日本の競走馬はなぜ凱旋門賞で勝てないのか徹底検証
競馬ファンで凱旋門賞を知らない人はいないでしょう。
凱旋門賞は芝コースにおける世界最高峰のレースであることは世界中のホースマンだけではなく、ファンにとっても常識中の常識です。
日本国内でも凱旋門賞は大々的に取り上げられ、スポーツ新聞などでは特集が組まれますし、レース当日には外国のレースでありながら地上波テレビでライヴ中継が行われます。
もちろん日本競馬界に携わる人たちにとっても自分が携わる競走馬が凱旋門賞出走を果たせばこの上ない栄誉ですし、凱旋門賞制覇は日本競馬界の悲願の一つでもあります。
本記事では日本の競走馬の凱旋門賞挑戦について解説しながら、なぜ日本の競走馬が凱旋門賞で勝てないのかを検証していきます。
日本の競走馬のレベルは確実に上がっている
まず前提として、日本の競走馬のレベルは一昔前と比べると格段に上昇しています。
これは間違いありません。
ほんの20年ほど前は、日本の競走馬が海外レースに挑戦したとしても、参加することに意義があるといった状況で、馬券圏内に入ったというだけで大きなニュースになるといった状況でした。
しかし1998年シーキングザパール、タイキシャトルと立て続けに欧州G1レース優勝という快挙を達成したあたりから日本の競走馬が世界に通用し始めます。
特に2010年度代はヴィクトワールピサが世界最高賞金となっているレースであるドバイワールドカップを制覇、更にロードカナロアが日本の競走馬にとって鬼門と言われていた香港スプリントを優勝、日本の競走馬のレベルの高さを世界に知らしめる事になりました。
今では毎年のように海外G1を制するニュースが聞かれるようになりましたが、特にドバイシーマクラシックでイクイノックスが逃げ馬ではないにもかかわらずスタートからハナを取り、そのままゴール手前では追うのをやめるという余裕さえ見せたにも関わらずレコードタイムで圧勝したという走りは日本国内のみならず世界中の競馬ファンが戦慄を覚えたことでしょう。
名だたる名馬達が挑戦するも未だ凱旋門賞では勝てず
これまでどういった競走馬が凱旋門賞に挑戦してきたのでしょうか。
全競走馬を紹介すると多すぎるので、10位以内に入着した競走馬のみ(失格含めて)挙げていきます。
・ナカヤマフェスタ
・ヴィクトワールピサ
・ディープインパクト
・オルフェーヴル
・キズナ
・ハープスター
・ジャスタウェイ
・ディアドラ
・クロノジェネシス
競走馬に少し詳しい競馬ファンならば知らない馬はいないのではないでしょうか。
ここに名前が挙がっている以外にも、例えば2022年にはタイトルホルダー、ディープボオンド、ドウデュース、ステイリーフィッシュが挑戦しましたが、全頭二桁着順に沈んでしまっています。
このように、名だたる名馬たちが挑戦しているものの、未だに先頭で凱旋門賞のターフを駆け抜けた競走馬は存在しないのです。
凱旋門賞で健闘した名馬達
上記に紹介した競走馬のうち、惜しくも2着になった競走馬が3頭います。
それがエルコンドルパサー、ナカヤマフェスタ、オルフェーヴルです。
本記事ではこの3頭について、凱旋門賞挑戦のみにピックアップして、どのようなスケジュールで挑戦し、どのような結果となったのかを紹介します。
エルコンドルパサー
(引用元:JRA-VAN)
日本の競走馬が凱旋門賞に挑戦する際は夏の終わりごろにフランスへ遠征し、レース本番に備えるといったスケジュールが組まれることが多いのですが、エルコンドルパサーがフランスに渡ったのは1999年4月14日のことでした。
つまり、年間スケジュールの一環として凱旋門賞に挑戦するといった流れではなく、エルコンドルパサーの場合、その年の最終目標レースを凱旋門賞として、1年間まるまる凱旋門賞に勝利するためのスケジュールを組んだというわけです。
