水沢競馬場のコース特徴や傾向データを調査!初心者でも勝てる攻略法!
岩手県は兵庫県と同じく、現在でも盛岡競馬場と「水沢競馬場」の2つの地方競馬場があります。
芝コースがありコース規模の大きさが盛岡競馬場の特徴ですが、水沢競馬場の特徴はどうなっているのでしょうか?
本記事では水沢競馬場について、概要や簡単な歴史、そして攻略法を解説していきます。
水沢競馬場の概要
(引用元:岩手競馬)
水沢競馬場は岩手県奥州市で、岩手競馬組合が主催を行う地方競馬場の1つです。
岩手競馬組合は今回解説する水沢競馬場と、盛岡市にある盛岡競馬場の2つの主催を行っており、この2つの競馬場を時期を区切りながら、一方が開催を行う形を取っています。
ただ、芝コースでもレースが行われる盛岡競馬場が、芝コース保護の観点から6~11月にかけて集中的に開催を行うため、水沢競馬場の開催は12月及び1~5月に開催されます。
また12~2月の冬の時期にも開催されますが、本州最北端に位置しているため、この時期は地形上降雪や吹雪による影響で開催を取りやめることが多いのも、冬の時期ならではの水沢競馬場の大きな特徴となります。
水沢競馬場では2022年現在でダートグレード競走は開催されておらず、岩手競馬独自のグレードによる重賞競走が行われています。
マーキュリーカップの優先出走権が与えられる「みちのく大章典」や、岩手3冠と呼ばれる3歳限定重賞のうち、秋の「不来方賞」を除く「ダイヤモンドカップ」「東北優駿」の2つは、水沢競馬場で開催されます。
騎手や馬の所属は水沢と盛岡で分かれますが、主催が同じであり開催時期が明確に分かれていることから、両所属の騎手や馬は、水沢と盛岡の両方で騎乗を行います。
過去には岩手の帝王と呼ばれたトウケイニセイ、地方所属でフェブラリーSを勝ったメイセイオペラ、マイルチャンピョンシップ南部杯や東京大賞典を勝ったトーホウエンペラー、晩年に中央から移籍し11歳まで活躍したナムラタイタンなどは、岩手競馬所属の名馬として有名です。
また騎手では、メイセイオペラに騎乗した菅原勲騎手(現調教師)、そしてトーホウエンペラーの主戦騎手であり、2022年で現役のトップ騎手でもある村上忍騎手は競馬ファンに良く知られています。
コース全体の特徴
(引用元:岩手競馬)
水沢競馬場は地方競馬全体で見ると、中規模の地方競馬場です。
特に同じ主催である盛岡競馬場と比較すると、1周が1200mと小回りであり、幅員は20m、直線も245mと短いです。
また盛岡競馬場とは逆に右回りでレースが行われ、芝コースもなく高低差の無い平坦コースを使い全てダートで開催されます。
ただ、小回りとはいえ園田競馬場や高知競馬場などの1周1100m以下の地方競馬と比べると、コースの規模は大きく、地方競馬全体では中間規模の競馬場です。
また、地方競馬場全体で見ると内埒の砂が深く、外枠が有利の傾向が強い競馬場が多いですが、水沢競馬場は内側の砂が深くなく、枠順による有利不利の少ない点も大きな特徴となります。
コース全体の特徴をまとめると以下の通りです。
右回り・ダートコース | |
1周距離 | 1200m |
幅員 | 20m |
フルゲート頭数 | 12頭 |
高低差 | 平坦 |
直線距離 | 317m(ゴールまで245m) |
特徴 | 全体的に枠順の有利不利が少ない |
距離別の特徴
(引用元:岩手競馬)
水沢競馬場では現在公式には、850m、1300m、1400m、1600m、1800m、1900m、2000m、2500mの8つの条件が施行可能距離と発表されています。
そのうちダート2500mは北上川大賞典の専用コースでしたが、盛岡競馬場の2600mに変更されており、現在は使用されていません。
また、2000mは東北優駿、みちのく大賞典、桐花賞(2021年は降雪の影響で中止)の3つの重賞レースで、年3回のみ現在は使用されます。
そして1800m、1900mの2つの条件に関しても、上位クラスで年間3回程度のみ開催される特殊な条件となります。
ですから水沢競馬場でメインとなる距離は、850m、1300m、1400m、1600mの4つが大部分を占めており、短い距離で行われるレースが中心です。
では、実際に上記4つの距離の特徴を見ていきましょう。
850mの特徴
出走地点は2コーナー出口付近、スタートし3、4コーナーを通過し直線に向かう、コーナー2つのシンプルなコースです。
短距離という事もあり、勝つためには最初のコーナーの位置取りが重要で、逃げ、先行馬が圧倒的に有利ですが、地方競馬場の中でも3コーナーまでの直線距離は約320mと長めです。
そのため必ずしも外枠が有利というわけではなく、良い位置を確保するスピードを持つ馬であれば、どの枠でもチャンスのある距離です。
基本的には新馬戦や下級条件でのみ使用される距離のため、馬の実力もばらけやすく、狙っている馬のスピードを見極めることが重要なポイントとなります。
直近5年の枠別データは以下の通りです。
1着 | 2着 | 3着 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
内枠 | 78 | 58 | 67 | 542 | 14.4% | 25.1% | 37.5% |
中枠 | 96 | 119 | 116 | 1007 | 9.5% | 21.4% | 32.9% |
外枠 | 106 | 102 | 96 | 841 | 12.6% | 24.7% | 36.1% |
1300mの特徴
出走地点はゴール板より手前のスタンド前の直線やや右となり、コースを1周するコーナー4つのコースとなります。
最初の1コーナーまでの距離が約170mとかなり短く、スタートが重要な条件となるため、セオリー通りでは内枠の逃げ、先行馬が有利なコースとなります。
しかし枠順別の傾向を見ると内外満遍なく馬券に絡んでいるため、外枠が不利というわけではなく、どんな枠でも満遍なくからんでいる印象です。
基本的には下級条件でのみ使用される距離ですが、外枠でも強引に逃げた馬が粘り込むことも多いです。
基本的には内枠に入った逃げ馬が有利となりますが、あまり枠順にこだわらずに、先行争いで前につけるスピードを持っている馬を、見極めることが重要なポイントになります。
