ドバイワールドカップの予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や日本の競走馬の活躍を解説!
近年は国内競馬だけではなく、海外の主要レースの馬券も購入できるようになり、日本国内でもさまざまな海外G1レースが注目されるようになりました。
特に近年は日本の競走馬たちのレベルが飛躍的に上昇したため、以前よりも健闘するケースが多々見受けられますし、レースによっては優勝することもあり、優勝した時は大きく報じられます。
本記事では「ドバイワールドカップ」について開催される競馬場や距離、そして過去に馬券圏内に入着した競走馬たちなど、予想に役立つさまざまなデータを紹介していきます。
ドバイワールドカップの基本情報
(引用元:https://jra.jp/keiba/overseas/race/2022dubai/wc/basic.html)
ドバイワールドカップが開催される競馬場や1着賞金など、基本情報を表にまとめました。
開催競馬場と距離 | メイダン競馬場ダート2,000m |
1着賞金 | 696万アメリカドル |
出走条件 | サラ北半球4歳以上、南半球3歳以上 |
負担重量 | 4歳以上57kg、南半球産3歳54kg(¥牝馬-2kg) |
ドバイワールドカップの概要
ドバイワールドカップは1996年に創設された国際G1レースのひとつです。
現在の総賞金は1,200万アメリカドルで、「サウジカップ」が創設された2019年までは世界最高賞金額のレースとなっていたため、日本でもかなり著名度が高い海外レースの一つとなっています。
現在においても賞金総額は世界でもトップクラスであるため、日本国内はもちろんのこと、全世界から現役最強と呼ばれている競走馬が出走、このレースに勝利した競走馬は名実ともに中距離ダート界現役最強馬の称号が与えられます。
初回から2009年まではダート2,000mだったものの、2010年に現在の施行地であるメイダン競馬場に移されてからしばらくはオールウェザーという、通常よりも軽めのダートで開催されていました。
ところが維持費が高額になるのに加え、参戦国のひとつであったアメリカ側から不評であったことから、2015年より再びダート2,000mに戻され、現在に至ります。
ドバイワールドカップが開催されるコースの特徴
(引用元:https://jra.jp/keiba/overseas/race/2022dubai/wc/basic.html)
メイダン競馬場のダートコースは1周1,750mとなっているので、ドバイワールドカップではおよそ1周プラス直線部分を走ることになります。
高低差に関してですが、第3コーナーに少し坂があるものの全体的に見れば平坦であり、そこまで脚を使うようなコースではありません。
各馬の実力がいかんなく発揮できるコースであるといえるでしょう。
しかし、メイダン競馬場のダートで日本の競走馬が苦戦を強いられるのはダートそのものの状態が日本のダートとは大きく異なるためです。
9割近くが砂なのですが、残りは粘土質のような砂を使っていて、特に水分を含むと粘り気があります。
すると馬がコースを走って砂を蹴り上げたときに塊となって後方の馬に襲い掛かることになり、後方の馬にとっては非常に走りづらい状況です。
基本的には先行策を取った競走馬が有利なコースであるといえるでしょう。
過去10年間3着以内に入着した競走馬たち
2022年から遡って過去10年間で3着以内に入着した競走馬たちを表にまとめました。
なお、2020年は新型コロナウィルスの影響に伴い、レースそのものが中止となっています。
年度 | 着順 | 馬番 (ゲート) |
競走馬名 | 馬齢と性別 | 調教国 |
2022年 | 1着 | 3 | カントリーグラマー | 牡5 | アメリカ |
2着 | 5 | ホットロッドチャーリー | 牡4 | アメリカ | |
3着 | 2 | チュウワウィザード | 牡7 | 日本 | |
2021年 | 1着 | 10 | ミスティックガイド | 牡4 | アメリカ |
2着 | 3 | チュウワウィザード | 牡6 | 日本 | |
3着 | 8 | マニークール | セ6 | フランス | |
2019年 | 1着 | 12 | サンダースノー | 牡5 | UAE |
2着 | 7 | グランコウスキー | 牡4 | UAE | |
3着 | 1 | ガンナヴェラ | 牡6 | アメリカ | |
2018年 | 1着 | 10 | サンダースノー | 牡4 | UAE |
2着 | 9 | ウエストコースト | 牡4 | アメリカ | |
3着 | 5 | ムブタホージ | 牡6 | アメリカ | |
2017年 | 1着 | 9 | アロゲート | 牡4 | アメリカ |
2着 | 5 | ガンランナー | 牡4 | アメリカ | |
3着 | 11 | ネオクリシック | 牡4 | アメリカ | |
2016年 | 1着 | 11 | カリフォルニアクローム | 牡5 | アメリカ |
2着 | 4 | ムブタヒージ | 牡4 | 南アフリカ | |
3着 | 10 | ホッパチュニティ | 牡5 | アメリカ | |
2015年 | 1着 | 1 | プリンスビショップ | セ8 | UAE |
2着 | 9 | カリフォルニアクローム | 牡4 | アメリカ | |
3着 | 5 | リー | 牡6 | アメリカ | |
2014年 | 1着 | 6 | アフリカンストーリー | セ7 | UAE |
2着 | 13 | ムカドラム | 牡5 | イギリス | |
3着 | 15 | キャットオマウンテン | セ4 | UAE | |
2013年 | 1着 | 13 | アニマルキングダム | 牡5 | アメリカ |
2着 | 2 | レッドカドー | セ7 | イギリス | |
