ホープフルステークスの予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や優勝馬のその後の活躍を解説!
ホープフルステークスは2歳馬限定のG1レースでありますが、ほかの2レースが1,600mのマイル距離で実施されるレースなのに対し、本レースは2歳G1レースとしては唯一2,000mと中距離レースになっています。
過去はこのレースを優勝した馬が活躍するということはあまりありませんでしたが、近年はサートゥルナーリア、コントレイルなどこのレースを優勝して以降も活躍する競走馬が出てきたことから、今後を占う意味でも軽視できないレースとなっています。
本記事ではホープフルステークスが開催される競馬場や1着賞金、過去10年間で3着以内に入着した競走馬たちの紹介など、予想に役立つデータを解説していきます。
ホープフルステークスの基本情報
(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1228_1/race.html)
ホープフルステークスが開催される競馬場と1着賞金など、基本情報を表にまとめました。
開催競馬場と距離 | 中山競馬場芝2,000m |
1着賞金 | 7,000万円 |
出走条件 | サラ2歳 |
負担重量 | 55㎏(牝馬-2kg) |
ホープフルステークスの概要
(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1228_1/race.html)
ホープフルステークスは、1984年に創設された「ラジオたんば杯3歳牝馬ステークス」が前身になっています。
その後何度か名称が変更されるとともに牝馬限定戦ではなくなり、2006年より「ラジオNIKKEI杯2歳ステークス」という名称となっていました。
この時期頃から日本競馬では2歳馬のレースの早期化が顕著になってきたうえに競走距離も充実してきていて、特に中距離のレースが増加していることから、2013年まで阪神競馬場で開催されていた同レースを、2014年より中山競馬場の芝2,000mに変更し、G2へと昇格させ、2歳中距離路線の頂点を決めるレースに設定しました。
そして2017年に申請していた格付け昇格が承認され、同年度よりG1レースになって現在に至ります。
「東京スポーツ杯2歳ステークス」「京都2歳ステークス」がホープフルステークスのトライアルレースになっており、どちらかのレースで2着以内に入着した競走馬にはホープフルステークスへの優先出走権が与えられます。
地方出身の競走馬は、トライアルレース以外に2歳重賞レースで1着となった場合にも優先的に出走可能となります。
ホープフルステークスが開催されるコースの特徴
(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1228_1/race.html)
ホープフルステークスが開催される芝2,000mはクラシック初戦となる「皐月賞」と同条件です。
皐月賞は「もっとも早い馬が勝つ」レースと言われており、スピードが求められるレースとなっていることから、ホープフルステークスも同様にスピード勝負になる傾向があります。
コースは内回りコースを使用してコーナーを4回回ることになるため、スピードだけではなくコーナーをロスなく回る器用さも求められます。
更にスタートしてすぐとゴール前には上り坂があるため、スピードだけではなくパワーも必要であり、トータル的な能力が高くなければ勝つことが難しいコースといえるでしょう。
過去10年間3着以内に入着した競走馬たち
2021年から遡って過去10年間で3着以内に入着した競走馬たちを表にまとめました。
年度 | 馬場状態 | 着順 | 馬番 | 競走馬名 |
2021年 | 良 | 1着 | 5 | キラーアビリティ |
2着 | 8 | ジャスティンパレス | ||
3着 | 3 | ラーグルフ | ||
2020年 | 良 | 1着 | 10 | ダノンザキッド |
2着 | 1 | オーソクレース | ||
3着 | 2 | ヨーホーレイク | ||
2019年 | 良 | 1着 | 2 | コントレイル |
2着 | 5 | ヴェルトライゼンデ | ||
3着 | 7 | ワーケア | ||
2018年 | 良 | 1着 | 5 | サートゥルナーリア |
2着 | 8 | アドマイヤジャスタ | ||
3着 | 1 | ニシノデイジー | ||
2017年 | 良 | 1着 | 7 | タイムフライヤー |
2着 | 15 | ジャンダルム | ||
3着 | 13 | ステイフーリッシュ | ||
2016年 | 良 | 1着 | 2 | レイデオロ |
2着 | 11 | マイネルスフェーン | ||
3着 | 6 | グローブシアター | ||
2015年 | 良 | 1着 | 6 | ハートレー |
2着 | 9 | ロードクエスト | ||
3着 | 8 | バデイスティーニ | ||
2014年 | 良 | 1着 | 10 | シャイニングレイ |
2着 | 6 | コメート | ||
3着 | 7 | ブラックパゴ | ||
2013年 | 良 | 1着 | 2 | エアアンセム |
2着 | 7 | ベルキャニオン | ||
3着 | 17 | クラリティシチー | ||
2012年 | 良 | 1着 | 1 | サトノネプチューン |
2着 | 11 | マイネルストラーノ | ||
3着 | 5 | カミノタサハラ |
過去のデータから見られる傾向
過去10年間ホープフルステークスで馬券圏内に入着した競走馬たちに共通点があるのか、前走を中心に調べてみることにしました。
前走1,800m又は2000m出走