エルコンドルパサーを日本の芝とは全く異なるフランスの芝でも本来のパフォーマンスができるような走法に改良しつつ、イスパーン賞、サンクルー大賞、フォワ賞といった海外レースに出走、凱旋門賞に向けて調整を進めていきました。
そして凱旋門賞本番、人気は1位がモンジューで2.5倍、2位がエルコンドルパサーで4.6倍となっている中、レースがスタートしました。
するとエルコンドルパサーはほどなく先頭に立つとそのままの状態で最終直線を迎えます。
賢明に走るエルコンドルパサーでしたが、残り100mでモンジューに追い抜かれます。
エルコンドルパサーはそこを一度は差し返しましたが、最後はハナ差でモンジューに先行され、惜しくも2着となりました。
しかし日本の競走馬が凱旋門賞で2着になったという出来事は日本競馬界においては大ニュースであり、帰国時は多くの競馬ファンがエルコンドルパサーの健闘を称えたのでした。
ナカヤマフェスタ
(引用元:JRA-VAN)
ナカヤマフェスタは凱旋門賞に挑戦した年に8番人気ながら宝塚記念を制したものの、それ以外の実績としてはこれまで凱旋門賞に挑戦した競走馬と比べると見劣りするため、あまり期待されてはいませんでした。
9月12日にフォワ賞に出走すると2着に入り、順調に仕上がっていることをアピール、凱旋門賞本番を迎えます。
レースでは最終コーナー付近で鞍上が何度か立ち上がってしまうほどの不利を受けながらも激走、直線では一旦先頭になるものの、ワークフォースとの叩き合いでは一歩及ばず2着となりました。
しかし事前の評判から比べればナカヤマフェスタのこの走りは大健闘と言えるのではないでしょうか。
オルフェーヴル
(引用元:JRA-VAN)
オルフェーヴルは2012年、12年と2度凱旋門賞に挑戦、2度とも2着になっています。
現時点でもっとも凱旋門賞制覇に近かった日本競走馬といえるでしょう。
2012年8月25日、オルフェーヴルはフランスへと旅立ちましたが、そこに主戦騎手である池添謙一騎手の姿はありませんでした。
実はオルフェーヴルの凱旋門賞では池添騎手ではなく、凱旋門賞があるフランスの地元騎手クリストフ・スミヨンが手綱を取っています。
これに関して池江調教師は「苦渋の決断だった」と語っています。
相場と一緒に遠征できなかった池添騎手は酷く落ち込んだらしく、「いつもだったら絶対潰れてるくらいの量の酒を飲んでも全然酔えないくらい、本当にショックだった」と後に語っています。
フォア賞を制し、有力馬が続々と出走辞退を表明しているということもあり、オルフェーヴルには大きな期待が寄せられていました。
レース本番、後方2番手でレースを進めたオルフェーヴルは残り300mで先頭に立つと後続を大きく引き離し、そのまま走れば日本競馬界の悲願が達成されると競馬ファン誰もが思っていましたが、突然速度を落として大きく斜行、ゴール手前でソレミアに追い抜かれ、惜しくも2着となりました。
日本競馬界において現時点ではこのレースが最も凱旋門賞制覇に近かったレースであることに異論をはさむ人はいないでしょう。
2013年も同じスケジュールで凱旋門賞に挑戦、ここでも前述通り2着になりますが、優勝したトレヴとは5馬身差と今回は完敗といった内容でした。
日本の競走馬が勝てない理由
日本競馬界に名を残す名だたる名馬たちが凱旋門賞に挑戦するも、ほかの海外レースのように凱旋門賞制覇というニュースが私たちの耳に届いたことはいまのところありません。
近年続々と海外レースを制し、確実に日本競馬界のレベルは上昇しているのは間違いないでしょう。
にも関わらず何故日本の競走馬は凱旋門賞では勝てないのか、その理由は実に様々ですが、ここではその中でも大きな要因とされている3つの理由について解説していきます。
馬場状態が日本と違いすぎる
日本の競走馬を大きく悩ませるのが、凱旋門賞時の馬場状態です。
