうひとつのトライアルレースである「スワンステークス」で上位に入着している競走馬が本レースでも好走していることが多いです。
スワンステークスに関しては序理が短距離という影響もあるのか、差し又は追い込みで好走している競走馬がマイルチャンピオンシップでも好走する傾向にあります。
5歳まで
その年を代表するマイル巧者が集結するということもあって、3着以内に入着している競走馬の馬齢を見ると、5歳までであることがほとんどで、過去10年間6歳馬で3着以内に入っているのは2014年1着のダノンシャーク、2015年2着のフィエロのたった2頭です。
更に直近5年間に限定すると3歳馬が好走する傾向にあり、2021年のマイルチャンピオンシップでも1着グランアレグリア以外は3歳馬、掲示板に表示される5着以内に範囲広げても5頭中3頭が3歳馬でした。
要注目馬
マイルチャンピオンシップは毎年さまざまな競走馬が出走するため、どの馬も注目する必要がありますが、特に2022年度のマイルチャンピオンシップで出走すれば勝ち負けをしそうな競走馬たちを簡単に紹介していきます。
ソダシ
2020年ハンシンジュベナイルフィリーズ、2021年桜花賞、2022年ヴィクトリアマイルの勝ち馬です。
桜花賞後はアクシデントがあったり突然ダートに出走するなど迷走していましたが、ヴィクトリアマイルでは「牝馬最強決定戦」と言っても良いくらいの豪華メンバーが揃う中、最終直線では1頭別次元の伸びを見せて快勝、本当に強い競走馬であることを証明して見せました。
ソダシは「白いG1勝ち馬」として、競馬をよく知らない人でも知っているほどの知名度ですし、実績も十分なのでマイルチャンピオンシップに出走すればほぼ間違いなく上位人気となることでしょう。
ソングライン
2022年度安田記念の勝ち馬です。
安田記念もヴィクトリアマイルに負けないくらいの強豪ぞろいであり、だれが勝利してもおかしくないレースでしたが、その激戦を制したソングラインは間違い無くマイルレースにおいてはトップクラスの実力者といえるでしょう。
その証拠にヴィクトリアマイルでもしっかりと5着に入着しています。
しかし残念なことにソングラインは次走「セントウルステークス」に出走後、海外レースである「BCクラシック」に出走することを表明しており、本年度のマイルチャンピオンシップにはスケジュール的に出走できないでしょう。
シュネルマイスター
本年度マイル路線はソダシをはじめ牝馬に注目馬が多いですが、シュネルマイスターはマイル巧者の牡馬の中では最も実績がある競走馬です。
春のG1レースNHKマイルカップに優勝、その後スーパーG2のひとつとされている毎日王冠でも完勝していますし、前年のマイルチャンピオンシップではあのグランアレグリアを相手に勝つことはできませんでしたが2着に入るなど、マイル戦では安定した強さを見せており、G1レース1勝で終わるような馬ではないことは競馬ファンならよくわかっていることでしょう。
なんと次走は未知の領域である「スプリンターズステークス」になるという発表がありました。
ここを勝つことができればマイルチャンピオンシップでは一躍主役に躍り出ることでしょう。
ファインルージュ
2,400mの「オークス」では距離が長かったのか11着になってしまってはいるものの、マイル距離のレースでは1度も掲示板に表示される5着以内より下にはなったことがないという抜群の安定感がファインルージュの持ち味です。
マイルレースはほんのちょっとの差が大きく着順を下げてしまうので、そんな中上位に常に入着しているというのは驚異的だといえるでしょう。
ヴィクトリアマイルでは惜しくもソダシに届かず2着、2週明けの安田記念でも伸びないうち枠を走らされてしまうという悪条件のなか5着に入着すると健闘しています。
この馬の頑張りは競馬ファンならば誰でも知っているでしょうから、もしマイルチャンピオンシップを勝った時には多くの人が祝福するでしょう。
レシステンシア
2019年阪神ジュベナイルフィリーズの勝ち馬です。
近年はマイルレースよりもスプリントレースの戦績の方が良いイメージですが、2022年のヴィクトリアマイルでは3着に入りマイルでもまだ一線級で戦えることを証明して見せました。
ところが安田記念では疲れも出たのか11着と大きく負けてしまいます。
その後脚部の故障が発覚してしまい、2022年夏現在は治療中とのことで、復帰のめどはたっていませんが、マイルチャンピオンシップには間に合わない可能性が高いという情報が出ています。
5歳というと、実績を残した競走馬の多くが引退を表明する年齢ということもあり、場合によってはこのまま引退ということになってしまうかもしれません。
何とか復帰してどのレースでも良いので最後の雄姿を観たいという競馬ファンは多いことでしょう。
まとめ
マイルチャンピオンシップは1984年に創設されたG1レースで、「秋のマイル王決定戦」に位置づけられています。
ナイルレースで好成績を残している競走馬はもちろんのこと、スプリントレースで実績を残している競走馬や、中距離レースである天皇賞秋に出走後本レースに出走する競走馬がいるなど、さまざまな路線から参戦するので、例年予想が難しいレースとなっています。
本来使用される京都競馬場は逃げや先行馬が有利ですが、2021年と2022年で使用される阪神競馬場の場合は直線が長いうえに最後に坂があるので、差しや追い込みの馬でも十分勝ち目はあります。