過去10年間で3着以内に入着しているほとんどの競走馬たちが、前走1,800m又は2,000mのレースに出走しています。
同じくらいの距離を走った経験がある競走馬はスタミナも足りていることが実証されていますし、何より集中力を切らさずにペースを守って走れるということがこの結果につながっているのでしょう。
前走3着以内
前走で馬券圏内に入着している競走馬たちが本レースでも馬券圏内に入着しているケースがほとんどです。
特に重賞レースとなった2014年以降は実力馬が集結するということもあって、前走で1着だった競走馬が特に好走しており、実力上位の馬たちがそのまま結果を残すレースだといえるでしょう。
ホープフルステークス優勝馬のその後の活躍
ホープフルステークスは2歳馬たちのレースであり、2022年の当レースに出走する馬たちは現時点ではまったく分かりません。
そこで、本項目では過去当レースを優勝した競走馬たちがその後どのような活躍をしたのかを解説していきます。
キラーアビリティ
2021年のホープフルステークス勝ち馬です。
その後は「皐月賞」「日本ダービー」とクラシック路線を進むも、思うような結果が残せていません。
夏はしっかりと休養に充てているようで、秋は最新情報だと「天皇賞秋」または「アルゼンチン共和国杯」を目標にしているとの情報があります。
恐らく最終目標は「ジャパンカップ」か「有馬記念」になるのでしょう。
ダノンザキッド
2020年ホープフルステークスの勝ち馬です。
ホープフルステークスではあのタイトルホルダーに1馬身以上の差をつけて圧勝するなど負けなしの3連勝で最優秀2歳馬に選ばれるなど、早くからその才能を披露していたのですが、早熟であったのか、それ以降は惜しいレースが続いています。
近年は主にマイル距離のレースに出走しており、大崩れするような走りはいまのところしていないので、展開さえ向けば2歳時のような強い走りをみせてくれることでしょう。
コントレイル
説明不要、無敗の3冠馬として昨年まで活躍していた名馬です。
三冠を達成した後はなかなか勝ち切ることができず、一時は「弱い三冠馬」といった心無い書き込みも見られましたが、エフフォーリア、アーモンドアイ、デアリングタクト、レイパパレ、グランアレグリアなど戦ってきた相手はいずれも歴史に名を残す名馬たいばかりであり、そんな競走馬たちと真っ向勝負を挑んだことはむしろ高く評価すべきでしょう。
さらにこれだけの強豪を相手にしていながら、コントレイルは一度も馬券外になったことはありません。
元々脚部に不安を抱えていながらレースは一生懸命走る性格だったようで、常に爆弾を抱えていながらの出走だったことが後に明かされています。
ラストランである「2021年ジャパンカップ」は鞍上の福永祐一騎手涙のインタビューも含めて感動的であり、2021年の名レースのひとつに数えてもよいのではないでしょうか。
現在は種牡馬として第二の人生を送っており、彼の子供たちがどのような活躍を見せてくれるのか、今から楽しみです。
サートゥルナーリア
2020年の勝ち馬であり、ホープフルステークスを含めて無傷の3連勝で先ほどのダノンザキッドと同じく最優秀2歳馬を受賞しました。
しかしサートゥルーナーリアの快進撃はこれに留まらず、次の「皐月賞」でも勝利、無傷の皐月賞勝利は当時あのディープインパクト以来の快挙でした。
しかし続く「日本ダービー」ではスタートの出遅れが響き、最後は最速の末脚を披露するも届かず初の黒星を喫します。
その後は「神戸新聞杯翌年の「金鯱賞」とG2レースでは勝利するものの、G1レースでは勝ち切れず、2021年宝塚記念後に左前脚の腫れが発覚、治療に専念したのですが走れる状態には戻らないという判断から、2021年をもって競走馬としての登録を抹消、現在は書牡馬として第二の人生を送っています。
タイムフライヤー
本項目で紹介するホープフルステークスの勝ち馬の中では最も波乱に満ちた競走馬人生を過ごしているのではないでしょうか。
タイムフライヤーはホープフルステークス優勝後クラシック路線に進むことになりますが、すべてのレースで掲示板愛である5着にも入ることはできませんでした。
4歳になり「中山金杯」「京都記念」と出走するも思うような結果が残せなかったため、陣営は何とダートレースへ出走させることを決断します。
ダート転向3戦目となる「シリウスステークス」で3着に入着すると翌年の「エルムステークス」で久しぶりの重賞勝利を獲得します。
しかしそれ以降は2021年の「根岸ステークス」で3着に入った以外はオープン戦でも良い結果を残すことができず、3月10日をもって中央競馬への登録を抹消、現在は地方競馬である「川崎競馬」に登録されており、7歳となった今でも現役で走り続けています。
まとめ
ホープフルステークスは元々「ラジオたんば杯3歳牝馬限定ステークス」という、牝馬限定のレースが前身となっています。
その後牝馬限定という条件が撤廃されて名称も何度か変更されるとともに、2歳馬の中距離頂上決戦として設定されるようになります。
それに伴ってグレードも上昇していき、2017年にはG1への昇格申請が認められて2歳G1レースの一つとなりました。
コースは中山競馬場2,000mを使って開催されるのですが、このコースはクラシックレース初戦である「皐月賞」と同じコースであることから、今後の3歳戦線を占う意味でもかなり重要な一戦になるといえるでしょう。
近年はサートゥルナーリア、コントレイルをはじめとしてこのレースで勝利した競走馬がその後も活躍する傾向にあります。
過去3着以内に入着している競走馬たちの傾向を調べてみると、やはり前走で1,800m又は2,000mを経験している競走馬が結果を残していることが多いです。
前走でいかに強い走りを見せていた競走馬であっても、その距離が短距離またはマイルであるならば買い目には積極的に含めないほうが的中率は高くなるでしょう。