詳しくは次の項目で説明しますが、フランスの競馬場で使われている芝は日本の競馬場に敷かれている芝とはまったくの別物です。
そのため、凱旋門賞が実施されるロンシャン競馬場がたとえ良馬場状態であったとしても、日本の競馬場で言えば重馬場、あるいは不良馬場と考えてよいくらい走りづらい条件の中でのレースを強いられることになります。
凱旋門賞の総距離は2,400mで、レースとしては中距離に該当しますが、必要とされるスタミナやパワーなどを考慮すると3,000mクラスの距離を走ることができる馬でなければ途中でバテてしまうでしょう。
更にこの時期フランスでは雨が降ることが多く、それがより馬場状態を過酷なものとしています。
芝の質も全く違う
馬場状態が過酷になってしまう事の大きな要因となっているのがロンシャン競馬場で使われている芝の質です。
日本の競馬場で使われている芝というのは、毎日作業員の人が時間をかけて整備しており、常に最高の状態に保たれています。
もちろんレースの実施日数が経過していけば競走馬が走ることによって芝の部分が削れてしまうことによって走りづらくはなっていくものの、凱旋門賞が実施されるロンシャン競馬場の芝と比べれば圧倒的に走りやすく、あまりパワーを使うことなくスピードを出せる芝となっています。
いっぽうロンシャン競馬場の芝は一切整備されていません。
単刀直入に言えば自然に芝が生えそろっているところにコースとスタンドを建設し、そこを競馬場にしているという状態です。
したがって、芝の生え方はバラバラですし、地面も全体的に凸凹しています。
したがって、走るときにどのルートを選ぶかによって競走馬が受ける負担というのは大きく変わってきます。
欧州で活躍しているジョッキーは普段からロンシャン競馬場のような状態の競馬場でのレースで戦っているので、走りやすいコースを見極める観察眼に非常に優れています。
オルフェーヴルの項目で、凱旋門賞で騎乗する騎手が主戦騎手の池添騎手ではなく、ペリエ騎手に変わったことを解説しました。
競馬ファンの中には今でも「あの時池添騎手が乗っていたらオルフェーヴルは最後まで本気で走り、凱旋門賞を勝利していた」と断言する人も沢山います。
オルフェーヴルのポテンシャルを一番引き出すことができるのは池添騎手でしょう。
しかし、ロンシャン競馬場の攻略法や、走りやすいコースを見極める眼に関しては、その当時海外出走経験がなかった池添騎手よりはペリエ騎手のほうが間違いなく上です。
もし、池添騎手が気叙位していたら、走るルートを正確に見定めることができずに馬券圏内にすら入らなかった可能性も十分あるでしょう。
そのため、どちらが騎乗するのが正しかったのかという議論は永遠に正しい答えは出せないのかもしれません。
日本競馬はパワーよりもスピード重視にシフトしてしまった
昨今日本競馬界では牝馬の活躍が目立っていることはある程度長期的に競馬に関わっていたファンならば身を持って感じている事なのではないでしょうか。
牝馬が牡馬に負けないくらい活躍するようになった要因としては、牝馬そのものの能力が保場と遜色ないほどになったこともありますが、それ以上に日本競馬界の方針が大きな要因になっていると思われます。
昨今の日本競馬界はパワーよりもスピード重視になっています。
これは日本競馬界だけでなく、世界の競馬界に見られる傾向なのですが、今の競馬界でもっとも重宝されているのは「中距離をどの馬よりも早いスピードで走ることができる競走馬」です。
それに伴って、長距離レースの格は目に見えて低下してしまいました。
特に近年顕著なのが「3歳馬の秋G1レース出走」です。
3歳馬の秋G1レースと言えば、クラシック三冠最終戦である「菊花賞」ですが、2021年、2022年と、菊花賞を選択せず、古馬も出走できるレースである「天皇賞秋」を選択する3歳牡馬が明らかに増えてきています。