直近5年の枠別データは以下の通りです。
1着 | 2着 | 3着 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
内枠 | 224 | 214 | 246 | 1923 | 11.6% | 22.8% | 35.6% |
中枠 | 414 | 432 | 429 | 3741 | 11.1% | 22.6% | 34.1% |
外枠 | 324 | 324 | 291 | 2850 | 11.4% | 22.7% | 32.9% |
1400mの特徴
出走地点は4コーナー出口付近、そこから約270mの直線を通過後1コーナーに入り、コースを1周するコーナー4つのコースです。
ダート1300mから直線を100m伸ばしたコースであり、コーナーまでの距離も伸びるため、序盤のポジション争いが落ち着きやすく、短距離よりも差しが決まりやすい距離となります。
下級条件だけでなく上位のクラスでも使用され、ダート1400mは水沢競馬場で、最も施行回数が多い距離です。
直線の長さを活かせる条件のため、道中のポジション争いや駆け引きによる要素が高く、短距離戦のように単純に前に行く馬を買えば的中できるわけではなく、差し馬の活躍も視野に入れる必要があります。
そのため馬の実力だけでなく、枠順、脚質から展開を考えた上で予想を行うことが重要なポイントとなります。
直近5年の枠別データは以下の通りです。
1着 | 2着 | 3着 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
内枠 | 237 | 240 | 235 | 2118 | 11.2% | 22.5% | 33.6% |
中枠 | 479 | 469 | 482 | 4611 | 10.4% | 20.6% | 31.0% |
外枠 | 350 | 355 | 351 | 3465 | 10.1% | 20.3% | 30.5% |
1600mの特徴
出走地点は4コーナー奥のポケット地点、スタート後155mで緩やかなカーブとなり、4コーナーから周回コースへと入ります。
スタート後すぐにカーブのあるトリッキーなコースであり、形態上ロスなく立ち回りやすい内枠の馬が有利なコースです。
また1400mと同じく差しが決まりやすい距離でもあり、スタート後すぐにカーブに入るため、余程の出遅れが無い限り内枠の馬は、道中をロスなく立ち回りやすい距離となります。
データからも明確に外枠が不利な数値が出ているため、基本的には外枠の馬は割引が必要ですが、距離が長く道中のポジション争いも重要なため、展開から枠順を問わず、差し馬が台頭する可能性は想定しておきましょう。
直近5年の枠別データは以下の通りです。
1着 | 2着 | 3着 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
内枠 | 159 | 156 | 150 | 1369 | 11.6% | 23.0% | 34.0% |
中枠 | 325 | 311 | 325 | 3132 | 10.4% | 20.3% | 30.7% |
外枠 | 210 | 221 | 216 | 2415 | 8.7% | 17.8% | 26.8% |
水沢競馬場の攻略法
水沢競馬場では基本的に上記で紹介した4つの距離がレースの大部分を占めているため、まずは4つの距離の傾向を掴むことが重要です。
基本的に1300mまでの短距離は逃げ、先行馬が勝つことが多く、1400mを超えると差し馬の台頭が目立ちます。
また1番人気の過去5年の信頼度を見ると、1300mの勝率が最も高く、複勝率は850m、1300m共に80%に近い数値です。
逆に1600mが最も低くなっており、距離が伸びる程、1番人気の信頼度は下がります。
過去5年の距離別の1番人気の成績は以下の通りです。
1着 | 2着 | 3着 | 出走回数 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 | |
850m | 120 | 66 | 36 | 280 | 42.9% | 66.4% | 79.3% |
1300m | 439 | 198 | 123 | 971 | 45.2% | 65.6% | 78.3% |
1400m | 464 | 195 | 128 | 1068 | 43.4% | 61.7% | 73.7% |
1600m | 272 | 128 | 83 | 692 | 39.3% | 57.8% | 69.8% |
ですから基本的には1番人気を無視して馬券を購入するにはオススメできませんが、波乱を期待するのであればダート1600mが狙い目といえます。
また上位クラスの馬ほど、盛岡と水沢両方の出走キャリアが多く、全馬が表示されている形式の出馬表では、全ての成績を確認することができません。
特に冬の水沢開催などは基本的には盛岡の成績が中心に表示されているため、馬の成績に関しては過去の水沢の成績をしっかりと確認し、どういう条件で馬券に絡んだのかを把握することが重要です。
中央の条件クラスなどでもそうですが、キャリアの豊富な馬ほど得意な条件が明確になっているケースがあり、そういった情報を探るためには過去の成績をしっかりと確認する必要があります。
ネットの出馬表でも馬名をクリックすれば全成績を確認することができるため、しっかりと1頭1頭把握する癖をつけるようにしましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は水沢競馬場の特徴を紹介しました。
水沢競馬場では岩手の有馬記念とも呼ばれ、ファン投票で出走馬を選出し12月31日大晦日に開催される桐花賞は、ネットで馬券を購入する競馬ファンだけでなく、多くの地元のファンでも賑わうレースです。
岩手競馬は年間を通して、盛岡競馬場と水沢競馬場の2つで開催されています。
盛岡と水沢の競馬場の違いを把握し、競馬を楽しむのが水沢競馬場で競馬予想を楽しむ上でのポイントです。