【2022年】エリザベス女王杯の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

エリザベス女王杯の予想に役立つデータを紹介!過去の傾向や要注目馬を解説!

秋のG1レースは3歳と4歳以上の古馬がほぼ初めて激突するということもあり、世代交代の瞬間が見られるようなレースも多いです。

本記事では牝馬限定のG1レースである「エリザベス女王杯」について、レースの概要や過去の傾向、2022年度要注目馬を解説していきます。

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エリザベス女王杯の基本情報

エリザベス女王杯(引用元:https://www.jra.go.jp/keiba/thisweek/2021/1114_1/race.html)

エリザベス女王杯が開催される競馬場や1着賞金などを表にまとめました。

開催される競馬場と距離 京都競馬場芝2,200m(2021,2022は阪神競馬場で開催)
1着賞金 1億3,000万円
出走資格 サラ牝馬(外国馬、地方出身馬出走可)
負担重量 3歳54㎏、4歳以上56㎏

2021度年までは1着賞金が1億500万円だったのですが、2022年度より1億3,000万円と上昇しています。

エリザベス女王杯の概要

エリザベス女王杯は1970年から1975年まで京都競馬場で開催されていた「ヴィクトリアカップ」が前身になっています。

このレースは距離2,400mで行われていて、3歳牝馬三冠レースの最終戦として位置づけられていました。
1975年にエリザベス女王2世が来日したことを記念し、「エリザベス女王杯」が創設されます。

距離などは前身の「ヴィクトリアカップ」を踏襲し、1995年まで3歳牝馬(当時は4歳牝馬)限定戦となっていましたが、1996年から競走体系が見直されて「3歳牝馬限定戦」から「4歳以上牝馬限定戦」に変更となりました。

エリザベス女王杯の変更に伴って設立されたのが「秋華賞」です。
秋華賞の設立によってエリザベス女王杯はその年の最強牝馬を決めるレースとして位置づけられています。

1995年から指定交流競走となり、地方出身競走馬も所定の成績をあげれば出走できるようになりました。
そして1999年からは外国馬も出走できるようになりました。

G2レースである「府中牝馬ステークス」が本競争のトライアルレースに設定されていて、1着になった馬には優先出走権が与えられます。

地方出身の競走馬は普通牝馬ステークスのほか、「京都大賞典」「秋華賞」で2着以内に入着することでも優先出走権が与えられます。

エリザベス女王杯が開催されるコースの特徴

阪神競馬場(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/hanshin/course/index.html)

エリザベス女王杯は本来京都競馬場で開催されますが、2021年から2023年にかけて改装工事中であるため、2021年と2022年は阪神競馬場での開催となっているため、本項目では両競馬場のコースの特徴をそれぞれ解説していきます。

まず阪神競馬場芝2,200mはスタートから最初のコーナーまでは500m以上あり、先行争いが長い時間繰り広げられますが、そこまで激しい争いにはなりません。

しかし第1コーナー以降も平坦であるため、最初の直線で良いポジションを取れなかった先行馬がコーナーを回った後に好位置を狙おうと動くことがあります。

そうなるとペースは速くなるため、逃げ馬や先行馬にとってはかなり苦しい展開となります。
3コーナーから最終4コーナーまでは下り坂になっていて、ここが勝負所でもあるため、差し馬や追い込み馬は3コーナーから辺りから徐々にポジションを上げていくといった展開になりやすいです。

そしてこのコースの肝となるのが直線の途中に待ち構えている急な坂で、この坂はスタート直後とゴール直前と2回通ることになります。

2,200mという距離ではありますが、並の中距離を走れる程度のスタミナでは最後の最後でスタミナ切れを起こしてしまうでしょう。
長距離でも走れるくらいのスタミナを持ちつつ、スピードやパワーも兼ね備えた馬でなければ勝ち切ることは難しいです。

京都競馬場(引用元:https://www.jra.go.jp/facilities/race/kyoto/course/index.html)

京都競馬場の芝2,200mは、阪神競馬場と比べれば平坦なコースです。
スタートは正面スタンド前から第二コーナーあたりまでは平坦であることもあってかスローペースになりやすく、そこまでで大体隊列は定まります。

そして外回りコースを回っていくと、ラスト800mあたりで下り坂となっており、差し厩追い込み馬はここから下り坂の勢いを利用して一気にスピードをつけて前の馬を追い抜きにかかります。