3着 | 7 | プラントゥール | 牡6 | アイルランド | |
2012年 | 1着 | 8 | モンテロッソ | 牡5 | UAE |
2着 | 11 | カッポーニ | 牡5 | UAE | |
3着 | 5 | プラントゥール | 牡5 | アイルランド |
過去のデータから見られる傾向
過去10年間、ドバイワールドカップで3着以内に入着した競走馬たちには何かしらの共通点または傾向があるのでしょうか。
様々なデータから検証してみることにしました。
前走アルマクトゥームチャレンンジR3
前走アルマクトゥームチャレンンジR3に出走していた競走馬が比較的好走している傾向にあります。
アルマクトゥームチャレンンジはメイダン競馬場で開催されるレースであり、このレースのラウンド3はドバイワールドクラシックとまったく同じ距離を走ることになります。
前走アルマクトゥームチャレンンジR3での着順に関係なく好走していることから、同じ距離を走った経験が良い結果に繋がっているのでしょう。
アメリカまたはアラブ首長国連邦調教馬
3着以内に入着した競走馬たちの調教国を見れば一目瞭然だと思われますが、ダート2,000mとなった2015年以降は開催国であるアラブ首長国連邦とアメリカの出身馬の活躍が目立ちます。
特にアメリカ出身の競走馬の活躍が目覚ましく、2017年は馬券圏内を独占、翌2018年も1着をアラブ首長国連邦の競走馬に譲ったものの、2着と3着はアメリカ出身の競走馬になっています。
前走3着以内
ドバイワールドカップで3着以内に入着した競走馬たちのおよそ3分の2が前走でも3着以内に入着しています。
また、前走で馬券圏内に入らなかった競走馬たちも前走はG1レースであり、ダート2,000mでは世界的にトップクラスの能力を持っている競走馬でなければ勝利することは難しそうです。
牡馬
3着以内に入着した競走馬の性別を見ると、すべて「牡馬」となっています。
元々ダートレース自体が牡馬圧倒的有利な環境であり、さらに2,000mという中距離だと、牝馬でトップクラスの活躍を見せる競走馬はそう滅多にでてくるものではありません。
日本の競馬界においてもダート2,000mでG1クラスのレースに出走できる実力を持っている競走馬というのはほとんど存在しておらず、ダートG1レースに勝利した牝馬となると長い日本競馬界の歴史においてもまだ登場していません。
日本の競走馬の活躍
(引用元:https://world.jra-van.jp/race/dubai/2022/worldcup/japanesehistory/)
創設当時は世界最高賞金額となっていた本大会には第1回より参戦していて、第1回大会にはライブリマウントが参戦しました。
ライブリマウントは当時の日本競馬界ではく買うところ敵なしといった存在で、フェブラリーステークス、帝王賞など現在ではG1レースとなっているレースも複数勝利していましたが、結果は6着と、世界との力の差を見せつけられるレースとなってしまいました。
その後もトゥザビクトリー、アグネスデジタル、カネヒキリ、ヴァーミリアン、など幾多の名馬が挑戦するも、馬券圏内となったのは2001年のトゥザビクトリーただ1頭のみでした。
その後2010年にメイダン競馬場へ開催地が移行、コースがオールウェザーへ移行されると2011年、ヴィクトワールピサが本レースでついに優勝、この年はトランセンドも2着に入り、日本馬のワンツーフィニッシュとなって当時は大きな話題となりました。
しかしその後は再び馬券圏内に入ることはできず、コースも通常のダートに戻されたこともあって、日本の競走馬は苦戦を続けています。
しかしながらチュウワウィザードは2021年、2022年と2年連続で馬券圏内に入る好走を見せていて、ダート条件で日本の競走馬がこのレースで優勝することも決して不可能ではないというところまで来ています。
直近のレースに出走、または出走予定の国内競走馬の紹介
ドバイワールドカップは毎年3月末に施行され、2022年度はすでに終了、2023年についてはこの記事を執筆している9月時点では全く白紙の状態です。
2022年、日本からはチュウワウィザードが参戦しました。
2022年時点で日本競馬のダート界は「3強」時代となっています。
テーオーケインズ、オメガパフューム、そして2021年、2022年の2年連続でドバイワールドカップに挑戦したチュウワウィザードです。
2019年にはJBCクラシックをはじめとして複数の重賞を制覇、2020年にはG1クラスのレースにしか出走していないにも関わらず2勝2着1回、3着1回と安定した強さを見せたほか、その後のレースでも馬券圏内をキープするなど、とにかくどんなレースでも安定した走りを見せるのが特徴です。
とはいえ、馬齢が7歳と比較的長期にわたって活躍するダート馬ということを踏まえてもそれなりの年齢なので、彼の走りを見る機会もそう多くはないのかもしれません。
まとめ
ドバイワールドカップは、アラブ首長国連邦にあるメイダン競馬場で開催されるレースです。
毎年3月末に「ドバイワールドカップカーニバル」と競馬レースの祭典が開催されるのですが、ドバイワールドカップはその祭典のメインレースであり、創設された1996年当時は世界最高額の賞金となっていました。
したがって、文字通り現役最強ダート馬が集結するレースであり、世界中の競馬ファンから注目されるレースとなっています。
日本の競走馬たちは第1回大会から参戦していましたが、なかなか思うような結果は出せませんでした。
その後施行される競馬場がメイダン競馬場へと変更、コースもダートコースから芝コースへ変更されると翌2011年、ヴィクトワールピサが日本の競走馬として初めて本レースに優勝するという快挙を達成しました。
しかし日本の競走馬が勝利したのはこの年のみであり、その後は不振が続き、コースもダートコースへ戻された現在は同じようなコース条件のレースに慣れているアメリカ出身の競走馬たちの独断場となっているというのが現状です。