競走馬への負担を考慮すれば、菊花賞よりは天皇賞秋のほうが軽いですし、優勝賞金も天皇賞秋のほうが上、更に長距離の重要性が落ちてきているとあれば、三冠を狙える状況でもなければ菊花賞へ出るメリットはほとんどないと言ってもよいかもしれません。
しかし、凱旋門賞は芝状態、馬場状態の悪さに加え、高低差10mという日本のコースでは考えられないような坂を乗り越えなければなりません。
勝つためにはパワーとスタミナが絶対に必要です。
パワーとスタミナの重要性が低下してきている日本競馬界と、凱旋門賞で求められる能力は大きく異なってきている事は間違いないでしょう。
年月が経過していけばいくほど、この差はどんどん広がっていき、日本の競走馬はどんどん活躍することが難しくなっていく可能性が高いです。
日本の競走馬は凱旋門賞に拘らない方が良いという意見も
過去の競馬ファンにとって、凱旋門賞制覇は共通の悲願となっていました。
しかしここ数年でその認識は大きく変化してきていて、競馬ファンの中には凱旋門賞に拘らず、国内や凱旋門賞以外の走りやすい海外レースに専念したほうがよいという声も増えてきています。
凱旋門賞参戦は競馬ファン全員が喜び、期待を寄せる出来事ではもはやなくなってきているのです。
凱旋門賞に拘らない方が良い理由
日本の競走馬が凱旋門賞に勝てない理由と同様に、日本の競馬界が凱旋門賞にこだわらないほうが良いといわれる理由も沢山ありますが、ここでは特に多くの人に共通している、凱旋門賞にこだわらないほうが良い理由をふたつ紹介します。
凱旋門賞後に調子を大きく崩す馬が多い
これまで国内の競馬でトップクラスの活躍を見せていた競走馬が、凱旋門賞出走後に大きく調子を崩してしまうケースが多いというのが、日本の競走馬が凱旋門賞参戦委拘らないほうが良いという意見が出てきている一つ目の理由です。
例えば直近のケースになりますが、2022年に凱旋門賞に参戦したタイトルホルダーとドウデュースは、凱旋門賞に参戦してから精彩を欠いているという印象がぬぐえません。
タイトルホルダーは凱旋門賞に帰国後有馬記念に参戦しましたが、最終コーナーで大きく失速して9着に大敗、明け5歳の初戦となる日経賞ではこれまでの強さを彷彿とさせる圧倒的な強さで完勝しますが、続く宝塚記念ではレース途中で故障が発覚して競走中止となってしまいました。
ドウデュースも同様に明け4歳の初戦を勝ったものの、その後に故障が発覚、予定していた海外遠征が中止となり、2023年8月時点では休養中となっています。
凱旋門賞に参戦した両馬が同じような時期に故障してしまうというのは偶然で片付けることは決してできないでしょう。
凱旋門賞に勝てる能力が日本競馬ではあまり重要視されていない
凱旋門賞に勝つために必要とされるであろう能力を考慮すると、日本の競走馬が凱旋門賞に挑戦する必要性が薄いことが分かります。
凱旋門賞を勝つために求められる能力は、パワーとスタミナです。
もちろんスピードがなければ勝つことができませんが、それ以前にあまりにも過酷なロンシャン競馬場のコースをある程度全力で走り切ることができるパワーとスタミナが無ければ着順を競う以前の問題でしょう。
一方で今の日本競馬のレースで勝利するのに求められているのはスピードと瞬発力です。
日本競馬のコースで使用されている芝は、毎日整備されており、踏みしめた時の力をほぼそのまま走る力に替えることができます。
したがってそれほどスタミナやパワーがなくても最後まで走り切ることが可能なので、より早く、より一瞬のスピードに長けた競走馬になるように調教していきます。
このような方針で育てた競走馬にとって、凱旋門賞はあまりにも求められる条件が違いすぎて非常に走りづらいコースであることは間違いありません。