阪神競馬場同様、ラスト3ハロンの争いで決着がつくことが多く、ほかのコースと比べると差し馬や追い込み馬にも十分チャンスがあります。

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

過去10年間3着以内に入着した競走馬たち

エリザベス女王杯で2021年から遡って過去10年間で3着以内に入着した競走馬を表にしました。

年度 馬場 着順 馬番 競走馬名 馬齢
2021 1 16 アカイイト 4
2 5 ステラリア 3
3 2 クラヴェル 4
2020 1 18 ラッキーライラック 5
2 13 サラキア 5
3 11 ラヴズオンリーユー 4
2019 1 2 ラッキーライラック 4
2 6 クロコスミア 6
3 11 ラヴズオンリーユー 3
2018 1 12 リスグラシュー 4
2 9 クロコスミア 5
3 7 モズカッチャン 4
2017 1 5 モズカッチャン 3
2 4 クロコスミア 4
3 10 ミッキークイーン 5
2016 1 3 クイーンズリング 4
2 9 シングウィズジョイ 4
3 1 ミッキークイーン 4
2015 稍重 1 12 マリアライト 4
2 18 ヌーヴォレコルト 4
3 8 タッチングスビーチ 3
2014 1 1 ラキシス 4
2 5 ヌーヴォレコルト 3
3 15 ディアデラマドレ 4
2013 1 3 メイショウマンボ 3
2 18 ラキシス 3
3 7 アロマティコ 4
2012 1 15 レインボーダリア 5
2 12 ヴィルシーナ 3
3 6 ピクシープリンセス 4

牝馬限定戦ということもあってか、他のレースと比べると同じ馬が3着以内に入っていることが多いです。
特にクロコスミアは2017年から3年連続2着になるという珍しい記録を樹立しています。

過去のデータから見られる傾向

過去のデータから見られる傾向

過去10年間に3着以内に入着している競走馬たちにはどのような共通点が見られるのかを解説していきます。
下記に紹介した3つの条件に該当している競走馬はチェックしておいたほうが良さそうです。

前走秋華賞好走馬

秋華賞は3歳牝馬G1レースの最終戦ということもあって、このレースで実績を残している競走馬はエリザベス女王杯でも古馬相手にそん色ない走りを見せることが多いです。

古馬たちの実力との兼ね合いもありますが、見劣りしないだろうと判断できるのであれば、秋華賞上位の競走馬はエリザベス女王杯でも注目しましょう。

前走府中牝馬ステークス好走馬

トライアルレースである府中牝馬ステークスで好走した競走馬はエリザベス女王杯でも良い成績を残すことが多いです。

3着以内に入っていた馬たちは好走しやすいのはもちろんなのですが、府中牝馬ステークスに限っては5着以下になってしまっている競走馬でも本レースになると好走しているというケースも多々見られます。

競走馬のなかには夏季休暇明けのレースでは実力を出し切れず、その次のレースで本来の力を出せるという場合も多いので、府中牝馬ステークスで勝ちを狙っているのか、単に休養明けの試走といった間隔で出走させているのかについてはしっかりと見極める必要がありそうです。

3歳または4歳馬

秋華賞上位馬も含め、3歳馬と4歳馬がエリザベス女王杯3着以内入着の大半を占めています。

牝馬最強決定戦ということもあって気力・体力ともに充実している競走馬が勝ちやすいですし、近年は優秀な実績を残した牝馬は5歳をおえると引退して繁殖牝馬となるケースが多いというのもこの傾向の要因といえるでしょう。

要注目馬

要注目馬

エリザベス女王杯に出走する競走馬はいずれも実力馬揃いなので、全頭チェックしておかなければ行けませんが、その中でも特に出走すれば上位人気になるであろう注目馬たちをここでは簡単に紹介していきます。

デアリングタクト

2020年に史上6頭目となる牝馬3冠を達成しました(無敗での牝馬3冠は史上初めて)が、翌年香港でのレース出走後に右前肢繋靱帯炎を発症、1年以上の長期休養に入ることになります。

繋靱帯炎は競走馬生命に関わる症状であったため、何とか走れる状態に戻ってほしいと多くのファンが願っていましたが経過は順調で明けて5歳になり、「ヴィクトリアマイル」でついに復帰することとなります。

デアリングタクトは枠順の関係上、内側を走らざるを得なかったのですが、その日の東京競馬場は内側がまったく伸びない状態でした。
しかし最後の直線では前を捉えようかという伸びの末脚を見せ、高い能力は健在だということを実証してみせます。

次走は宝塚記念に出走、このレースはタイトルホルダーが終始ペースを握る展開となって超ハイペースとなり、後続馬はついていくだけで精一杯で最終直線では追走する体力もありませんでした。

しかし、デアリングタクトはしっかりとタイトルホルダーを猛追し3着に入着します。
このレースを見て多くのファンが完全復活を確信したのではないでしょうか。

アカイイト

2021年のエリザベス女王杯の勝ち馬です。
アカイイトはそれまで上位に入着するようなレースはなく、エリザベス女王杯でもそれほど人気ではありませんでした。

しかし最終直線で抜け出すと末脚を爆発させ、先頭に立つとそのままゴール、このレースでは上位人気が総崩れとなって3連単330万円馬券という大波乱となっています。

その後は金鯱賞で3着になるものの、他のレースでは実力を発揮できずに終わっています。
しかし勝ち方を分かっているエリザベス女王杯であれば、その実力を遺憾なく発揮できるのではないでしょうか。

レイパパレ

2021年大阪杯の勝ち馬です。
当レースでは馬場状態の悪い中ただ1頭圧巻の走りを見せて完勝、しかしその後は中々人気に応えるようなレースができないままでしたが、ここ最近は好走していて復調の兆しを見せています。

エリザベス女王杯は距離的に少々長いという意見もありますが、実力はトップクラスなので自分の競馬ができれば十分馬券内に入る実力はもっていることでしょう。

ただし、距離適性的には「天皇賞秋」のほうが悔いており、レイパパレに関してはエリザベス女王杯よりも「天皇賞秋」に出走する可能性のほうが高いです。

スターズオンアース

2022年桜花賞、オークスの勝ち馬です。
オークス勝利後に脚の故障が見つかりましたが、秋の競馬には十分間に合うとのことで、秋華賞では間違いなく本命候補となるでしょう。

ここに勝てばデアリングタクト以来の3冠牝馬誕生となります。
オークスでも抜群の末脚を見せたことから距離的には何の問題もありませんし、出走すれば間違いなく上位人気となることでしょう。

エリザベス女王杯にもし出走し、勝利すれば文句なしにスターズオンアースが現役最強牝馬の称号を手にすることになります。

ステラリア

ステラリア(引用元:https://jra-van.jp/fun/tokusyu/g1/oaks/2021/favorite.html)

アカイイトと共に昨年のエリザベス女王杯大波乱の立役者となりました。
当レースでは持ち味である末脚が遺憾なく発揮され、アカイイトとともに上位人気に先着し、2着に入ります。

ポテンシャルは高い馬なのですが、末脚が武器なので展開が向いてこないと実力を破棄できないうえ、鞍上が毎回のように変わることもあってその後はなかなか思うような成績が残せていません。

5月の「新潟大賞典」でも直線が長い競馬場ということもあって得意なコースであり、出走メンバーから見ても上位に入ると思われましたが、騎手と馬との意思疎通が上手く行かなかったのか、本来の力を出せず5着に終わっています。

その後ケガが判明し、夏はじっくり休養することになりそうです。
エリザベス女王杯には恐らくトライアルレースに出走しなければならないでしょう。
そこではこの競走馬の力を引き出せるような騎手に騎乗してほしいものです。

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まとめ

エリザベス女王杯は創設当時は3歳(当時は数え年なので4歳)牝馬限定の最終戦という位置づけでしたが、1996年より牝馬レースの大幅な見直しがなされた結果、4歳以上も参加可能なレースとなり、「秋の最強牝馬決定戦」という位置づけのレースに変更されました。

エリザベス女王杯の出走条件の変更に伴い、3歳牝馬のみが出走できる秋のレースとして新たに設立されたのが「秋華賞」です。

3着以内に入った競走馬の特徴を見ると、トライアルレースや秋華賞など、事前の牝馬限定レースにおいて優秀な成績を残した競走馬がそのままエリザベス女王杯でも上位に入着するケースが多く見られます。

また、エリザベス女王杯独自の特徴としては、前年に上位3着以内に入着している競走馬が翌年も同じく3着以内に入着している事がほかG1レースと比べると多いです。

とはいうものの、昨年のエリザベス女王杯は上位人気の馬がすべて3着以内に入ることができなかったという大波乱の結果となっているため、今年も前年の3頭が入着するかといえばなかなか厳しいものがあるといえるでしょう。

となると、今年はトライアルレースである「府中牝馬ステークス」や、3歳牝馬限定G1レースの最終戦である「秋華賞」で上位に入着した競走馬に注目しておいたほうが良さそうです。