凱旋門賞は2023年時点においても日本競馬界の悲願となっていますが、果たして凱旋門賞を制した競走馬の能力が日本の競馬界において血統的価値があるかと言えば、すぐに「ある」とは応えられないのが現状です。
凱旋門賞に勝つには凱旋門賞用の競走馬を育成しなければならない
日本競馬界は今後ますますスピード化していくことでしょう。
これは世界的流れであり、逆らうことはできません。
実は競走馬の能力がスピード優先になってきているのには、ひとつひとつのレース時間を短くしようという運営側の目論見も含まれています。
そうなると理論的にはパワーとスタミナがなければ走り切ることすら困難な凱旋門賞で勝利することは年月を経るごとに難しくなっていくという事になります。
それを表すデータになるかどうかは判断が難しいですが、2013年オルフェーヴルが3着になって以降、10年間同じく2着に入る競走馬が出ていないどころか、2ケタ着順になってしまう競走馬が増えてきているような気はします。
エルコンドルパサーが2着に好走できた理由は、もちろん高い能力を持っていたからではありますが、それ以上に国内レースを捨てて1年間ずっと凱旋門賞を最終目標に掲げてフランス国内で走法や体格などをフランスのレースに適合するように変えていったからです。
もう国内レースに出走しながら凱旋門賞の時だけ遠征して走って勝つというスケジュールでは善戦することすら難しいような気がします。
本気で凱旋門賞に勝とうと考えるのであれば、国内レースへの参戦は捨て、フランスのまったく整備されていない芝を問題なく走れるような能力を持つ馬にするための育成に専念する必要があるでしょう。
しかしそのような競走馬が日本の競馬界で活躍することは難しいです。
それは凱旋門賞を勝利した競走馬が日本のジャパンカップに出走しても全く良い結果を出せなかったことからも明らかで、そこまで時間と手間をかけて凱旋門賞を勝利する競走馬を育成していく意味があるのかどうかの判断は非常に難しいといえるでしょう。
まとめ
凱旋門賞が世界最高峰のレースであるという認識は今も昔も変わることはありません。
日本競馬界においても凱旋門賞は悲願のひとつであり、これまで数多くの名馬たちが挑戦しました。
しかし最高位は2着で、先頭でゴールを駆け抜けた日本の競走馬は2023年時点では出てきていません。
近年は毎年のように海外のG1レースでの勝利のニュースが入ってくるようになり、日本競馬のレベルは確実に上がってきています。
にも関わらずなぜ凱旋門賞で勝てないのかという理由については多々考えられますが、特に大きな要因となっているのは以下の3つです。
・馬場状態があまりにも違いすぎる
・日本の競馬界で求められるのはスピード・瞬発力、凱旋門賞でもとめられるのは パワー・スタミナ
特に一番下の求められる能力の差による影響は大きく、この剥離は今後ますます広がっていくことはほぼ確実です。
そのため年月が経てばたつほど凱旋門賞を勝利するような競走馬が登場する可能性は低くなります。
これまでのように国内のレースに出走するというスケジュールの一環で短期間フランスに遠征して凱旋門賞に出走して勝つ、といった方法で凱旋門賞を勝つことは今後ますます難しくなっていくことでしょう。
凱旋門賞を勝利しようと思うのであれば、もう国内のレースに出ることは諦め、ずっとフランスのレースに出走し続けてフランスの競馬場に完全に適合するような競走馬を育成する必要がありますが、凱旋門賞を勝つための能力に特化した競走馬が引退後種牡馬としての価値があるかどうかについては判断が非常に難しいです。
これらのことを考慮すると、日本の競走馬が凱旋門賞へ挑戦すること自体がその競走馬にとって良いことであるかどうかも疑問が残ります。
そのため、競馬ファンのなかにはもう凱旋門賞に日本の競走馬が挑戦する必要はないと発言する人も出てきているのが現状です。